2021 04/19
中公新書の60年

1974年の中公新書

『水と緑と土 伝統を捨てた社会の行方』かつて日本人は自然を愛し自然に対応して生きる民族だった。それがなぜ現在のように自然を破壊するようになったのか。伝統的な自然観との断絶の跡をふりかえり、自然と人間社会とのバランスを崩した土地利用が何をもたらしたかを、水害、水不足、熱公害、大面積皆伐などの具体的事例から追究する。土壌の生産力こそ真の資源であり、それを失った文明は必ず滅亡するという警告は、日本人に深い反省を促さずにはおかない。

富山和子(とみやま・かずこ)1933-。評論家。立正大学名誉教授

この年のできごと1月  三菱石炭鉱業が端島(軍艦島)を閉山
5月  セブン-イレブンの1号店が豊洲に出店
9月  エチオピア革命。皇帝が廃位となり、軍事政権成立
10月 長嶋茂雄選手が現役引退。「我が巨人軍は永久に不滅です」
同月 佐藤栄作元首相がノーベル賞を受賞
12月 三木武夫内閣成立

この年のラインナップ山下正男著『動物と西欧思想』
富山和子著『水と緑と土』
松田毅一/川崎桃太編訳『秀吉と文禄の役』
正木進三著『昆虫の生活史と進化』
土屋守章著『ハーバード・ビジネス・スクールにて』
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小田切進著『日本の名作』
田中豊著『政府対新聞』
新野直吉著『古代東北の覇者』
川喜田二郎著『海外協力の哲学』
向一陽著『アタカマ高地探検記』
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吉川忠夫著『侯景の乱始末記』
小堀桂一郎著『鎖国の思想』
木間瀬精三著『死の舞踏』
磯野富士子著『モンゴル革命』
品田穣著『都市の自然史』
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四手井綱英著『日本の森林』
米山俊直著『祇園祭』
上山春平/梶山雄一編『佛教の思想』
佐藤任弘著『海底の地図』
大河内一男著『余暇のすすめ』
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武内義範著『親鸞と現代』
小原信著『われとわれわれ』
青木恵一郎著『さくもつ紳士録』
佐貫亦男著『人間航空史』
根本順吉著『異常気象を追って』
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松前健著『日本の神々』
西山千明著『自由経済』
松本重治著『上海時代(上)』
犬塚孝明著『薩摩藩英国留学生』
力武常次著『地震予知』
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臼井勝美著『満州事変』
中田幸平著『野の玩具』
佐藤欣子著『取引の社会』
松本重治著『上海時代(中)』
渡部昇一著『ドイツ参謀本部』