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日本型システムの行方
山岸俊男 著
リストラ、転職、キレる若者たち──日本はいま「安心社会」の解体に直面し、自分の将来に、また日本の社会と経済に大きな不安を感じている。集団主義的な「安心社会」の解体はわれわれにどのような社会をもたらそうとしているのか。本書は、社会心理学の実験手法と進化ゲーム理論を併用し、新しい環境への適応戦略としての社会的知性の展開と、開かれた信頼社会の構築をめざす、社会科学的文明論であり、斬新な「日本文化論」である。
2013/07/15 刊行

島泰三 著
一九六九年一月、全共闘と機動隊との間で東大安田講堂の攻防戦が繰り広げられた。その記憶はいまもなお鮮烈である。青年たちはなぜ戦ったのだろうか。必至の敗北とその後の人生における不利益を覚悟して、なぜ彼らは最後まで安田講堂に留まったのか。何を求め、伝え、残そうとしたのか。本書は「本郷学生隊長」として安田講堂に立てこもった当事者によって、三七年を経て、はじめて語られる証言である。
2013/07/15 刊行

知の政治家
瀧井一博 著
幕末維新期、若くして英国に留学、西洋文明の洗礼を受けた伊藤博文。明治維新後は、憲法を制定し、議会を開設、初代総理大臣として近代日本の骨格を創り上げた。だがその評価は、哲学なき政略家、思想なき現実主義者、また韓国併合の推進者とされ、極めて低い。しかし事実は違う。本書は、「文明」「立憲国家」「国民政治」の三つの視角から、丹念に生涯を辿り、伊藤の隠された思想・国家構想を明らかにする。
2013/07/15 刊行

小川鼎三 著
医学は人類の歴史とともに古い。呪術にたよっていた古代人の薬草発見を医学のあけぼのとすれば、ヨーロッパにおける大学の誕生と人体解剖こそ近代医学の第一歩である。東洋医学の伝統をうけついできた日本の医学はまた、蘭学の伝来によって急速に近代医学へと発展した。本書は、日本の医学の歩みを東洋と西洋との接点としてとらえながら、異なる人命観によって独自の道を進んだ東洋医学と西洋医学の歴史を説く。毎日出版文化賞受賞。
2013/07/15 刊行

マネとモネ
吉川節子 著
華も艶もある色彩、柔らかなフォルム、具体的で親しみやすい画題。目にも心にも優しい印象派の作品だが、創作の根底にある「印象」とは何なのだろうか。ルネサンス以来の伝統に支配されてきた西洋の美意識は、マネやモネの登場によって、決定的な変化の時を迎える。本書では、印象派誕生に焦点をあて、その革新性に迫っていく。多彩な人物たちが交錯した一九世紀中葉パリの濃密な空気がここによみがえる。図像資料多数。
2013/07/15 刊行

安倍晴明と蘆屋道満
繁田信一 著
古くから説話や伝説に彩られてきた陰陽師。近年では小説や映画にも登場し、呪術により凄まじい力を発揮する。世界を滅ぼしかねない超人として描かれることも少なくない。では実在の陰陽師たちはいかなる活動に従事していたのか。安倍晴明らが絶大な名声を博したのはなぜか。藤原道長ら同時代の王朝貴族が残した日記を手がかりに、知られざる実像に迫る。さらには、陰陽師を必要とした平安時代の人々の心性をも明らかにする。
2013/07/15 刊行

もう一つの戦後日本金融史
河村健吉 著
「影の銀行」は金融当局の規制や監視を受けない運用機関のことで、伝統的な銀行と手を組んで収益を拡大した。高度成長期の日本では、銀行は貸出先に事欠かなかったが、70年代以降は不動産融資や有価証券投資で利益の増大を図った。そこに登場したのが影の銀行だ。銀行の別働隊であるノンバンクやヘッジファンドが生まれ、いまや世界経済を揺るがすに至った。戦後日本金融史をふまえ、知られざる影の銀行の全貌を明かす。
2013/07/15 刊行

加藤幹郎 著
映画はいったいどこで見るべきものなのだろうか。ホームヴィデオの普及以降一般的になった、個人的な鑑賞は、はたして映画の本来的な姿から遠ざかってしまったものなのだろうか。本書は、黎明期から今日までの一一〇年間の上映形態を入念にたどりながら、映画の見かたが、じつは本来、きわめて多様なものだったことを明らかにする。作品論、監督論、俳優論からは到達し得ない映画の本質に迫る試みである。
2013/07/15 刊行

