創業130周年記念出版
A HISTORY OF WESTERN ART
編集委員の言葉 本全集の特徴

イタリア各地でルネサンス期の芸術文化が華々しく展開した頃、アルプスの北側でも、それに勝るとも劣らない偉大な美術が実を結んでいた。ヤン・ファン・エイク、ボス、デューラー、ブリューゲルをはじめとする画家たちが、きわめて個性的な作品を生み出したのである。その背景には、画材や技法の驚異的な進歩や、美術市場の誕生などの社会的要因があった。独自な着想と南北の影響関係があいまって、精緻かつ大胆な世界が展開する。

目次
第1章 カール四世とボヘミアの美術
  • 1 賢人皇帝カール四世 
    「プロデューサー」としての神聖ローマ皇帝カール四世/パリにおける幼少期とイタリア滞在/プラハへの帰還と大聖堂の造営/カール四世の戴冠
  • 2 神聖都市プラハの創出 
  • 記憶の場としてのプラハ  フラチャニとヴィシュフラド/新市街の開発/神聖化の手段としての聖遺物/カール四世統治下初期の聖遺物容器/帝国宝物/帝国宝物の公開行事
  • 3 ボヘミア王家宝物の創出
    カール四世による聖遺物収集/ボヘミア王家宝物/リポジトリとしてのカレルシュテイン城/聖十字架礼拝堂における板絵――トンマーゾ・ダ・モデナとマギステル・テオドリクス/貴石・半貴石による壁面装飾
  • 4 神聖化の手段としてのコピー 
    宝物としてのイコン(1)――《アラチェリの聖母》のイコンのコピー/宝物としてのイコン(2)――「ヴェロニカ(ヴェラ・イコン)」のコピー/宝物としてのイコン(3)――ルッカの《ヴォルト・サント》のコピー/《ヴォルト・サント》造像伝説を遡行するカール四世
  • 5 国際芸術都市プラハ 
    プラハ大聖堂南扉口(黄金の門)の《最後の審判》モザイク/カール四世の美術パトロネージ/統治の手段としての扮装肖像/カール四世死後のボヘミア美術とその影響
第2章 パリの写本工房
  • はじめに  写本彩飾挿絵芸術の主都パリ
  • 1 シャルル六世治下のパリ(一三八〇〜一四二二年)  
    王と四人のおじたち/ヴァロワ王侯貴族のメセナの構造/社会における美術の機能  豪奢と祝祭のスペクタクル
  • 2 パリの写本彩飾挿絵工房と写本マーケット 
    パリの書籍業と写本工房/宮廷の画家と町の画家
  • 3 きらめく色彩――写本彩飾の色材と技法 
    二つのモデリングシステム/「ブシコーの画家」の驚異的彩色法/色彩の魔術師――さらなる先駆「聖母戴冠の画家」
  • 4 パリ写本の黄金時代 
    ランブール兄弟『ベリー公のいとも豪華なる時禱書』/「ブシコーの画家」と「マザリンヌの画家」『ブシコー元帥の時禱書』/『ブシコー元帥の時禱書』における空気遠近法誕生の現場/「聖母戴冠の画家」の系譜――パリ風「現代性」の探究/女性作家クリスティーヌ・ド・ピザンの雇った画家たち/「貴婦人の都の画家」/「オテアの書簡の画家」「サフランの画家」「エジャートンの画家」/パリ挿絵工房の分散と最後の画家たち
  • 5 光と色彩をめぐる北方的言説の誕生 
    古代書物のフランス語翻訳プロジェクト/ニコル・オレームのアリストテレス翻訳/クリスティーヌ・ド・ピザンの芸術論と新たな時代の言説
第3章 レアリスムに向けて
  • Ⅰ 宮廷画家ヤン・ファン・エイク――油彩画技法完成への道
  • 1 ファン・エイク兄弟の生きた都市
    花開くブルゴーニュ公国の芸術/忽然とあらわれたヘントの祭壇画/ヤン・ファン・エイクの栄光に満ちた言説/ファン・エイク兄弟の生涯と作品/今なお濃い霧のなかにあるヤン・ファン・エイク研究/中世の中心的国際市場――ネーデルラントにおけるブルゴーニュ宮廷
  • 2 ヤン・ファン・エイクの史料――油彩画技法完成までのプロセス 
    ヘントの祭壇画以前(一四一〇〜三二年)/ヘントの祭壇画完成期/パネルの分割と兄弟の協同制作/カンピンの彫塑的レアリスム/下絵素描に見る光の実験
  • 3 ヤン・ファン・エイクの絵画技法 
    「媒材」から「彩色システム」へ/写本彩飾挿絵と板絵の間/表層の技法/洗練された操作と筆
    ❖コラム ヤン・ファン・エイクの油彩画と彩色システム
  • 4 作品創造の現場 
    ヘントの祭壇画まで/ヘントの祭壇画の完成期――レアリスムの構想と思考/ヘントの祭壇画完成後(一四三二〜四一年)/瞳の虹彩/肖像画――究極の表現へ
  • 5 技法探究の先にあるもの

