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地球社会における人間と秩序
中西寛 著
人類のおかれた状況が混迷の度を深め、希望と苦悩が錯綜している今日ほど、断片的な情報ではなく、深い考察が求められている時代はない。本書はまず、国際政治の起源を近代ヨーロッパにたずね、現代までの軌跡を追うことで、その基本的な性質を明らかにする。その上で安全保障、政治経済、価値意識という三つの角度から、差し迫る課題に人間が人間を統治する営みとしての政治がどう答えられるのか、的確な視座を提示する。
2013/07/15 刊行

世界平和への夢と挫折
篠原初枝 著
第一次世界大戦の悲劇を繰り返さないため、一九二〇年に史上初の普遍的国際組織として生まれた国際連盟。常任理事国、集団安全保障、一国一票原則など、その後の国際関係の枠組みを創り、当初は各国間の紛争解決に貢献した。だが三〇年代、満州事変、再軍備をめぐり日独が脱退、国際環境の激変のなか理想は徐々に潰えていく。本書は、二六年間の軌跡を精緻に辿る。さらに四大国の一角を占めた日本・日本人の行動に光を当てる。
2013/07/15 刊行

開発路線のゆくえ
本間義人 著
列島改造、田園都市構想など時々のコンセプトを掲げて国土を開発してきた「全国総合開発計画」は日本の現在の豊かさの原動力となった。反面、中央主導、公共投資重視によって環境破壊、東京一極集中をもたらし、地価高騰、政官財界の癒着を生み出したのも国土計画であった。しかし98年に策定された新計画にこの反省は生かされていない。地方分権と行財政改革が迫られている現在にふさわしい国土計画とはどのようなものであるべきか。
2013/07/15 刊行

日本はどこにいるのか
北岡伸一 著
国家を超える結束の場として構想された国連が誕生して六十年。冷戦とその後の激動を経て、その地位と役割は大きく変動した。国際社会でアメリカ中心のシステムが機能するなか、国連は世界の平和と安全の維持という最大の目的を果たしうるのか。また、一九二の「対等」な加盟国をもつ組織の意思決定はどうなされているのか。研究室から外交の現場へ身を移した著者の二年半の体験から、国連の現在と未来を照らし出す。
2013/07/15 刊行

池内紀 著
居酒屋に人一倍したしむようになったのは、「二合半のおじさん」のせいである。三十代初めに出くわして三十年ちかくつき合った。そしていろんなことをおそわった――へんくつだが、心をひらいた者にはこよなくやさしい。そんな居酒屋が、方々の町の片隅で慎ましやかに提灯を掲げている。よく知る店もよし、見知らぬ町の見知らぬ店もよし。ふらりと入れば、酒に食べ物、店主と客が織りなす独特の時間がそこにある。
2013/07/15 刊行

中国の処世訓
湯浅邦弘 著
中国では長く厳しい乱世が多くの処世訓を生んだ。中でも最高傑作とされるのが、明末に著された『菜根譚』である。社会にあって身を処する世知と、世事を離れ人生を味わう心得の双方を記したこの書は、江戸期に和訳されて後、生涯の道を説くものとして多くの日本人の座右の書となった。本書では内容を精選して解説するとともに、背景となる儒教・仏教・道教の古典や故事、人物を丁寧に紹介、より深い理解へと読者を誘う。
2013/07/15 刊行

若い世代のアイデンティティ
福岡安則 著
さほど問題なく日本社会に適応しているかのようにいわれる在日韓国・朝鮮人の若者は、実際には、その多くが成長の過程で日本人側の偏見と差別にぶつかり、アイデンティティの葛藤を体験している。だが、彼らの存在と意識は、実に多様化し揺れ動いている。本書は、二世・三世と呼ばれる人々の聞き取り調査を通して、民族問題とそのアイデンティティを考えるとともに、日本社会の構成員としての九〇年代の「在日」の生き方を模索する。
2013/07/15 刊行

見つけ方、たのしみ方
田中修 著
庭の片隅で、都会の歩道のコンクリートの隙間で、雑草はひっそりと生きている。名も知らない草も多いが、子孫を残そうと懸命に生きる戦略には驚かされるものも多い。ハハコグサとチチコグサの花はどう違う?葉の小さいオオバコがなぜ「大葉子」なのか?ツキミソウはどうして夜に咲くのか?春夏秋冬の雑草の見つけ方、見分け方を一つひとつ写真と文章で紹介し、植物の生き方のふしぎを解き明かす。カラー130点。
2013/07/15 刊行

