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桶狭間の戦い
岩室忍 著
尾張の虎と呼ばれた父信秀が死去し、十九歳の信長が乱世に飛び出す時が来た。聖徳寺にて斎藤道三との会見を成功させ、美濃という後ろ盾を得ると尾張統一へと突き進む。兵力で劣る戦いを知略でくぐり抜け、さらには前代未聞の鉄砲隊を密かに組織した信長。ついに今川義元率いる大軍団との決戦の火蓋が切られる! 信長の旧臣太田牛一が著した『信長公記』に基づきながら、大胆な発想で信長が本能寺に散るまでを描く大河小説の幕開け! 大人気シリーズ『剣神』の岩室忍が一番書きたかった織田信長の生涯。全八巻、隔月発売予定。
2024/11/20 刊行

フランツ・カフカ 著/頭木弘樹 編訳
カフカの短い言葉は俳句のよう――「鳥籠が鳥を探しにいった」「体の真ん中に毛糸玉がある感じ」等、20世紀の文豪がのこした断片80首を、自由律俳句のように味わう鮮烈なカフカ入門。カフカの短い断片を新たに訳し下ろし、小宇宙のような深みを楽しめる解説つき。時代や場所を越え、カフカの世界を縦横無尽に感じられる一冊。
2024/11/20 刊行

松井久子 著
脚本家・唐沢燿子は古稀をむかえ、日に日に「老い」を実感していた。そんなある日、SNSで年下の男と出会い、生活が一変する。忘れかけていた自分の「女」の顔に戸惑いつつ、いつしか身も心も溺れていく燿子。人生後半から燃え上がる大人の恋の行方は……。センシュアルで真摯なラブストーリー。70代女性の心と身体のリアルを描き話題を呼んだベストセラーが、ついに文庫化!
2024/11/20 刊行

いかにしてヒトは知性を獲得するか
乾敏郎/門脇加江子 著
なぜ細胞の集合体である脳から自我が生まれ、感情が湧くのか。どうして相手の心がわかるのか。脳はいかに言語を操るのか。そもそもなぜ生命を維持できるのか。鍵は、脳がする「予測」と予測誤差の修正だ。本書では、知覚、感情、運動から、言語、記憶、モチベーションと意思決定まで、脳が発達する原理をひもとく。子どもの学習や障害、意識の構造も一望。人類に残された謎である、高度な知性を獲得するしくみを解き明かす。まえがき 第1章 脳の本質に向けて脳科学の祖ヘルムホルツ 世界が止まって見える理由 幸運な出会いから科学の爆発へ サイバネティクス 悪魔的天才と呼ばれたフォン・ノイマン シャノンの情報理論 人間の能動性と心の発達 予測と模倣 シュレーディンガーの仮説第2章 五感で世界を捉え、世界に働きかける知覚・運動機能に関する脳研究の夜明け ホムンクルスの発見 知覚とは何か 脳内の階層的処理によって生まれる知覚 脳はどのように推論するのか 推論の基本――ベイズ推論 脳の推論メカニズムを探る フリストンの自由エネルギー原理 予測誤差最小化を実証する 運動制御 知覚と運動の循環 注意機能とニューロン反応の同期 視覚と運動を統合するミラーニューロン まとめコラム1 感覚統合――異種感覚を統合する第3章 感情と認知感情に関する脳研究の夜明け 感情はどのように決定されるのか外環境と内環境 内臓状態の知覚と運動 ホメオスタシスとアロスタシス アロスタシスの仕組み 内受容予測符号化 内臓感覚皮質の構造と感情 内受容感覚と自閉症 感情の発達 まとめ第4章 発達する脳発達・学習研究の夜明け 人間の視覚野の臨界期 ヘブ則からBCM理論へ 赤ちゃんの手腕運動 じーっと見る赤ちゃん 発達の原理 動機づけのメカニズム 滑らかな運動を司る小脳知識を書き換える赤ちゃん GABAの役割と神経発達症(発達障害)との関係 まとめコラム2 ヘブの洞察力第5章 記憶と認知記憶研究の夜明け 海馬損傷の患者 過去の記憶は海馬にはないのか エピソード記憶は多感覚である 海馬の役割 二つの発見――エピソードの予測と時系列化 記憶を再構成する 睡眠は記憶の強化と要約を行う 概念細胞の発見 場所細胞の発見 運動予測――ボールを見てバットを振る 身体化による認知 メンタルシミュレーションの仕組み まとめ コラム3 海馬の機能――出来事の順序を記憶し、再生する第6章 高次脳機能――知識、言語、モチベーションモノがわかるとは何か 二つの視覚系経路 動的概念の獲得から言語獲得へ 意図の理解 言語の基礎とブローカ失語 名詞と動詞の理解 目的語の理解 文の意味理解 チョムスキーの生成文法 予測しながら会話する モチベーション(動機づけ)とは何か 人間行動の基礎理論へ 再び注意と視線移動行動の決定とモチベーション 予測誤差とドーパミン 好奇心はどこから来るのか まとめ第7章 意識とは何か意識の科学 意識の神経相関 意識の芽生え ホメオスタシス感情と痛み 自己意識――自己主体感・自己所有感・自己存在感 錯覚 後付け的再構成(ポストディクション) 認知や意識の上書き メタ認知 人工知能と脳科学の接点――対照学習 まとめ終 章 脳の本質あとがき参考文献索 引
2024/11/20 刊行

