中公文庫は1973年6月10日に創刊されました。当日の新聞広告には「中央公論社が満を持して発刊する新時代の本格的文庫!!」とのキャッチとともに、第1回配本の書目が並びました。
- 谷崎潤一郎訳『源氏物語(巻一)』
- 司馬遼太郎『豊臣家の人々』
- 安部公房『榎本武揚』
- 北杜夫『どくとるマンボウ青春記』
- 五木寛之『男だけの世界』
- 庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』
- 魯迅/高橋和巳訳『吶喊』
- E・ブロンテ/河野一郎訳『嵐が丘』
- 小川環樹訳注『老子』
- ニーチェ/手塚富雄訳『ツァラトゥストラ』
以上、東西の古典、現代文学から歴史小説、ノンフィクション、エッセイまで幅広いジャンルから選りすぐられた10作品でスタートしました。以降、現在(2021年10月)までに刊行したタイトルは7000点超になります。

中公文庫のロゴマーク
中公文庫の表紙と扉に掲載している鳥をモチーフにしたマークは、建築家の白井晟一氏(1905-1983)によるものです。白井氏は自著を含む多数の書籍の装幀を手がけ、中央公論社の書籍のためのマークも多数デザインされました。洗練された知性と明るさを感じさせるこれらのロゴマークは、1973年の中公文庫創刊時から現在まで変わらず使われています。