2019 10/15
編集部だより

秋といえば

10月5・6日に開かれた、第92回日本社会学会大会

はじめまして。あらたに中公新書編集部に加わりました、Yと申します。お見知りおきのほど、よろしくお願いいたします。

早速ですが、みなさんは秋ときいて何を連想しますか? 読書の秋、食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋・・・・・・。色づく紅葉や金木犀の香り、旬を迎えた栗やブドウの味わい、ハロウィンやお月見のにぎわいなどを思い浮かべる方もいるかもしれません。

しかし、自分にとって秋といえば、これです。ずばり「学会の秋」です。

なじみのない方のために説明すると、学会とは「同じ学問を専攻する学者が、研究上の協力・連絡・意見交換などのために組織する団体。また、その会合」(大辞林 第三版)のことで、日本社会学会、日本政治学会、史学会、日本音楽学会のように、分野ごとに組織されています。研究者の多くが関連する学会に所属しています。

中でもいちばん大きな「会合」である大会が、毎年この時期に集中して開催されます。大会では様々なジャンルの研究報告が多数行われ、無料の大会もあります。誰もが知る有名な先生から注目の若手まで、全国から研究者が集まって発表・討議・交流がなされる貴重な機会。一般の人も参加費を払って聴講することができるものも多く、興味ある分野の最新研究動向を知るにはうってつけのシーズンなのです。

大会に実際行ってみると、ひとつの学問分野の中でも細かいテーマに分かれて、同時並行でいくつものプレゼンテーションやシンポジウムが行われていることに気づくと思います。興味のある報告をめぐりましょう。大学の教室が会場として用いられるので、ついつい学生時代を思い出したりしてしまいます。

当日のプログラムを片手に、あの発表は外せない、これも聞きたいけどかぶってしまう・・・・・・などなど、タイムテーブル作りに悩むさまは、まるで学問の世界の「フェス」といった趣です。もちろん、ただ行って楽しむだけのお祭りではなく、参加後には関連する論文や書籍が織りなす壮大な世界が待ち受けています。

みなさんも関心のある分野があれば、ぜひ積極的に参加してみてはいかがでしょうか。(Y)