-入社してから一番印象に残っている仕事はなんですか
書籍の編集担当となり、初めて企画した本を作った時でしょうか。「編集」は、それぞれの編集者に委ねられる部分が非常に大きな仕事です。一冊目は私自身ほとんど知識のないプログラミングの新書だったため、原稿の内容を理解するのも一苦労。そこで国会図書館に数日籠り、ひたすら資料にあたりながら、なんとか刊行に至ることができました。しかし、そうした過程を通じたことで内容もかみ砕かれたのか、対象読者が広がり、様々なランキングで1位を獲得するヒット作になりました。
-出版界の未来をどう予測していますか
業界全体としては決して明るいものと言いにくい。しかし今になって過去最大の収益をあげる出版社があるように、一社一社がどうか、は全く話が別。しかも、既に出版社のありようは、かつてのそれから大きく変容したものになっていて、今も変わっています。この過程は痛みを伴うものかもしれませんが、若い世代にとってはやりがいにあふれたものでもあると思います。皆様のアイデアやパワーをぜひ出版界、そして中公の未来にお貸しいただければ幸いです。
自宅での打合せ。『婦人公論.jp』に連載している大河ドラマの解説記事のため、東京大学史料編纂所教授・本郷和人先生と電話での打合せ。昨夜の放送回についてのネット上での反響などを見つつ、次回記事のテーマを決めていきます。
WEB編集作業。出社後早々、お昼の時間帯に配信する記事の最終チェックを行います。WEBの記事は早朝、昼、夕方によく読まれるため、その前後はどうしてもドタバタすることに。
昼食。社内にいる時間が長い仕事なので、なるべく気分転換に外へ食事をとりに行くようにしています。ランチは同僚と一緒にとりたいタイプなので、コロナ禍で声をかけにくい時期が続いていたのはしんどかった......。
書籍チェック。書籍に関する記事が多いのも、運営サイトの特徴。そのため自社・他社問わず、サイトと相性の良い書籍や内容が無いか、チェックします。献本も多く、精読ではないながら平均して1日1、2冊は必ず目を通しています。
部会。2週間に1度、定期部会を行っています。どの記事が読まれたのか、読まれなかったのか、そして読まれる記事をつくるには......。データをもとに部員同士意見を交わしながら、サイトの魅力が上がる方策を検討していきます。
夜配信、翌日早朝配信記事の準備。それぞれの時間帯の記事を準備。早朝のものについてはタイマーでセットしておきます。連載も複数抱えているので、届いた原稿があれば編集作業を行います。
退社。猫を飼い始めたこともあり、真っすぐ帰宅する場合がほとんど。かつてのように、同僚や他社の方と気軽に飲食できる日が戻ってきてほしい!
就職活動中のみなさんへ
就職活動中のみなさんへ
自分が社会に出たのはいわゆる就職氷河期で、多くの出版社が採用を取りやめていました。出版志望の私も新卒では縁に恵まれなかったため、一度は他業界に就職。そこから転職を重ね、今の会社で念願の編集職に携わっています。就活は自分のやりたいことを確認する一つの通過点。満足いく結果を得られなくとも、人生がそれで決まるわけではありません。過度に落ち込むことなく、目指すべき次のステージを見つけて下さいね。そしてもし同僚になられたなら、一緒にそのステージをガンガン突き進んでいきましょう!