2022 02/07
中公新書の60年

2011年の中公新書

昭和天皇新時代の風を一身に浴び、民主的な立憲君主になろうとした昭和天皇。しかし、時代はそれを許さなかった――。本書は今まであまりふれられることのなかった青年期に至るまでの教育課程に注目し、政治的にどのような思想信念をもっていたかを実証的に探る。そしてそれは実際の天皇としての振る舞いや政治的判断にいかなる影響を与えたか、戦争責任についてどう考えていたか、さらに近代国家の君主のあり方をも考察する。サントリー学芸賞受賞。

古川隆久(ふるかわ・たかひさ)1962-。歴史学者。日本大学文理学部史学科教授

この年のできごと1月 チュニジアでジャスミン革命(民主化運動)。アラブ世界に波及
3月 東日本大震災、福島第一原発事故が起きる
7月 FIFA女子ワールドカップドイツ大会で「なでしこジャパン」優勝。澤穂希がMVPに
9月 菅内閣総辞職。野田佳彦内閣が発足
同月 ニューヨークのウォール街で反格差デモ
10月 世界体操男子個人総合で内村航平が史上初の3連覇

この年のラインナップ佐々木信夫著『都知事』
高橋睦郎著『季語百話』
野村哲也著『カラー版 パタゴニアを行く』
板坂耀子著『江戸の紀行文』
酒井健著『シュルレアリスム』
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西條勉著『「古事記」神話の謎を解く』
和田昌親編著『ブラジルの流儀』
田尻祐一郎著『江戸の思想史』
古郡廷治著『あなたの表現はなぜ伝わらないのか』
渡邉義浩著『三国志』
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小川克彦著『つながり進化論』
林芳正/津村啓介著『国会議員の仕事』
池田健二著『カラー版 スペイン・ロマネスクへの旅』
小林和幸著『谷 干城』
佐倉統編著『科学の横道』
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古川隆久著『昭和天皇』
読売新聞中国取材団著『メガチャイナ』
御厨貴編著『近現代日本を史料で読む』
星亮一著『大鳥圭介』
黒木登志夫著『知的文章とプレゼンテーション』
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服部龍二著『日中国交正常化』
大泉啓一郎著『消費するアジア』
船津靖著『パレスチナ―聖地の紛争』
熊野純彦編『近代哲学の名著』
ポール・ケネディ著/山口瑞彦訳『世界の運命』
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吉田文和著『グリーン・エコノミー』
盛山和夫著『経済成長は不可能なのか』
北岡正三郎著『物語 食の文化』
池内紀著『今夜もひとり居酒屋』
小林茂著『外邦図―帝国日本のアジア地図』
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深井有著『気候変動とエネルギー問題』
西垣千春著『老後の生活破綻』
田澤耕著『ガウディ伝』
八代尚宏著『新自由主義の復権』
戸堂康之著『日本経済の底力』
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永田良昭著『心理学とは何なのか』
河村英和著『イタリア旅行』
元木泰雄著『河内源氏』
野口雅弘著『官僚制批判の論理と心理』
竹内正浩著『カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩』
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桜井邦朋著『天文学をつくった巨人たち』
伊藤邦武著『経済学の哲学』
ロナルド・ドーア著『金融が乗っ取る世界経済』
渡辺靖著『文化と外交』
冨谷至著『中国義士伝』
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植木雅俊著『仏教、本当の教え』
川本三郎著『銀幕の銀座』
波多野澄雄著『国家と歴史』
稲葉陽二著『ソーシャル・キャピタル入門』
桜井英治著『贈与の歴史学』
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村田晃嗣著『レーガン』
片山慶隆著『小村寿太郎』
後藤文夫著『超高齢者医療の現場から』
佐藤百合著『経済大国インドネシア』
川田稔著『昭和陸軍の軌跡』