2021 06/14
中公新書の60年

1981年の中公新書

理科系の作文技術物理学者で、独自の発想で知られる著者が、理科系の研究者・技術者・学生のために、論文・レポート・説明書・仕事の手紙の書き方、学会講演のコツを具体的にコーチする。盛りこむべき内容をどう取捨し、それをどう組み立てるかが勝負だ、と著者は説く。文のうまさに主眼を置いた従来の文章読本とは一線を劃し、ひたすら「明快・簡潔な表現」を追求したこの本は、文科系の人たちにも新鮮な刺激を与え、「本当に役に立った」と絶賛された。

木下是雄(きのした・これお)1917-2014。物理学者。学習院大学教授、応用物理学会会長、学習院大学学長などを歴任。

この年のできごと1月 ギリシャがEC(欧州共同体)に加盟
2月 ローマ法王ヨハネ=パウロ2世が昭和天皇と会見
5月 フランス大統領選挙でミッテランが勝利
9月 三和銀行女子行員が1億3000万円を詐取していたことが発覚。「好きな人のためにやりました」という発言が流行語に
10月 福井謙一、ノーベル化学賞受賞
12月 暴走族風の身なりをしたネコのキャラクター「なめ猫」が大ブームに

この年のラインナップ波多野誼余夫/稲垣佳世子著『無気力の心理学』
菅谷章著『日本の病院』
池田徳眞著『プロパガンダ戦史』
広瀬鎮著『サルの学校』
飯塚一郎著『大航海時代へのイベリア』
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阿部善雄著『目明し金十郎の生涯』
宮本常一著『絵巻物に見る日本庶民生活誌』
長崎暢子著『インド大反乱一八五七年』
森毅著『数学受験術指南』
阿部謹也/網野善彦/石井進/樺山紘一著『中世の風景(上)』
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千葉彬司著『カモシカ物語』
桑田忠親著『千利休』
村田全著『日本の数学 西洋の数学』
麻井宇介著『比較ワイン文化考』
阿部謹也/網野善彦/石井進/樺山紘一著『中世の風景(下)』
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森下郁子著『環境を診断する』
西平重喜著『比例代表制』
村岡實著『日本のホテル小史』
増田与編訳『スカルノ大統領の特使』
西田利貞著『野生チンパンジー観察記』
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野田正彰著『狂気の起源をもとめて』
海野弘著『世紀末の街角』
桑木務著『大戦下の欧州留学生活』
暉峻康隆著『芭蕉の俳諧(上)』
暉峻康隆著『芭蕉の俳諧(下)』
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木下是雄著『理科系の作文技術』
梅棹忠夫編『博物館と美術館』
鈴木修次著『日本漢語と中国』
秦恒平著『古典愛読』
佐々木徹著『アフガンの四季』
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端信行著『サバンナの農民』
松岡英夫著『岩瀬忠震』
外山滋比古著『日本語の素顔』
池田清著『海軍と日本』
入谷敏男著『話しことば』
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降幡賢一著『日本の米』
曽布川寛著『崑崙山への昇仙』
篠田次郎著『日本の酒づくり』
小和田哲男著『戦国武将』