竹中亨 著
2004年の法人化により、日本の国立大学は自律と教育・研究の活性化を求められた。だが、目標を達成したとは言いがたい。原因は国からの交付金の先細りなのだろうか。同様の改革を進めたドイツの国立大学は、厳しい予算下でも、複数校が競争しつつ世界大学ランキングの上位を占めている。学長のリーダーシップなど、日本で礼賛されてきた英米モデルを見つめ直し、日独の明暗を分けた大学統治のあり方を比較検証する。はじめに――なぜドイツと対比するのか第1章 数字に踊らされる大学人1 数値目標の広まり2 ドイツの大学統制のゆるやかさ3