2021 03/29
中公新書の60年

1971年の中公新書

『ある明治人の記録 会津人柴五郎の遺書』明治維新に際し、朝敵の汚名を着せられた会津藩。降伏後、藩士は下北半島の辺地に移封され、寒さと飢えの生活を強いられた。明治三十三年の義和団事件で、その沈着な行動により世界の賞讃を得た柴五郎は、会津藩士の子であり、会津落城に自刃した祖母、母、姉妹を偲びながら、維新の裏面史ともいうべき苦難の少年時代の思い出を遺した。『城下の人』で知られる編著者が、その記録を整理編集し、人とその時代を概観する。

石光真人(いしみつ・まひと)1904ー75。本書の編著者。東京日日新聞社(現毎日新聞社)に入社後、日本ABC協会事務局長、専務理事などを務める

この年のできごと2月 月にアポロ14号が着陸する
7月 環境庁が発足
同月 日本マクドナルド1号店が銀座三越の1階にオープン
8月 ドル・ショック。円が変動相場制に移行
9月 ソ連のフルシチョフ死去
10月 作家の志賀直哉死去

この年のラインナップ北川敏男編著『創造工学』
E・J・ホブズボーム著『反抗の原初形態』
斎藤茂太著『精神科医三代』
河合秀和著『レーニン』
朝山新一著『さようなら  ありがとう みんな』
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伊藤正孝著『南ア共和国の内幕』
児島襄著『東京裁判(上)』
近森敏夫著『土佐の民謡』
川田順造著『マグレブ紀行』
原田茂著『高校生の日記』
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児島襄著『東京裁判(下)』
高田淳著『魯迅詩話』
湯川秀樹/北川敏男著『物理の世界 数理の世界』
田中靖政著『現代日本人の意識』
石光真人編著『ある明治人の記録』
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角間隆著『燃えるアメリカ』
藤本勝次著『マホメット』
陳舜臣著『実録 アヘン戦争』
名嘉正八郎/谷川健一編『沖縄の証言(上)』
絲屋寿雄著『大村益次郎』
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清水和久著『アメリカ・インディアン』
三輪公忠著『松岡洋右』
増田正造著『能の表現』
名嘉正八郎/谷川健一編『沖縄の証言(下)』
豊田武著『苗字の歴史』
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松原治郎著『現代の青年』
石井幸孝著『蒸気機関車』
祖父江孝男著『県民性』
滝沢武久著『知能指数』
玉野井芳郎著『日本の経済学』
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牧野昇著『超技術』
竹内啓/広重徹著『転機にたつ科学』
林周二著『システム時代の流通』
佐藤忠男著『ヌーベルバーグ以後』
奥猛/京谷好泰/佐貫利男著『超高速新幹線』