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文品

文品藤沢周平への旅

後藤正治 著

 私は長く、藤沢作品の一読者であったが、別段、作品がそのときどきの人生的テーマに解を与えてくれたことはない。教訓的作品として読んだこともない。覚えてきたのは、静謐な物語と文体が体内の深い部分に触れてくる感触である。空洞をふさいでくれるごときものを覚える折もあった。癒されていたのかもしれない。(本文より) 歳月が持つ哀しみ、自分なりの小さな矜持、人生への情熱、権力の抗しがたい美味と虚しさ、喪失感――時代(歴史)小説を舞台に、静謐な文体で人の世の「普遍」を描き続けた作家、藤沢周平。ノンフィクションの名手が、その人と作品の魅力に迫る。

書誌データ

  • 配信開始日2025/3/24
  • 判型中公eブックス
  • 希望小売価格2640円(10%税込)