

ジャック・ロンドン 著/辻井栄滋 訳
どん底暮らしから這い上がり、作家への道をつかんだジャック・ロンドン。少年時代を送ったサンフランシスコの酒場で、船乗り仲間の避けがたい付き合いで、どれほど労働が苛烈であれ、どこへ旅をしようとも、〈彼〉はいつも傍らにあった。アザラシ狩り船で小笠原諸島へ、北米大陸を放浪、そしてゴールドラッシュへと旅は続き――彼=ジョン・バーリコーンとは、〈大麦から作られた酒〉を擬人化した呼び名。生きていくことがそのまま冒険だった活力横溢の日々において、血中アルコール濃度は着々と高まり、危ういせめぎ合いはやがて……野性よりも人間よりも、手強い相手はアルコール。小説仕立てで来し方を活写する、己と酒のメモワール。