関容子 著
聞書きの名手である著者が、銀座で逢ったひととの思い出を綴る、「銀座百点」から生まれた名エッセイ。粋人達の面影が甦り、特別な街への憧れがつのる一冊。【目次】文学者の章吉行淳之介さんの灰皿/丸谷才一さんのスーツ/堀口大學さんの扇子/戸板康二さんの冗談/ドナルド・キーンさんの象/梅原猛さんのコースター/池内紀さんの歌舞伎/色川武大さんの紙袋/小松左京さんの猫/井上ひさしさんの靴/石垣りんさんの砂糖壺/早坂暁さんのメモ/池田彌三郎さんのお手玉/野坂昭如さんの薔薇 歌舞伎役者の章十七代目中村勘三郎さんの挨拶文/初代中村獅童さんの拍手/六代目中村歌右衛門さんの花籠/十二代目市川團十郎さんのパフェ/四代目中村雀右衛門さんのスコッチ/二代目尾上松緑さんの木札/十八代目中村勘三郎さんの受付/十代目坂東三津五郎さんの次郎冠者女優の章沢村貞子さんの着物/岸田今日子さんの教え/加藤治子さんの微笑/池内淳子さんの襟足/太地喜和子さんのジーンズ/岡田嘉子さんのダスビダーニャ/長岡輝子さんの声俳優の章平幹二朗さんの絵葉書/池部良さんの吸殻/小沢栄太郎さんのボストンバッグ/小沢昭一さんのブリーフケース/北村和夫さんの純愛/加藤武さんのご祝儀袋落語家・画家・音楽家の章桂米朝さんの黒紋付/古今亭志ん朝さんのフラ/安野光雅さんの座布団/岩城宏之さんの大鏡/五十嵐喜芳さんの咳払い特別編兄、眞之助の銀座
2024/11/20 刊行

加速する少子化と新たな人口ビジョン
人口戦略会議 編著
2014年刊行の『地方消滅』と、そこで示した896の「消滅可能性都市」リストは、衝撃をもたらした。それから10年を経て、東京の出生率は0・99になるなど、なお少子化は加速する。このままだと2100年に人口は6300万人、高齢者が4割の国になりかねない。本書は、全国1729自治体を9つに分類。「ブラックホール型自治体」の特性なども分析し、持続可能な社会へ向かうための戦略とビジョンを打ち出す。目次序章 「消滅可能性都市896」の衝撃Ⅰ部 消滅自治体 最新データ篇 第1章 地方自治体「持続可能性」分析レポート 地域特性に応じた人口減少対策が必要(三村明夫+人口戦略会議)第2章 全国1729自治体リストから見えた地域の特性 自治体の「人口減少要因」が明らかに(人口戦略会議)第3章 人口減を止められなかった10年 外国人・寄合・デジタルは救いとなるか(宇野重規×増田寛也)Ⅱ部 2100年への提言篇 第4章 緊急提言「人口ビジョン2100」 安定的で、成長力のある「8000万人国家」へ(人口戦略会議)第5章 人口減少、どう読み解くか・少子化・人口減の深刻さはなぜ共有されないか――1990年代の不良債権問題との類似性(白川方明)・正社員とパートの賃金格差解消こそ最重要課題――約4割の未婚女性が子どもを持たないと予想(永瀬伸子)・東京出生率0・99の衝撃 基本から知る低出生の現実(小池司朗)第6章 今が未来を選択できるラストチャンス
2024/11/20 刊行

