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歴史と構造
渡部森哉 著
古代アンデス文明の最終期、一五世紀に台頭した巨大な政治組織を、現在われわれはインカ帝国と呼んでいる。その領域は南北四〇〇〇キロに及び、およそ八〇もの民族集団を統治した。本書では当時の人々が使用した言葉と具体的なモノに着目し、個別的な分析を積み重ねながらインカ帝国の全体像を生き生きと再現する。ひいては、文字を持たなかったアンデス文明を普遍的な人類史的視野のもとに位置づけることを目指す野心的な試みである。
2024/05/09 刊行

高原英理 著
泥臭い野心と権威への追従――。残念に生きたその人は、いかにして巨大かつ精緻な交響曲を生んだのか? 21世紀の今、多くの聴衆に支持され、時代と響き合うに至った作曲家の実像。その生涯から場面(エピソード)を小説化、事実記録(伝記)と組み合わせたハイブリッド評伝。【ブルックナー生誕200年記念企画】*目次より序第一章 出生から教師時代まで(1824-1855)第二章 リンツでの修業時代(1856-1868)第三章 ヴィーンでの苦難の日々(1868-1878)第四章 遅れに遅れた名声(1879-1889)第五章 晩年(1890-1896)エピローグ 死後の名声後記
2024/04/30 刊行

あさのあつこ 著
わけありの女たちを診療するおゑんの許へ、何かを極度に怖れている妊婦が訪ねてきた。彼女は目を血走らせ、十両を差し出しながら言った。「お願いします。この子を産ませてください」と――。後日、吉原惣名主に依頼され診ることになった女郎も、奇矯な妊婦だった。大店の主人に身請けされることが決まっていて、その子を身籠っていながら、「産みたくない」と叫びながら自死しようとしたのだ。彼女たちは何者で、何故、一人は出産を望み、もう一人は出産を拒否するのか? 疑念がきざしたおゑんは、遊女連続死を調べる過程で親しくなった吉原の用心棒・甲三郎や薬草に詳しい末音らの力を借り、その謎に迫ろうとするが……。「読売新聞オンライン」人気連載、待望の書籍化。
2024/04/30 刊行

できる、やさしい、役に立つ
中山理 著
算数は好きだったのに、中学の数学になると、とたんに苦手になる人は多いでしょう。マイナスの数や、文字式の移項といった箇所でつまずきがちです。「負の数に負の数をかけるとなぜ正の数になるのか」「因数分解の公式はなぜ成り立つのか」「証明が苦手だが、どうすればできるようになるか」など、丸暗記でなく、「なぜそうなるか」をていねいに説明し、間違えやすいポイントを解説します。「苦手」が「好き」に変わる21章。
2024/04/30 刊行

魚の危機とレジーム・シフト
本田良一 著
イワシが獲れなくなった。全国水揚げ量はピーク時の一六〇分の一となり、すでに私たちにとって身近な魚とは言えなくなりつつある。一方で、サンマは豊漁が続いている。なぜこのようなことが起こるのか。本書は、九〇年代以降、定説となった「レジーム・シフト」による魚種交替という考え方をわかりやすく説明し、水産行政や地元産業への影響を通して、人類の共有財産である水産資源をどう守っていくかを考える。
2024/04/30 刊行

原爆の父はなぜ水爆開発に反対したか
中沢志保 著
第二次世界大戦中に原子爆弾を誕生させたオッペンハイマー。計画成功でヒーローとなったが、広島・長崎への原爆投下後、「科学者は罪を知った」とくり返し、「私の手は血で汚れている」と震えた。巨大なエネルギーを得た一方、人類を滅亡させうる最大級の矛盾に彼は直面したのである。後に核の国際管理を構想し水爆開発に反対した彼は、赤狩りの渦中で公職から追放される。「原爆の父」と呼ばれた天才物理学者の生涯を追う。
2024/04/30 刊行

村上春樹 著
夏の芝生、雨の午後。その手触りは決して褪せることがない――〈これが記念すべき、安西水丸さんとの初仕事〉村上春樹の最初の短編小説集を当時の装幀のまま単行本で復刻。復刊に寄せて、著者による序文を新たに収録。
2024/04/30 刊行

