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戦後ヨーロッパはいかに構築されたか政治・経済・アイデンティティ

ローラン・ヴァルルゼ 著/川嶋周一/黒田友哉/矢後和彦 訳

EUを中心とするヨーロッパ統合は決して必然ではない。第二次大戦後の複数の選択肢のなかで、国家をはじめとする多様な意志がせめぎ合い、現在の形へと収斂した。本書では、その歴史的経緯、複雑な制度構築、社会経済をめぐる攻防、統合への賛否の相互作用、そしてアイデンティティといったさまざまな面に光を当て、ヨーロッパ統合を立体的に捉えるとともに、ヨーロッパが直面する問題の性質を明らかにする。なぜヨーロッパ統合を学ぶのか?―日本語版への序文はじめに 第一章 歴史的経緯――平和の確保と衰退への対抗1 ヨーロッパ理念 一九一九~一九四五年2 冷戦の中での(複数の)ヨーロッパの誕生 一九四八~一九五五年3 グローバリゼーションを規制するヨーロッパ共同体 一九五六~一九九二年 4 欧州大陸の提喩としてのEU 一九九二~二〇〇五年 5 さまざまな危機 二〇〇五年以降第二章 連邦か、それとも国民国家の集まりか1 共同体モデル 2 EUはビザンツ的な複雑さか? 3 中心性と求心性第三章 自由主義的ヨーロッパか、社会的ヨーロッパか1 ヨーロッパの核心にある市場 2 超自由主義的なヨーロッパか3 欧州の産業政策を求めて4 社会的ヨーロッパは可能か5 小括 市場による欧州か、市場のための欧州か 第四章 連邦主義エリートの陰謀か、人々の熱望か1 欧州懐疑派の影響2 古くからある複数の批判 3 歴史家のアプローチの多様性 4 小括第五章 ヨ ーロッパのために死ねるか? ヨーロッパ・アイデンティティの問題1 特定のヨーロッパ文化? 2 ヨーロッパの大西洋アイデンティティ3 「ヨーロッパ人のヨーロッパ」の源としての反米4 植民地とポストコロニアルな刻印5 近年の共同体アイデンティティ 6 ヨーロッパの地政学的弱さおわりに――ヨーロッパの将来シナリオ解説 ヨーロッパを作り上げる歴史

書誌データ

  • 配信開始日2026/1/8
  • 判型中公eブックス
  • 希望小売価格2530円(10%税込)