演義から正史、そして史実へ
渡邉義浩 著
日本人をも魅了し続ける、三国志。しかし、『三国志演義』や、それを下敷きにした小説・ゲームの世界は「虚構」に満ちている。また、「正史」と呼ばれる歴史書の『三国志』も書き手の偏向がつきまとう。本書は、一般に親しまれている『演義』を入り口に、「正史」の記述を検討。そして、史実の世界へと誘う。暴君董卓の意外な美点、曹操が文学に託したもの、劉備と諸葛亮の葛藤-あなたの知らない三国志がここにある。
2013/07/15 刊行

入峰・修行・呪法
和歌森太郎 著
兜{と}巾{きん}、白衣の結{ゆい}袈{げ}裟{さ}、錫{しゃく}杖{じょう}をつき、笈を背に法{ほ}螺{ら}貝{がい}をふく、いまでも出羽三山、大峰山中に出没する山伏・・。年二回先達に従って入{にゅう}峰{ぶ}し、水断、穀断、懺悔、相撲などの苛酷な修行で体得した験力により、加持祈祷の呪法を行なう彼らのなかには、中世の最盛期を過ぎると修行を忘れ、まじない師に堕するものもあらわれた。本書は、民間信仰に仏教が結びついて完成された修験道の真髄を、山伏の奇怪な行事、生態のなかにさぐる。
2013/07/15 刊行

思考を鍛える50問
中山理 著
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。希望に胸を膨らませて入社した田中君。しかし配属された営業課は、仕事や生活の話題すべてが算数の問題として出題されるのだった!道の長さ、折り紙を折った角度、焼酎の度数…田中君は無事に正しい答えを導き出すことができるのか?計算、図形、文章題を解いていくことで、知らず知らずのうちに「確かな根拠に基づいて、正しい推論をする」算数思考が身につきます。親子で一緒に、チャレンジしよう。
2013/07/15 刊行

『赤い鳥』と「童心」の理想
河原和枝 著
子どもを無垢な存在と見なすロマン主義的な子ども観は、日本では明治末に興り、大正中期の「赤い鳥」を中心にした「童話・童謡」運動で確立した。このイメージは、基本的には現在までも引き継がれているといえる。本書は、巌谷小波にはじまり、鈴木三重吉を経て多くの文壇作家たちが筆を染めた児童文学を素材として、近代特有の子どもに関する新しい「知」が、どのように生まれ、どのように普及していったかを辿る試みである。
2013/07/15 刊行

新自由主義の光と影
根井雅弘 著
ベルリンの壁の崩壊後、世界を席巻した「市場主義」。だが、経済格差や環境破壊を引き起こすなど、欠陥を露呈している。本書では、市場主義の源流に位置するフリードマンの経済思想を、同時代の証言を交えて読み解き、その功罪を明らかにする。第二次大戦後、彼らが勢力を拡大した過程を辿る一方、アメリカの経済思想の多様さにも注意を促す。
2013/07/15 刊行

加賀乙彦 著
一九五四年、松沢病院の医師として一人の殺人犯を診察したときが、著者の死刑囚とのはじめての出会いであった。翌年、東京拘置所の精神科医官となってから、数多くの死刑囚と面接し、彼らの悩みの相談相手になることになる。本書では著者がとくに親しくつきあった人たちをとりあげてその心理状況を記録する。極限状況におかれた人びとが一様に拘禁ノイローゼになっている苛酷な現実を描いて、死刑とは何かを問いかけ、また考える異色の記録。
2013/07/15 刊行

ネットワークの科学を応用する
増田直紀 著
人は出会い、つながる。会社や友人関係、地域社会も、個人と個人が結びつきネットワークを作ることで成り立っている。それでは私たちはどのように他人とつながっているだろうか。私たちのネットワークの上では何が起こっているだろうか。本書は、スモールワールドやスケールフリーといった最新のネットワーク科学を、毎日の生活に活かそうと提言する。
2013/07/15 刊行