『SOSの猿』で繰り返される「SOS!(Save Our Ship! Save Our Souls!)」というフレーズにちなみ、人に救われた体験のミニエピソード、つらいときに聞いて救われた一言などを募集しました。
たくさんのご応募、ありがとうございました。
伊坂幸太郎さんと編集部で拝読し、以下の五名のかたのエピソードを選出いたしました。
おめでとうございます。
笑ってしまうものもあれば、本当に大変な状況が伝わってくるものもあって、
こんなに大事な話を送ってもらっちゃっていいのかな、と申し訳ない気持ちになりました。
どうしてもセレクトしないといけないので、とてもつらかったのですが、
みなさんの話で、僕自身が救われたような気分になりました。
感謝しております。
「食べ物は腐りかけが美味いんだよ。賞味期限が切れてからが本番だ」その言葉の数だけ、トイレに駆け込む父の姿。自らが反面教師になることで、賞味期限の大切さを、身をもって証明してくれてました。おかげで、僕は変な物を食べて腹を下したことがありません。ありがとう、父さん。
(期限厳守 さん)
貧乏なため夜間高校に通っていた私は、卒業したら大学へ行きたいと思っていたものの、当然塾へ行くようなお金は無かった。そんな私のために学校の先生たちは補習を組み、受験仲間もいない孤独な闘いを支えてくれ、試験は見事合格。当時の先生たちはまさに人生の恩師です。
(K さん)
里帰り出産した時。初めての新生児のお世話に疲労困憊していた私。泣く我が子を抱く事も出来ず呆然としていたところ、実家の父に言われた言葉。『良かった。赤ちゃんが泣いてたんだ。ママの方が泣いてるのかと思った』。父さん、ありがとうね。
(うさこ さん)
私のこの5年半はSOSの連続です。最初のSOSは仕事中、左腕をベルトコンベアーに挟まれた時。体中の力をふりしぼって助けを呼びました。去年は、原因不明のリンパ腫と血液の異常で病院に駆け込んだ時。たくさんの人に命をつないでもらって今を生きています。
(daisy.sacky さん)
大学受験の話です。当日、会場に向かっていると、とんとんと誰かに肩を叩かれました。振り向くと、そこには同じ受験生とおぼしき女の子が......。きょとんとする僕に、彼女は「落としましたよ」と言って、『何か』を差し出しました。よく見ると、僕の受験票でした。助かった、そして惚れた。
(浮野拓哉 さん)