佐藤信之 著
公共交通の最後の砦・バス。しかし現在、あちこちで減便や路線の廃止、さらには会社の清算が相次いでいる。なぜこのようなことになってしまったのか。本書は日本におけるバスの誕生に始まり、戦後のモータリゼーションとその対抗策として生まれた様々なサービスを解説する。さらに既存バス会社の保護から規制緩和へという流れと、新たに生まれた独創的なバス会社も紹介。日本のバス事業の課題と将来を展望する。□■□目次□■□はじめに第1章 現在のバス業界の問題1 危機に立つバス事業の現状2 コロナと2024年問題で運転士不足に3 全国的にバスが減便コラム バスの運転免許第2章 高度経済成長期までのバス事業史1 バスの誕生2 戦後のバス事業規制3 道路運送法の制定コラム 戦後復興とトロリーバスの普及コラム バス事業の種類 法律・制度コラム ボンネットバスからリアエンジンバスへ第3章 モータリゼーションの進行――昭和40年代1 モータリゼーションとは2 公共交通側の問題3 バス事業の動向コラム バス事業の種類 実際コラム バスの乗り方第4章 オイルショック後のバス事業――昭和50年代1 昭和50年代の取り組み――バス事業の転換点2 大都市近郊地域の路線バス第5章 都市バス路線の1980年と現在の比較1 市内線未分化――第1段階・横手市/今治市2 市内線の拡充――第2段階・唐津市3 市内線の面的な拡大――第3段階・岐阜市4 大都市におけるネットワーク――第4段階・岡山市第6章 昭和60年代~平成初期――規制緩和以前1 都市バス整備の新制度2 公営バスの民営化3 コミュニティバス4 今日的な政策課題――バリアフリー政策5 環境政策の進展第7章 新自由主義的交通政策と規制緩和1 規制緩和の考え方2 規制制度の変化3 規制緩和による高速バスの新規参入4 ツアーバス形態による参入5 都市路線への新規参入6 住民主体の路線バス7 都市内バスの再編とBRTコラム バスの大きさ第8章 経営破綻と再建1 産業再生機構による再建2 企業再生支援機構による再建3 企業再生支援機構・地域経済活性化支援機構による再建第9章 これからのバス1 競争から協調へ2 MaaSを構成する新技術3 自動運転バスの開発4 さまざまな自動運転バス終章 路線バスは社会的ベーシックサービスである