2021 07/26
中公新書の60年

1987年の中公新書

清沢洌 外交評論の運命『暗黒日記』の著者として知られる清沢洌は、戦前期における最も優れた自由主義的言論人であり、その外交評論は今日の国際関係を考える上で、なお価値を失っていない。石橋湛山、馬場恒吾ら同時代人のなかでアメリカに対する認識が例外的に鋭くあり得たのはなぜか。一人のアメリカ移民が邦字新聞記者となり、活躍の舞台を日本に移してから、孤独な言論活動の後に死すまでの軌跡を近代日本の動きと重ねて描く唯一の評伝。サントリー学芸賞受賞作。

北岡伸一(きたおか・しんいち)1948-。政治学者。東京大学名誉教授、国際協力機構(JICA)理事長

この年のできごと3月 53年間におよぶ南極商業捕鯨が終了
4月 国鉄が分割・民営化、JR各社などが発足
5月 朝日新聞阪神支局が覆面の男に襲撃され、記者2名が死傷
同月 俵万智著『サラダ記念日』出版、280万部のベストセラーに
6月 日本の外貨準備高が、696億2000万ドルで世界一になったと報道
10月 利根川進がノーベル生理学・医学賞受賞発表

この年のラインナップ酒田英夫/安西祐一郎/甘利俊一著『脳科学の現在』
松本重治著/蠟山芳郎編集『近衛時代(下)』
北岡伸一著『清沢洌』
池田由子著『児童虐待』
渡辺実著『大鏡の人びと』
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姫田光義著『中国革命に生きる』
佐伯彰一/芳賀徹編『外国人による日本論の名著』
高橋富雄著『征夷大将軍』
杉山光信著『モラリストの政治参加』
千田恒著『佐藤内閣回想』
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杉浦昭典著『海賊キャプテン・ドレーク』
佐藤方彦著『人間と気候』
佐々木毅著『いま政治になにが可能か』
辻井達一著『湿原』
毛利敏彦著『江藤新平』
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佐藤陸雄著『欧州共同体への道』
板橋守邦著『南氷洋捕鯨史』
脇田修著『織田信長』
小島亮著『ハンガリー事件と日本』
桜井邦朋著『太陽黒点が語る文明史』
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名越健郎著『メコンのほとりで』
山下竹二著『株式市場の科学』
田村紀雄著『電話帳』
北見治一著『回想の文学座』
後藤正治著『人工心臓に挑む』
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増田芳雄著『忘れられた植物学者』
筑波常治著『日本の農書』
佐伯順子著『遊女の文化史』
勝部真長著『青春の和辻哲郎』
原田勝正著『駅の社会史』
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吉岡斉著『科学革命の政治学』
袴田茂樹著『ソ連――誤解をとく25の視角』
菅原眞理子著『新・家族の時代』
奥田拓道著『和漢薬』
鳥居鎮夫著『夢を見る脳』
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今田高俊著『モダンの脱構築』
三上隆三著『渡来銭の社会史』
菊池正人著『板門店』