8月! 私のような地方出身者が8月と聞けば「ふるさとへ帰省する月」「地元の友人と久々に会う月」といったイメージが浮かびます。しかしここ数年は「働き方改革」の成果か、8月だから地元に戻る、といった空気がなくなってきたように感じています。休みが集中することによる混雑や混乱を避けられますし、基本的には良いことだと思いますが、どこか寂しかったり。それでは新刊のご紹介です。

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『赤ちゃんはことばをどう学ぶのか』著:針生悦子さん

東京大学で認知科学や発達心理学の研究に従事する著者は、赤ちゃんの「驚き反応」に着目するなどして、人がことばを学ぶプロセスについて明らかにしてきました。子どもはラクラクとことばを覚える「天才」? 赤ちゃんは耳にした「音」をどうやって「ことば」として認識する? 生まれた時から外国語に触れていたら、誰でもバイリンガルになれる? 本書を読めば、赤ちゃんの無垢な笑顔に隠れた努力に驚かされること間違いなし!

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『「地方国立大学」の時代-2020年に何が起こるのか』著:木村誠さん

平成に大きく変わった国立大学。少子化の影響に加え、2020年には入試改革を控えるなど、この先さらに激変が起こるのは間違いない。そこで教育ジャーナリストがここまでの歩みと最新状況を整理。特に「地方」から「世界」の大学になるべく広島大学が進める改革を追い、その未来を提言する。データが教える各校の「真の実力」とは? 大学は高校生の夢をどこまで叶えられる? 地方消滅目前、日本の危機を地方国立大学が救う!

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『精神科医が教える-親のトリセツ』著:保坂隆さん

高齢化社会での親と子の複雑な関係を分析した「親のトリセツ(取り扱い説明書)」です。ニュースでは、高齢の親の実家を片づけること、親の老後の不安、オレオレ詐欺の犯罪までがテーマとなっています。実家問題や墓じまい、相続に関すること、あるいは親の老後生活や介護など、親と子の問題はたくさんあります。ところが、親は子の提案に耳を傾けないことが多く、それどころか、反発したり泣かれたりもして収拾がつきません。そこには、「子に迷惑をかけたくない」という心理、また、「老い先が心配」「喪失感が大きい」などの気持ちの葛藤が隠されているようです。親も子も、もめたくないし誰もが親の幸せを願っています。本書では、高齢の親との話し方、接し方を含め、具体例を交えながら、わかりやすく事例を紹介する親のトリセツ(取り扱い説明書)の決定版です。高齢化社会の問題を解決するバイブルの一冊です。

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以上のラインナップでまもなく書店さんに並びます。今月の新刊もどうぞよろしくお願い申し上げます。
ラクレ編集部 吉岡宏