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文章教室

八木義德 著

「してヤラれた」と思った「雪国」の冒頭。生きている文章の書き手、志賀直哉。さりげない文体の名人、井伏鱒二。繰り返し読んで飽きない「陰翳礼讃」――。最後の文士とよばれた芥川賞作家が、多種多様なスタイルの名文を小説家ならではの視点で読み解き、すぐれた文章とはいかなるものかを綴る。読書案内にして名文鑑賞の書。〈解説〉蜂飼耳目次より(一部抜粋)自然のエロス――川端康成『雪国』生き物の死――志賀直哉「城の崎にて」感覚とモンタージュ――横光利一『上海』光と影――谷崎潤一郎『陰翳礼讃』ある死生観――尾崎一雄「虫のいろいろ」詩美的感覚――梶井基次郎「檸檬」性の描写――山本周五郎『青べか物語』抑制と恥じらい――伊藤整『若い詩人の肖像』ユーモアとペーソス――井伏鱒二「山椒魚」典型的自画像――太宰治『人間失格』切腹の描写――三島由紀夫「憂国」戦場の死と生――大岡昇平『俘虜記』絶体絶命の時――吉田満『戦艦大和の最期』女であること――林芙美子「晩菊」砲丸を投げる――小林秀雄「オリムピア」夢を描く――内田百閒『冥途』老年のエロス――結城信一「空の細道」女人礼讃――室生犀星「えもいわれざる人」着物を描く――芝木好子「京の小袖」新しい血――三浦哲郎『初夜』一語の重さ――佐多稲子『夏の栞』戦場を見る――開高健『輝ける闇』沈黙と虚無――佐藤春夫「『風流』論」リング上の闘い――沢木耕太郎『ドランカー〈酔いどれ〉』吉行淳之介『女のかたち』抄死への鎮魂――吉村昭『星への旅』厄介な生き物――阿部昭『言葉ありき』生命の復活――北條民雄『いのちの初夜』古都の異人――島村利正『奈良登大路町』老いの果て――耕治人『天井から降る哀しい音』完結した人生――司馬遼太郎『歴史と小説』美しいものとは――岡部伊都子「青磁」海景の中の人生――水上勉「寺泊」権威を笑う――井上ひさし「パロディ志願」物狂おしさの果て――瀬戸内晴美『放浪について』土への夢――深沢七郎「生態を変える記」ある狂熱者――棟方志功『板極道』手でつかむ――柳宗悦「雑器の美」芸術とは?――吉田秀和「ヨーロッパの夏、日本の夏」エロスの詩――野口冨士男『なぎの葉考』官能描写――田久保英夫「蜜の味」

書誌データ

  • 配信開始日2025/8/21
  • 判型中公eブックス
  • 希望小売価格1320円(10%税込)