謀反の剣
富樫倫太郎 著
煬帝一味の襲撃を撃退した麗門愛之助は、再び放蕩三昧の日々を送っていた。ある日、彼を庇って死んだ女盗賊・孔雀の墓参りへ行くと、孔雀と瓜二つの女・朱雀が現れる……。一方、佳穂は旗本奴の般若党と全面対決、そして幕府転覆を画策する煬帝は、八代将軍吉宗の暗殺計画をついに実行する! どうする、愛之助!? 文庫書き下ろし
2024/11/20 刊行

私説昭和史1
関川夏央 著
昭和とは何だったのか? 関川氏の一連の作品は、この問題を考えるヒントに満ちている。本作で描写される「戦後」は、貧困に苦しみつつ、つねに明日を信じて努力した時代であった。一瞬の光芒を放ちながら、やがて輝きを失い、うつろな社会へと変貌していくその短い青春の時間を、著者自身の経験に拠った、一人称視点の主人公によって織りなされる小説と、時代を映したベストセラー(『山びこ学校』から田中角栄『私の履歴書』まで)の評論で、交互に照らし出す。巻末には、「自著解説」を新たに書き下ろす。「私説昭和史」三部作の第一弾。
2024/11/20 刊行

坂岡真 著
待望の初孫が生まれた長尾勘兵衛は、雛人形を揃えてやりたいと初市へ向かう。そこで町娘たちの簪が次々と抜かれる現場に出会した。鮮やかな手口で伝説の掏摸とよばれている初音の仙蔵と、その子らであった。仏の顔も三度までと見逃し、仙蔵も「まっとうに生きてみる」と足を洗う覚悟を決めたのだが……。大好評「十手裁き」シリーズ第二作!
2024/11/20 刊行

小路幸也 著
働くってことは、生きるってことだ。「東京バンドワゴン」シリーズの著者が贈る、高校生たちが大人の階段を上る青春群像。〈カラオケdondon〉の奥まった一室。そこはお客に貸さない部屋。通称〈バイト・クラブ〉のための部室だ。ここの部員になるための資格は、【高校生の身の上で「暮らし」のためにバイトをしていること】。ファミレスにガソリンスタンド、バッティングセンターなどなど。稼いだお金の使い途は学費だったり生活費だったり、将来のためだったり。お金はなくても、ここには私たちなりの「青春」がある。でもある日、そんな日常を一変させるような事件が起こる――。
2024/11/20 刊行

横田創 著
1999年、河口湖町の廃ホテルで起きた母娘の死体遺棄事件。犯人と目された少年の裁判の最中、被害者の夫は謎の手記を発表し失踪。10年後、ジャーナリストが再取材を行うが、関係者達の告白は事件の構図を次々と塗り替えてゆく……。読者を幻惑・酩酊させる仕掛けで、純文学×ミステリ×フェイク・ドキュメンタリーの歴史的達成として小説界を騒然とさせた衝撃作、ついに文庫化。本作ははたして、現代の「藪の中」か、ミステリを逆手にとった奇書か、あるいは小説の極北か――文庫化にあたり、ボーナストラックとして、著者独自の犯罪小説二篇(「トンちゃんをお願い」「わたしの娘」)を書籍初収録。【諸氏から絶讃の声、続々!】脳をマドラーで掻き回されるように読んだ。それから十数年経っても、撹拌された言葉は渦巻き続けている。――酉島伝法(小説家・イラストレーター)生きる自分への責任の取り方と、誰かに向けられた嘘や演技。ふたつが奇跡的に同じものとして重ねられる文体に、その残酷に、私は吐きそうなくらい救われた。――山本浩貴(いぬのせなか座/小説家・デザイナー)途方もない饒舌のうちに真実は沈みゆく。こんなに恐ろしい小説はそうそうない。――蛙坂須美(怪談作家)【目次】Ⅰ 埋葬(2010)Ⅱ トンちゃんをお願い(2011)/わたしの娘(2019)〈解説〉岡和田晃
2024/11/20 刊行

