2021 06/21
中公新書の60年

1982年の中公新書

時間と自己時間という現象と、私が私自身であるということは、 厳密に一致する。自己や時間を「もの」ではなく「こと」として捉えることによって、西洋的独我論を一気に超えた著者は、時間と個我の同時的誕生をあざやかに跡づけ、さらに、ふつうは健全な均衡のもとに蔽われている時間の根源的諸様態を、狂気の中に見てとる。前夜祭的時間、あとの祭的時間、そして永遠の今に生きる祝祭的時間――「生の源泉としての大いなる死」がここに現前する。

木村敏(きむら・びん)1931-。精神科医、精神病理学者。

この年のできごと4月 500円硬貨発行。
同月 アルゼンチン軍がイギリス支配のフォークランド諸島に上陸。紛争が起きる。
6月 東北新幹線が開業。同年11月には上越新幹線が開業。
10月 フジテレビ系列で「笑っていいとも!」が放送開始。
11月 中曽根康弘内閣が成立。
12月 テレホンカード発売。

この年のラインナップ塚崎幹夫著『星の王子さまの世界』
永岡治著『伊豆水軍物語』
石毛直道著『食事の文明論』
木村重信著『ヴィーナス以前』
二木謙一著『関ケ原合戦』
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木田盈四郎著『先天異常の医学』
八杉佳穂著『マヤ文字を解く』
入交好脩著『武市半平太』
長田弘著『私の二十世紀書店』
前川光司/後藤晃著『川の魚たちの歴史』
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滝沢健児著『すまいの明暗』
加藤秀俊著『新・旅行用心集』
中村良夫著『風景学入門』
諸井誠著『名曲の条件』
中嶋嶺雄著『中国―歴史・社会・国際関係』
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山本俊一著『浮浪者収容所記』
木村康著『血痕鑑定』
斎藤次郎/森毅著『元気が出る教育の話』
鳴海邦碩著『都市の自由空間』
小林泉著『ミクロネシアの小さな国々』
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伊藤光彦著『謀略の伝記―政治家ウェーナーの肖像』
E・J・H・コーナー著『思い出の昭南博物館』
北村敬著『天然痘が消えた』
陳舜臣/増井経夫著『揚子江』
川合宏之著『管理職のマイコン教本』
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竹村民郎著『廃娼運動』
長谷川公昭著『ファシスト群像』
森浩一編『倭人伝を読む』
福島章著『犯罪心理学入門』
森本哲郎著『私のニジェール探検行』
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斎藤尚生著『有翼日輪の謎』
生江有二著『つっぱりトミーの死』
杉村隆著『発がん物質』
鈴木明著『ある日本男児とアメリカ』
D・リースマン著『二十世紀と私』
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伊原昭著『平安朝の文学と色彩』
木村敏著『時間と自己』
伊藤芳宏著『自律訓練法の医学』
高取正男編『京女』
矢野暢著『南北問題の政治学』