2017 01/04
編集部だより

通勤路の難所

私の出社および帰宅を邪魔する者たちがいる。猫だ。

もともと動物は好きだが、ペットを飼えないマンションに住んでいる。そのため猫が群れているのを見るたび、コミュニケーションをはかるべく近寄っていた。だが、別にエサを与えるわけでもないので、そろそろと近づく中年男性を前にした猫たちは逃げ散るばかり。

だが、一年以上も前のある真夜中のこと。いつも猫がたむろしているエリアによく見かける茶白の一匹が佇んでいたので、ゆっくりと近寄ってみた。逃げない。おずおずと撫でてみる。すると、満更でもない顔でこちらを見上げるではないか。信頼関係が生まれた瞬間だった(たぶん)。

茶白はその日以降逃げなくなった(写真はその猫)。どうかすると寄ってくる。そして面白いもので、一匹と仲良くなると、他の猫も全てではないが、段々と警戒心を解き、逃げなくなっていった。

馴染みの猫が増えたことはうれしい。性格の違いなどもわかってきて、「あー、今日はあいつが寝転んでいるな」「おっ、三毛が近寄ってきたぞ」と猫を眺める楽しさも倍増した。

だが、私も会社員の端くれ。毎日はけっこう慌ただしい。猫がじっとこっちを見ているのに振り切って駅へ向かわねばならない日も多い。2017年もはじまった。猫たちに誘惑される難所を乗り越えたり時に立ち寄ったりしながら、駅へ、そして会社へ向かう日々をがんばろうと思う(T)