  • Ⅱ 写実表現と自意識の目覚め
  • 6 契約文書の有無――イタリア対アルプス以北 
    契約文書のないアルプス以北/フィリップ善良公とヤン・ファン・エイク
  • 7 祈りの慣習の変化と時禱書および開閉式祭壇画 
    礼拝堂や私室での祈り/寄進者の肖像
  • 8 扮装肖像から自画像へ 
    《聖母子を描く聖ルカ》――ロヒールによる聖ルカとしての自画像/写字僧が用いた道具/描かれた彩色道具/「授乳の聖母」像の興隆/再び、カンピンとロヒールをめぐる問題
  • 9 鏡と自画像 
    自画像制作に必携の鏡/《赤いターバンをつけた男の肖像》――ヤンによる鏡像としての自画像/ジャン・フーケの自画像
第4章 人間と自然
  • 1 一五世紀後半のネーデルラント絵画の展開
    「劇場国家」としてのブルゴーニュ公国/都市と芸術/ブルッヘのペトルス・クリストゥス/ルーヴェンのディリク・バウツ/ヘントのヒューホー・ファン・デル・フース/ブルッヘ第二世代の巨星ハンス・メムリンク/ブルッヘの最後の栄光――ヘラルト・ダフィット/奇想の画家ヒエロニムス・ボス
  • 2 美術市場と需要 
    群小画家たちの活躍/聖母子像とランドマーク
  • 3 一六世紀ネーデルラント絵画の潮流 
    国際都市アントウェルペン/折衷主義とロマニズム
  • 4 風景と人間の対峙 
    「世界風景」の画家ヨアヒム・パティニール/ロマニストの系譜/人体表現の追究――装飾的技巧の画家ヤン・ホッサールト/人体表現の追究――屈折の画家マールテン・ファン・ヘームスケルク/空間表現への取り組み――ファン・オルレイとクック・ファン・アールスト/自然への回帰――風景画とブリューゲル/時禱書における月暦図/ロマニストの代表、フランス・フローリス/風景画の継承
    ❖コラム 祝祭とタピスリー
第5章 南北交流
  • 1 アルプスの北から南への美術の流れ 
    美術交流の逆転現象/何が流れを推し進めたのか/科学的知識の利用/フィレンツェ絵画への影響
  • 2 ヤン・ファン・エイクとイタリア 
  • 3 イタリアにおけるロヒール・ファン・デル・ウェイデンの残響 
    注文主の意向/イタリア的要素と非イタリア的要素/涙の描写
  • 4 フィレンツェにおけるフランドル絵画の流行 
  • 5 ファン・デル・フースのポルティナーリ祭壇画 
    描かれるガラス/祭壇画の二重の意味
  • 6 芸術家の旅の類型、ジャン・フーケの場合 
    集団での旅行/フーケはなぜイタリアに旅したか/フェッラーラでの痕跡
  • 7 ヒエロニムス・ボスはイタリアに旅したか
  • 8 ネロの黄金宮の廃墟を訪れた一六世紀のネーデルラント画家たち
第6章 デューラーの悩み――ドイツ美術にとっての美と醜
  • 1 デューラーの自画像 
    初期の成功と自画像/「所信表明」としての《一五〇〇年の自画像》
  • 2 名声のメカニズム 
    第二次イタリア滞在における画業――名声獲得戦略の成功(1)《ロザリオの祝祭》/署名のない祭壇画と自己表出の場としての祭壇画/第二次イタリア滞在における画業――名声獲得戦略の成功(2)《一二歳のキリスト》
    ❖コラム 印刷術揺籃期における挿図の役割
  • 3 「ドイツのアペレス」としてのデューラー 
    《一万人の殉教》とザクセン選帝侯フリードリヒ賢明公/ヘラー祭壇画と五〇〇年保証
  • 4 ドイツ美術はなぜみにくいか――デューラーの悩み 
    審美観の相違/デューラーにとっての醜さ/キリスト教という逆説/非類似的象徴――「醜いものほど美しい」/「ともに苦しむ」ための形象――三叉型磔刑像とピエタ/グリューネヴァルト/中世末期ドイツの宗教図像――「苦しみの人」と老女像/デューラーは悩みをどのように解決したか
    ❖コラム ファイト・シュトースの木彫祭壇衝立
第7章 アルプス以北一六世紀の宮廷と美術
  • 1 ドイツの宮廷美術と人文主義 
    皇帝マクシミリアン一世/ヤーコポ・デ・バルバリの登場/クラーナハとザクセン選帝侯宮廷/ショイアルのクラーナハ礼賛/クラーナハによる「速さ」の実現――板絵の大量生産システムの構築
  • 2 名声のメディアとしての肖像画 
    クラーナハとデューラーの銅版肖像画をめぐる競合/扮装肖像画
  • 3 宗教改革前後の宮廷と美術 
    宗教改革の勃発前後の聖遺物崇敬/宗教改革後のクラーナハ、あるいはクラーナハの柔軟性
  • 4 女性君主の宮廷と美術――オーストリアのマルガレーテの場合 
    オーストリアのマルガレーテとヤーコポ・デ・バルバリ/マルガレーテの絵画コレクションとその目録/デューラーからの作品寄贈を断ったマルガレーテ/マルガレーテによるコレクションの居室別配置/異国文物の到来
  • 5 フランス王の宮廷と美術 
    フランス宮廷とイタリア美術/フランソワ一世のイタリア絵画収集/フォンテーヌブロー宮殿の造営/「浴室の間」ギャラリー/裸体肖像画/扮装肖像画と裸体扮装肖像画
  • 6 ミュンヘンとプラハの宮廷と美術 
    ヴィッテルスバッハ家のヴィルヘルム四世とアルトドルファーの戦争画/アルブレヒト五世とクンストカンマー/マクシミリアン一世と「デューラー・ルネサンス」/マクシミリアン一世によるデューラー作品収集/デューラー作品の改変と転用/デューラー作品の保管法/皇帝ルドルフ二世とプラハ宮廷/ルドルフ二世のクンストカンマー/美術パトロンとしてのルドルフ二世/ルドルフの絵画収集――デューラーを中心に/プラハにおける「デューラー・ルネサンス」/ルドルフのクンストカンマーにおける「インドの」甲冑

