梅棹忠夫 著
卓抜な着想、緻密な論理、大胆な展開――。学問、思想の諸領域を渡り歩き、世界の各地を訪れた、半世紀以上にわたる経験を集大成。それも既刊の単なる集成にとどまらず、新たに書き下ろされた論文を含め、多岐にわたる領域から著者が自選・解題した体系的構成をなす。まさに多彩な業績を一望し、巧みに編まれた、ひとつの知的構築物である。著者の深い洞察力と鋭い感覚によって、現代世界の人類史的意味を解読する。事実に即して人類の未来を透視する先見性豊かな思想が、平明な文体の中に盛り込まれ、読書界、思想界に知的な挑発を及ぼさずにはおかないだろう。