千野栄一 著
社会主義国の古本屋では、良い本は店頭より奥にしまい込んである。店主と打ち解け、バックヤードに入れるかどうかで勝負が決まる――戦後第1回目の交換留学生としてプラハに降り立ったときから10年間、古書を探さない週はなかったという言語学者が、本と出逢う喜び、愛すべき店主たちとの交流をユーモラスに語るエッセイ。〈解説〉阿部賢一 目 次Ⅰ 沈黙の通訳沈黙の通訳その一語壁島魚スライムの終焉津波のロンド英語夜話チェルニー博士訪問記小さなバイリンガリストたちⅡ プラハの古本屋共産圏の古本屋・1共産圏の古本屋・2共産圏の古本屋・3プラハの古本屋続・プラハの古本屋ほろ苦い喜びストラホフ図書館への招待辞書との縁チェコの匿名辞典チャペックのコロンボ風探偵小説もっと長い長いお医者さんの話古本のプラハ・'87三つのミニコレクションⅢ カルパチアの月アドリアの海からワルシャワの秋沖縄の熱帯魚雨のプラハウィーンの四日間カルパチアの月初出一覧あとがき解説「古本」との新たな出逢い 阿部賢一