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経済や政治が安定した一一世紀以降、キリスト教共同体として「一体的なヨーロッパ」が意識されると、宗教儀礼や特有のシンボルが確立し、その実践の場である建築や美術が重要な役割を担う。聖堂に刻まれた彫刻、荘厳なステンドグラス、儀式や祈りに用いられた写本の数々――それは信仰とともにあり、世界を知るためのものであった。中世においてもっとも活発に芸術が生み出されたロマネスク・ゴシック期、人々には何が見えていたか。

目次
序章 一九世紀美術とは何か
  • 1 本書のねらい
  • 2 中世とは何か

    中世の始まりと終わり/「長い中世」という考え方

  • 3 ロマネスクを問い直す

    「ロマネスク」の意味するもの/縮むロマネスク/ブヴァールとペキュシェによるロマネスク観/中世美術史家ザウアーレンダーによるロマネスク観/ロマネスクをどう線引きするか/ゴシックの形成とロマネスク

第1章 歴史/物語
  • 1 中世美術と歴史/物語

    中世における多様な時間性/中世美術が語る大きな物語/歴史全体を展望する手法――タイポロジーという世界の見方

  • 2 時間と空間の織物――年代記と地図
  • 3 ヴィジュアル・タイポロジー

    タイポロジーと美術/『ビーブル・モラリゼ』/エヴァの創造とキリスト教会(エクレシア)の誕生

  • 4 歴史/物語を可視化する

    美術における物語叙述/サン・サヴァン修道院聖堂の天井画

  • 5 美術による出来事の現前

    「聖母被昇天」という主題/ある修道女の幻視体験/聖母の肉体への関心

  • 6 空間的モンタージュとしての美術

    美術と「アナクロニズム」/素材のリサイクル/一二世紀のローマにおける聖堂建築と古代の廃墟/ローマのイコン行列と都市空間/過去の作品を加工する
    ❖コラム ステンドグラスを読む

第2章 まなざし
  • 1 中世の「まなざし」を蘇らせるために

    ヴィラール・ド・オヌクールのライオン/中世の美術は何のために作られたのか/中世美術は「文字の読めない人々のための聖書」か?/「芸術作品」としての理解/美術が置かれる場所とまなざし/中世の「視覚性」について考える