創造する人・破壊される人
清水洋 著
経済成長の起爆剤として期待されるイノベーション。将来への新しい希望であると同時に、「創造的破壊」と言われるように、人々のスキルや生活の基盤を壊す側面もある。本書は「人」の観点から検討し、創造の促進は元より、破壊の打撃を軽減する方策を考察する。創造する人、破壊される人の特徴とは?抵抗と格差を縮小する教育投資、ミドル・シニア層のリスキリングとは?希望と幸せのための二つのリスク・シェアとは? ■目 次■はじめに第1章 イノベーションとは何か1 「創造的破壊」としてのイノベーション2 不確実性がつきもの3 創造の恩恵と破壊のダメージには時間差がある 第2章 創造する人の特徴 1 創造性は才能なのか、環境なのか2 動機づけ次第で創造性が変わる3 誰がイノベーションを生み出すのか4 「創造的破壊」の張本人は誰か 第3章 破壊される人は誰か 1 誰が破壊されやすいのか2 どのような人が破壊されてきたのか3 破壊されるインパクト 第4章 新しいモノゴトへの抵抗1 抵抗を生むイノベーション2 政府はどちら側につくのか3 抵抗がなくなる条件 第5章 アメリカ型をマネするな1 世界をリードするイノベーション大国2 広がる格差と増える絶望死3 どこかに正解がある? 第6章 自己責任化する社会 1 リスクの取り方、分散の仕方2 個人が引き受ける破壊リスク3 広がる自己責任と、狭まる「他者への責任」第7章 創造と破壊のためのリスク・シェア1 政府の再分配2 リスク・シェアのさまざまな可能性3 イノベーションを方向づける おわりに謝辞参考文献註記
2024/11/20 刊行

395年から現代まで
ジャンピエール・フィリユ 著/鶴原徹也 訳
3つの大陸の交差点、3つの一神教の発祥地、数々の緊張と紛争の淵源――。中東は世界の中心である。ローマ帝国の東西分割から米国支配の終焉まで、1600年余のその興亡を、西側中心史観を脱却し、宗教の枠を超えて描く。本邦初登場の現代中東史の第一人者が、パリ政治学院修士課程の講義を20の地図と10の年表とともに再現する。
2024/11/20 刊行

爆弾三勇士序説
上野英信 著
昭和・光と影上海事変に際し、破壊筒を抱えて敵陣に飛び込んで自らの身を散らせた三人の工兵──爆弾三勇士。軍国主義下の日本において、彼らはいかにして神に仕立て上げられたのか。その一方、なぜ“軍神”として祀られることはなかったのか。天皇をめぐる民衆の心性に肉薄した記録文学の記念碑的作品。〈解説〉阿部謹也、〈巻末エッセイ〉髙山文彦
2024/11/20 刊行

渡邉昭夫 編
第一線の研究者が、東久邇稔彦から竹下登まで17人の昭和の政治家の思想と行動を検証する歴代首相列伝。戦後の占領期から昭和の終わりまで、「55年体制」下の日本の政治のあり方のほぼ全容を伝える。日本の再建期を支えた指導者たちの功罪を振り返り、宰相の人物像を通して戦後の「国のかたち」を浮き彫りにする。〈解説〉宮城大蔵目次東久邇稔彦――皇族のなかのリベラリスト 波多野澄雄幣原喜重郎――「最後の御奉公」と新憲法草案 天川 晃吉 田 茂 ――状況思考の達人
2024/11/20 刊行