「インスタ映え」は英語でなんと言う?
 カタカナ英語をきっかけに、ホンモノの英語を学んでしまおう!

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 いまの日本社会のコミュニケーションはカタカナ語を抜きにしては成り立たないようです。

 しかし、みなさんがふだん使っているカタカナ語の表現、たとえば「ドンマイ」(Don't mind.)は英語ではないといったら、びっくりするでしょうか。

 「ジョークだよ」を英語にしてみてください。It's a joke.だなんて思っていませんか。

 「ランチしよう」はどう表現しますか。Let's eat lunch together.はとんでもなくヘンな英語です。

 こうしたカタカナ語を英語では何というのか、それを知りたいとは思いませんか。

 「そんなこと、和英辞典を引けば簡単にわかるはず」
 こう思っている人がたくさんいるのではないでしょうか。
 私はこれまで数多くの和英辞典を見てきましたが、おやっと首をかしげざるをえない英語表現にぶつかったことは二度や三度ではありません。

 「英会話の本で学べます」
 そう考えている人も少なからずいるでしょう。ですが、英会話の本をめくってみれば「文法的には正しいが、ネイティヴ・スピーカーならぜったいに口にしないような英文」がそれこそすぐにでも見つけられます。
 なかには、かなり的はずれの指摘や、度をすぎた表現もあります。じっさい日本には、「つうじないカタカナ語」があちらこちらに氾濫しています。

 本書のねらいは、①日常よく使われているカタカナ語を取り上げ、②それを場面に即した英語に言い換え、③その意図したところが確実にネイティブ・スピーカーに伝わるようにすることです。
 つうじないカタカナ語を「ほんとうの英語」にみごと変身させてみせましょう。

 Happy reading!

                           ――「はじめに」より

『日本人が勘違いしているカタカナ英語120』

著者について

キャサリン・A・クラフト (Kathryn A. Craft)
アメリカ、ミシガン州で生まれ、オハイオ州で育つ。ボーリング・グリーン州立大学卒業。大学教師、通訳、翻訳家。幼い頃より言語に興味を抱き、ハイスクールでフランス語を学び始める。ロシア語、イタリア語、日本語にも関心をもち、南山大学の交換留学生として来日。現在は、企業や予備校で英語を教える。著書に『日本人の9割が間違える英語表現100』『日本人の9割が知らない英語の常識181』(いずれも、里中哲彦編訳、ちくま新書)など。

里中哲彦 (さとなか・てつひこ)
一九五九年、静岡県生まれ。早稲田大学政経学部中退。河合塾英語科専任講師、河合文化教育研究所研究員、翻訳家。著書に、『英語の質問箱』『英文法の魅力』『英文法の楽園』(いずれも、中公新書)、『日本人の9割が間違える英語表現100』『日本人の9割が知らない英語の常識181』(いずれも編訳、ちくま新書)など。