そこが知りたい100のQ&A
里中哲彦 著
英語学習には、躓きの石がごろごろ。ちょっとした疑問に引っかかって、前に進めなくなることも少なくありません。英語を学ぶ老若男女から寄せられた疑問・質問の中から、英語をマスターする上で有用な事柄を一〇〇選び、明快な回答を付しました。疑問・質問は、「文法・語法」「語義・語源」「口語・俗語」「歴史・文化」「宗教・文化」に大別されるため、各項目にはこれらのカテゴリーも示しました。語学習得のコツも紹介。
2013/07/15 刊行

過去から未来への物語
寺澤盾 著
5世紀半ば、ブリテン島の一部でのみ使われていた英語は、現在、15億人が使う国際言語へと成長した。英語は8世紀以降、北欧語、ラテン語、フランス語といった「侵入者」たちから、16世紀以降は英国人の海外進出に伴いアメリカ、アジアの言語から、語彙・綴り・文法など様々な影響を受けて創られてきた。本書は、現代英語を意識しながら1500年の歴史を概観し、近代英米社会で急変する姿とその未来を描くものである。
2013/07/15 刊行

極めるための独習法指南
斎藤兆史 著
英語力は会話力にあらず。文法無視で、「ペラペラ」しゃべる癖がついてしまうと、そこで学習が頭打ちになる。何ごとも、基本をおろそかにした我流では伸びない。本書は、日本が誇る英語達人も実践し、効果が実証されている学習法を、実例を交えて紹介するものである。ハイレベルな英語力がなければ、英語での交渉や口頭発表、さらには通訳・翻訳など望むべくもない。達人レベルを志す方々よ、いざ、当塾の門を叩かれよ。
2013/07/15 刊行

あっぱれ、日本人の英語
斎藤兆史 著
「日本人は英語が苦手だ」という通念など、信じるに足らない。かつての日本には、驚嘆すべき英語の使い手がいた。日本にいながらにして、英米人も舌を巻くほどの英語力を身につけた〈達人〉たちは、西洋かぶれになることなく、外国文化との真の交流を実践した。岡倉天心、斎藤秀三郎、野口英世、岩崎民平、白洲次郎ら、十人の「英語マスター法」をヴィヴィッドに紹介する本書は、英語受容をめぐる日本近代文化史を描きだす。
2013/07/15 刊行

東日本政府樹立の夢
星亮一 著
鳥羽伏見の戦いに敗れた会津藩救済を当初の目的とした列藩同盟は、いつしか明治天皇を奉戴する薩長閥政権に対抗して、輪王寺宮公現法親王を擁立する東日本政府樹立に向かって結束を固めていく。なかでも仙台藩の玉虫左太夫は、渡米体験をもつ国際派参謀として精力的に活動する。凄まじく厳しい権力抗争の渦中に身命を投じて敗者となった仙台、米沢、会津、庄内、秋田、長岡諸藩の志士の動向に、秘められた戊辰戦争の諸相をみる。
2013/07/15 刊行

平泉の栄華百年
高橋崇 著
奥州藤原氏は平泉を拠点として平安末期の東北地方に君臨した。産金をもとに財をなし、京風の絢爛たる仏教文化を花開かせた。初代清衡から三代秀衡へ、支配権はどのように伸長したのか。秀衡の死後わずか二年で源頼朝に攻め滅ぼされたのはなぜか。京都との関わりを軸に、百年の歴史を多角的に検証。併せて、中尊寺金色堂に眠る歴代のミイラの学術調査結果も紹介する。『蝦夷』『蝦夷の末裔』に続く東北古代史三部作完結編。
2013/07/15 刊行

慶応三年十二月九日の政変
井上勲 著
徳川幕府の政権奉還ののちも、岩倉具視や西郷隆盛らによる真の朝廷政権樹立の画策が進められた。慶応三年十二月八日、薩摩・土佐藩など五藩士は岩倉邸に集合、翌日のクーデター断行が告げられた。その後、席を朝議の場に移して、激論は九日朝におよぶ。この朝議がはねて間もなく、王政復古の大号令が渙発された。これより戊辰戦争の戦火が立ち昇る。それぞれの思惑を秘めて時代の大転換期に臨んだ人々の動きと、歴史的意義を検証。
2013/07/15 刊行