単行本『オジいサン』が発売されたのは2011年3月10日。震災の前日でした。
誰もが傷つき、不安が日本じゅうを覆う中、
それでも「ことば」のもつ力を信じたい、と考えた私たちは、
「日本を元気にする『オジいサン』川柳」というイベントを実施しました。

テーマは「おじいさん」あるいは「おばあさん」。
募集も応募もネットでのみという、ささやかな公募でしたが、
5カ月間のうちに集まった作品は予想を大きく上回る4603句。
その全てに目を通し、第1回から第5回までの各優秀賞および、最優秀賞を選んでくださったのは、「よみうり時事川柳」の選者読売新聞編集委員の長井好弘さん。
さらに11月5日には、『オジいサン』の著者・京極夏彦さんによる「京極賞公開選考会」が、
東京の中央公論新社本社ビルにて開催されました。

思っていた以上の反響に、関係者一同大喜びだったのですが、
驚いたのは、皆さんからの声の多さでした。
「川柳の楽しさに目覚めた」「年寄りも悪くないと思った」
「一度きりの募集なのでしょうか」「またやってくれたらいいな」......
ついには書籍の刊行から一年を経て雑誌の川柳特集の取材をしていただくに至り、
『オジいサン』の編集担当と宣伝担当は、顔を見合わせたのでした。
「今年もやっちゃおうか......」

と、いうわけで。今年もやります、「オジいサン川柳」！
毎月一回、25日前後に締め切り、翌10日前後に「月間賞」を発表します。
選者には、当社の"偉い人たち"が総動員。

みなさんの愉快な「5・7・5」、お待ちしております！