横山信義 著
豪州を連合国から脱落させる日本の戦略は頓挫する。連合艦隊司令長官近藤信竹大将はソロモン諸島とニューギニアの兵力を引き上げラバウルの防備を固めて迎え撃たんとするが、米海軍は手薄となっていたカビエンを奇襲。トラックとの連絡を絶たれたラバウルは敵中に孤立し、トラック諸島も空襲にさらされ艦隊泊地としての機能を喪失してしまう。豪州を守り切った米軍が次に狙ってくるのは、マリアナ諸島である。ここに基地が構築された場合、日本本土が重爆撃機B29の攻撃圏内に入ってしまう。新鋭エセックス級空母10隻を押し立てて迫りくる米海軍に対し、連合艦隊も空海の総力を挙げて立ち向かうが――。「米軍は十中の十までマリアナに来る。GF司令部は、そのように判断している」