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澤田ふじ子 著
幼い頃から<牛>と呼ばれていた赤麻呂は十歳の時、奴として東寺に引き取られた。そこでは不思議な効験力をもつ唯空のもと、夜叉神堂に仕え、同時に逃亡を図った僧侶を始末する闇の仕事を担うが、やがて真の特命が与えられ、己の生の意味を知ることとなる。命の連鎖を問う歴史大作、平安篇完結。