2021 10/04
中公新書の60年

1995年の中公新書

大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史高い学歴を求める風潮と、それを可能にした豊かさに支えられ、戦後日本の教育は飛躍的な拡大をとげた。一方で、受験競争や学歴信仰への批判も根強くあるが、成績による序列化を忌避し、それこそが教育をゆがめる元凶だとして嫌う心情は、他国においてはユニークであるとみなされている。本書は、このような日本の教育の捉え方が生まれた経緯を探り、欧米との比較もまじえ、教育が社会の形成にどのような影響を与えたかを分析する。

苅谷剛彦(かりや・たけひこ)1955-。社会学者。オックスフォード大学社会学科およびニッサン現代日本研究所教授

この年のできごと1月 WTO(世界貿易機関)が発足
同月 阪神・淡路大震災
3月 地下鉄サリン事件
4月 統一地方選挙知事選で青島幸男(東京)、横山ノック(大阪)が当選
8月 戦後50年。村山首相が談話を表明
11月 大相撲九州場所で若乃花が貴乃花を破り優勝

この年のラインナップ野口悠紀雄著『続「超」整理法・時間編』
大津留厚著『ハプスブルクの実験』
斎藤清明著『メタセコイア』
舒乙著/林芳編訳『文豪老舎の生涯』
今井和也著『テレビCMの青春時代』
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中村彰彦著『保科正之』
ハロラン芙美子著『ホノルルからの手紙』
塚谷裕一著『植物の〈見かけ〉はどう決まる』
藪野祐三著『ローカル・イニシアティブ』
笠原英彦著『天皇親政』
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猪木正道著『軍国日本の興亡』
小谷野敦著『夏目漱石を江戸から読む』
吉川昌之介著『細菌の逆襲』
星亮一著『奥羽越列藩同盟』
今野浩一郎/下田健人著『資格の経済学』
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諏訪邦夫著『パソコンをどう使うか』
辻井達一著『日本の樹木』
廣野卓著『古代日本のミルクロード』
服藤早苗著『平安朝の女と男』
井上洋平著『自転車五大陸走破』
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富永健一著『社会学講義』
増田弘著『石橋湛山』
大橋敬三/クリストファ-・R・ヘルム著『株主代表訴訟』
青山利勝著『ラオス―インドシナ緩衝国家の肖像』
岸田五郎著『張学良はなぜ西安事変に走ったか』
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福地崇生著『超天井への挑戦』
林田学著『PL法新時代』
苅谷剛彦著『大衆教育社会のゆくえ』
田中一郎著『ガリレオ』
那須正彦著『実務家ケインズ』
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冨谷至著『古代中国の刑罰』
矢作弘著『ロサンゼルス』
田中仁彦著『ケルト神話と中世騎士物語』
長島要一著『明治の外国武器商人』
中沢志保著『オッペンハイマー』
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大久保増太郎著『日本の野菜』
宮嶋博史著『両班(ヤンバン)』
武田康著『野村商法物語』
立山良司著『中東和平の行方』
岩渕潤子著『美術館の誕生』
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児玉実英著『アメリカのジャポニズム』
細川周平著『サンバの国に演歌は流れる』
相沢幸悦著『日銀法二十五条発動』
賀来弓月著『地球化時代の国際政治経済』
田中治彦著『ボーイスカウト』
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臼井隆一郎著『パンとワインを巡り神話が巡る』
田口善弘著『砂時計の七不思議』
鄭大均著『韓国のイメージ』
木下恂著『ソフトウェアの法則』
斉藤道雄著『原爆神話の五〇年』
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野中郁次郎著『アメリカ海兵隊』
赤祖父俊一著『オーロラへの招待』
片野修著『新動物生態学入門』
野村伸一著『巫と芸能者のアジア』
大塚健洋著『大川周明』
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ヨハネ・ベル著『ベル神父 街を行く』
今野浩著『カーマーカー特許とソフトウェア』
五島昭著『大国ドイツの進路』