
-入社してから一番印象に残っている仕事はなんですか
どの作品もそれぞれ印象に残っていますが、昨年文庫化した『夜の道標』を担当した際、良い作品にすべく隅々まで何度も何度も改稿を重ねる著者の芦沢央さんの一切妥協しない姿は心に刻み込まれています。編集者として自分はこの作品に何ができるのか自問自答しながらも、まだ誰も読んでいない原稿を最初に読める喜び、そして作品が磨かれていく過程を近くで見られる楽しさなど、改めて編集という仕事の面白さを実感しました。
-ONとOFFはどのように切り替えていますか
日常の中から企画のヒントを見つけることも多いので、ONとOFFの切り替えはあまり上手ではないかもしれません。個人的な趣味など思わぬことが役に立ったりするとラッキーだなと思ってしまいます。ただ、疲れているときはなるべくインターネットを遠ざけるようにしています。
出社。メールの確認。雑誌や新聞の書評に目を通し、担当している本の在庫状況や書店での売れ行きをチェックします。
ネーム作成。本の帯文句や内容紹介文は基本的に担当編集が考えます。読者が興味を持ってくれるキャッチになっているか、装丁のバランスなども考えながら、著者はもちろんのこと、宣伝部や営業部にも相談しながら固めていきます。
昼食。同僚とランチをとりながら新刊の販促について相談したりすることも。
遠方にいる担当作家さんとオンラインで新作について打合せ。
いただいたプロットをもとに必要な資料を提案したり、今後の展開について相談したりします。
ゲラ作業。修正箇所や加筆の相談点などを赤字やえんぴつで書き入れていきます。
いただいた原稿を読んでいるときが一番楽しいです。
キリのいいところで退社。定点観測している書店さんがいくつかあるので、立ち寄りながら新刊や棚をチェックします。
最近子どもと一緒に麻雀のルールを覚えたので、家で家族と麻雀を打つ機会が増えました。ただ子どもの上達が早くて、もうすでに歯が立ちません……。役をすぐ忘れてしまうので私だけいつも躍起になっていますが、よい息抜きになっています。
仕事の連絡はメールや電話が中心ですが、御礼などは手紙や葉書で出すことも少なくありません。美術展で担当の作家さんに合いそうな葉書を見つけると、つい買ってしまいます。お世話になっている先輩からいただいた万年筆を何年も使っています。
プライベートで落ち込むことがあったとき、ある作家さんから「趣味で作ったからあげるね」と指輪をいただきました。指輪をつけてパソコンやゲラ作業をしていると、ふとした瞬間に目に入ったりするので気持ちが明るくなります。
就職活動中のみなさんへ

就職活動中のみなさんへ
好きな作品について誰かに伝えようと自分なりに言葉を尽くせば尽くすほど、己の価値観が露呈していきます。内面を曝け出すのは不安で怖いことでもありますが、同時に知らなかった自分の一面に気づけたり、相手の考えを知るきっかけにも繋がったりします。就職活動中は様々なことを聞かれると思いますが、仕事もその延長線上にあります。みなさんが大切にしていることをうまく言語化し、それが相手に伝わることを祈っています。

