書籍編集局 中公新書編集部 工藤 尚彦 書籍編集局 中公新書編集部 工藤 尚彦

-最近の仕事で印象に残っているエピソードを教えてください

保坂三四郎さんに執筆してもらった中公新書『諜報国家ロシア』が、山本七平賞を受賞したことは最近の嬉しかった出来事です。

私は2022年の春まで月刊『中央公論』編集部に在籍しており、保坂さんには、2014年にロシアがウクライナ東部に侵攻して以降、本誌でたびたび寄稿してもらっていました。

保坂さんは現在エストニアの研究所にお勤めですが、それ以前にはウクライナやタジキスタンで研究していたため、ロシアを複眼的に考察しており、その歴史認識や、諜報活動、影響力工作について、とても興味深い論考を寄せてもらっていました。

そして2022年2月、ロシアがウクライナに全面侵攻を行います。間もなく私の新書編集部への異動が決まったので、「これは保坂さんに新書を書いてもらうしかない」とさっそくお願いし、執筆してもらったのが本書です。

-中央公論新社とはどんな会社ですか

まじめな人が多い会社だと思います。それが質の高い良書づくりにもつながっているかもしれません。

一方で変化の多い時代でもあるので、これは自戒を込めて、もっとフットワークを軽くして情報収集し、遊び心を持っていろいろなことに挑戦しようとも思っています。

学生の皆さんにも、最近気になっていることや流行など、いろいろ教えてもらいたいです。

9:00

子どもの通学に付き添いながら出社。(編集部門の定時は10時です)企画書の執筆など、自らが書く仕事は頭がフレッシュな午前中に行うようにしています。

10:00

著者とのオンラインでの打ち合わせ。来月に刊行予定の著者と、タイトルや帯のコピー、内容紹介についてオンライン会議。

11:30

ランチ。ビルの12階にある、社員食堂を利用することが多いです。温かいものを素早く食べられるのは、ありがたい。

13:00

ゲラの確認。 印刷所から再校ゲラが届き、初校ゲラの赤字が反映されているか、図表がうまく入っているか確認します。

15:00

会議。毎週1回、編集部の会議があります。それぞれの担当書籍の進捗の確認と、新規企画のプレゼンを行います。

18:00

退勤。たまに著者と打ち合わせを兼ねた会食をしたりもします。

仕事終りに寄席に行くことも。
写真は新作落語の気鋭・立川吉笑さん。
ハンドクリーム
乾燥肌なので、冬場はハンドクリームを塗らないとページがめくれません…… パッケージにノルウェーの国旗が描かれていたので、「これは極寒の地で鍛えられた一品だな」と思って購入したら、フランス製でした。いい香りがします。
手帳とアップルウオッチ
手帳は、著者との打ち合わせ内容をたくさん書けるよう、ノートのページが多いものを使っています。アップルウオッチはスケジュール管理にとても便利、そして、座りっぱなしだと少し歩くようにとブルッと震えるので、健康管理にもいい気がします。

就職活動中のみなさんへ

就職活動中のみなさんへ

定番のことではありますが、エントリーシートを試しに書いて、大学のOB・OG訪問をして社会人に添削してもらうのはよい経験になると思います。自分について書くことも、それを適切なサイズでわかりやすく話すことも、なかなかに難しいことです。書くこと、話すこと、それを繰り返すことで、自分はどういう志向なのか、どういう仕事がしたいか、考えが深まってくると思います。

所属は2024年1月現在です