2017 03/06
編集部だより

遠藤乾先生の講演会

 2月下旬、都内某所で『欧州複合危機』の著者・遠藤乾先生の講演会が開かれました。書店でのトークイベントなどより少々高額な受講料にもかかわらず、参加者は学生も含めておよそ200名! 編集担当者の私も、この本の会場販売にかこつけて聴講しました。

 今回のテーマは「EU離脱、英国の選択――欧州複合危機のゆくえ」。『欧州複合危機』の第4章と第8章の内容が中心です。オランダ、フランス、ドイツと重要な選挙が続く今年の見通しの話も興味深かったのですが(5月のフランス大統領選挙がEUにとって天王山になるそうです)、イギリス国民投票の結果を読み誤った理由を、遠藤先生が率直に反省しつつ真摯に探究する姿勢も印象的でした。

 誰しも失敗や間違いはあるわけですが、それに向き合うのは決して気分のよいものではありません。私なども、担当巻の見本ができあがっても、誤植が見つかるのではないかと嫌な想像が働いて、しばらく本を開けません。とはいえ、読者からのご指摘のはがきで知らされるのとどちらがよいかというと......。そんなわけで、講演を聴きつつ大いに反省させられました。

 講演後は販売ブースにお客様が殺到。私の手際が悪くて最後のほうはずいぶんお待たせしてしまったにもかかわらず34冊も売れて、このほど重版が決まったこととあわせ、先生と祝杯をあげたのでした。(一)