2021 01/25
中公新書の60年

1962年の中公新書

『アーロン収容所 西欧ヒューマニズムの限界』英軍は、なぜ日本軍捕虜に家畜同様の食物を与えて平然としていられるのか。女性兵士は、なぜ捕虜の面前で全裸のまま平然としていられるのか。ビルマ英軍収容所に強制労働の日々を送った歴史家の鋭利な筆はたえず読者を驚かせ、微苦笑させつつ西欧という怪物の正体を暴露してゆく。激しい怒りとユーモアの見事な結合がここにある。強烈な事実のもつ説得力の前に、私たちの西欧観は再出発を余儀なくされるだろう。

会田雄次(あいだ・ゆうじ)1916-97。歴史学者。京都大学名誉教授

この年のできごと2月  アメリカ初の有人宇宙飛行に成功
5月  列車脱線による三河島事故で160人が死去
8月  マリリン・モンロー死去
10月 キューバ危機勃発
同月 ビートルズがデビュー
11月 中公新書創刊(「中公新書刊行のことば」

この年のラインナップ桑原武夫編『日本の名著』
野々村一雄著『ソヴェト学入門』
会田雄次著『アーロン収容所』
林周二著『流通革命』
加藤一朗著『象形文字入門』