親しさという牢獄
清水真木 著
友人とは何か、友情とは何か――このような問に私たちはどのような答を与えることができるだろうか。たとえば、友人が悪事に手を染めた時、私たちはどのように行動すべきなのか。本書は、アリストテレス以来、二千年以上にわたって、哲学者たちの頭を悩ませてきた友情の問題が、「公共性」をめぐる問題の一部であることを示し、現代において友情のあり方が社会に看過し難い影響を与えていることを指摘する。
2024/04/30 刊行

土田杏村と文化への問い
清水真木 著
西田幾多郎門下の哲学者、近代の可能性を追求した文明批評家、日本画家・土田麦僊の弟、自由大学運動の主導者……、土田杏村(一八九一~一九三四)。「文化とは何か」を問い、大正から昭和初期にかけて旺盛な著作活動を展開したにもかかわらず、戦後、人々の記憶から消えた。この〈忘れられた哲学者〉に光を当て、現象学と華厳思想に定位する「象徴主義」の哲学を読み解き、独自の「文化主義」の意義を問いなおす。
2024/04/30 刊行

「犯罪者」にして芸術家
宮崎かすみ 著
『サロメ』『幸福な王子』『ドリアン・グレイの画像』など多くの著作と数々の警句で知られる「世紀末芸術の旗手」オスカー・ワイルド。アイルランドに生まれ、オックスフォード大学在学中から頭角を現した青年期に始まり、同性愛裁判に敗北し、保守的なイギリス社会から追放される晩年まで。「私は人生にこそ精魂をつぎ込んだが、作品には才能しか注がなかった」――どの作品よりも起伏と魅力に富んだ彼の生涯をたどる。
2024/04/30 刊行

マキアヴェリ、シェイクスピア、吉本隆明かく語りき
鹿島茂 著
古今東西の名句を集めた「引用句辞典」は、スピーチなどで実用的に役立つだけでなく、人間の知恵や真理、処世訓の宝庫でもある。本書ではマキアヴェリ、シェイクスピア、タレーラン、夏目漱石、吉本隆明ら69人、71の名句・名言を紹介。あわせて、政治・経済から少子化、いじめ問題に至るまで、近年の時事的な話題を切り口に、引用句を生かして社会の深層と人間の本性を見抜くコツを伝授する。
2024/04/30 刊行

近代日本が生んだ「英雄」たちの軌跡
山室建徳 著
かつて「軍神」と呼ばれる存在があった。彼らは軍国主義的思潮の権化として意図的に生み出されたわけではない。日露戦争における廣瀬武夫少佐の例をみればわかる通り、戦争によって強まった日本人の一体感の中から、期せずして生み出されたのである。だが、昭和に入ると、日本人が共感できる軍神像は変化し、それは特攻作戦を精神的に支えるものとなる。本書は、軍神を鏡として戦前の日本社会の意識を照射する試みである。
2024/04/30 刊行

社会派推理レアコレクション
松本清張 著
清張にとって「社会派推理」とは何だったのか?初書籍化となる中篇(表題作)はじめ、これまで単著・全集未収録だった貴重な小説・トーク・エッセイを中心にセレクトした作品集。【目次】[小説]閉じた海(1973)よごれた虹(1962)雨(1966)[対談・座談]私小説と本格小説――対談・平野謙(1962)推理小説の作者と読者――座談・高木彬光/水沢周(1962)作家と批評家――対談・権田萬治(1973)[エッセイ・インタビュー]広津和郎(1968)石川達三(1985)白の謀略(1977)世界が激動しても、人間は変わらないんだよ――生前最後のインタビュー(1992)解説・藤井淑禎
2024/04/22 刊行

天野純希/西條奈加/澤田瞳子/蝉谷めぐ実/矢野隆 著
歴史小説家たちが紡ぐ時代の違う五つの物語が、あるひとつの「怪異」で繋がる。読後に訪れるこの震えは、恐怖か、驚愕か――? 異端にして傑作の歴史小説集、ここに誕生。
2024/04/22 刊行

全員が中学受験する洗足学園小学校が大切にしていること
吉田英也 著
全員が中学受験をする洗足学園小学校。学校が受験をサポートしています。子どもはどんな小学校生活を送り、親はどんなフォローを心がけるとよいのでしょうか? 中学受験を知り尽くし、数多くの親子を見つめてきた校長先生による、大人になるまで役立つ「生きる力」を育むための学校教育と家庭生活のヒント集
2024/04/22 刊行