山内昌之 著
90年代から「帝国の解体」は始まっている。21世紀の世界はどのような規範や秩序を持つのか。イスラーム外交を手がかりに新生する規範や秩序を考究し、併せて日本外交の可能性を大胆に示す。【目次】はじめに―北朝鮮問題と中東問題の連鎖歴史と外交―ゆきすぎの防波堤としてイラク戦争と「アラビアのロレンス」―ゲリラ戦術と自爆テロの意味あふたあ・えんぱいあ―戦後政治外交六〇年の教訓歴史の曲がり角で西欧のテロとイスラームの間―自由と寛容の罠後継なき独裁者アラファトの「政治家失格」表現の自由と信仰の尊厳―預言者ムハンマド諷刺画の波紋イラン問題とイラク問題の複合性―中東における対決と対立の論理それでも未来は続く…イラク戦争からレバノン危機へヒズボラの誤算とイスラエルの挫折必要のなかった戦争―レバノン危機と逆説の構図ローマ法王と文明の衝突―「預言者ムハンマド批判」の背景おわりに―二つの構想中東国際関係史の構図―帝国の解体