  • 2 大きな物語のなかのまなざし

    救済の歴史とまなざしの歴史/「ユダヤ教徒」のまなざし/ユダヤ教徒のヘルマンが教会で見た「怪物のような偶像」

  • 3 眼と心と身体を使って見る

    自然・過去・宗教/母語の発見とシュトゥルム・ウント・ドラング/コペンハーゲン――

  • 4 まなざしを誘惑する美術
  • 5 神の「刻印」を魂に受け取る

    蝋に印章を押すという比喩/ヴェロニカへの祈り/ゲルトルーディス・マグナの神秘体験
    ❖コラム 「見えないもの」を見る者

第3章 祈り
  • 1 典礼――天上と地上をつなぐもの

    聖務日課と聖餐式/祭壇の両義性/天上と地上の教会の一致/「物質的なるものを非物質的なるものと」

  • 2 典礼と聖堂――行為と空間のレトリック

    聖堂空間の分節と方向性/中世聖堂の展示プログラム/ブリネー聖堂内陣の壁画と典礼/シャルトル大聖堂の主祭壇とステンドグラス/ストラスブール大聖堂の南袖廊

  • 3 典礼と個人の祈り

    典礼と個人的祈りのあいだ/典礼と幻視体験――「聖グレゴリウスのミサ」

  • 4 プライヴェートな領域における祈りと美術

    キリストの身体というメディア/愛の傷口/ジョヴァンニ・モレッリによるイメージと言葉を通じた祈り/『ラットレル詩編』の世界

  • 5 死者との共同体を作る

    メモリア/キリストの墓への巡礼と美術/都市共同体における聖人の墓
    ❖コラム 祈りのための書物

第4章 物質
  • 1 イメージと「モノ」

    中世美術の物質性/イメージを通じた神の礼拝というパラドックス/イメージに宿る聖なる存在/可動式の彫刻/聖なる存在の「不在」を表現する美術

  • 2 聖遺物と美術

    聖遺物と墓/パリ、サント・シャペルとその観衆/聖遺物容器と身体の部分

  • 3 物質の「図像学」

    物質と装飾文様――ブロンズと森/「悲しみの人」の身体と真珠/聖遺物容器と天上のエルサレム/物質性によるタイポロジー
    ❖コラム 中世の聖堂を訪ねる

第5章 中世の死生観
  • 1 紀元千年の恐怖

    終末と終末のはざまで/一九世紀の「紀元千年」という幻想/死のオブセッション

  • 2 聖堂に見る終末論

    終末的ヴィジョン/黙示録のヴィジョン――モワサック、サン・ピエール聖堂/最後の審判のヴィジョン――オータン、サン・ラザール大聖堂ティンパヌム/ボーリュー、サン・ピエール聖堂/コンク、サント・フォワ大修道院付属聖堂

  • 3 私審判と公審判

    審判はいつ訪れるのか/生と死の揺らぎ/現世への執着/生と死の間
    ❖コラム 死生観を問うことについて

第6章 煉獄の形成と死者のための祈り
  • 1 煉獄の形成

    ベアトゥス黙示録写本の陰府/『ウィンチェスター詩編』と広汎な流通のネットワーク/中間地帯の存在/アブラハムの懐と陰府と火/死者のための祈りの有効性/煉獄の入り口とクリュニー会

  • 2 煉獄の表現

    写本挿絵にみる煉獄

  • 3 死者への祈りと葬送儀礼

    死者のための祈り/南イタリアの情勢/死者のための聖務日課/ヨブという教訓/『ロアンの大時祷書』/死から埋葬まで/善生善死をめぐって――エドワード証聖王の場合/ルイ九世の場合

  • 4 往生術と四終

    往生術/『往生術』の歴史的位置づけ(前期)/『往生術』の歴史的位置づけ(後期)
    ❖コラム 終末論的歴史観とフィオーレのヨアキム 

第7章 身体と霊魂
  • 1 霊魂の伝統と表現

    「創世記」に見る身体と霊魂の位置づけ/古代の霊魂観/キリスト教美術における霊魂の表現/ビンゲンのヒルデガルトに見る身体と霊魂

  • 2 キリストの身体

    キリスト像の変化/受肉の問題/ビザンティンの相似性理論と聖像破壊運動/西方ヨーロッパの画像をめぐる議論/大グレゴリウスの権威/十字架からキリスト磔刑像へ/祭壇と礼拝像/礼拝像としてのキリスト像――ヴォルト・サント・タイプと磔刑像/死せるキリスト像の展開――触知的存在としてのキリスト/「悲しみの人」「アルマ・クリスティ」

  • 3 腐敗から復活へ

    墓碑の変遷/メロヴィング朝ダゴベルト一世の壁龕墓碑/枢機卿ラグランジュの壁龕墓碑/腐敗と罪の肉体/腐敗から再生へ――霊的な体
    ❖コラム 雅歌解釈と聖母マリア信仰

第8章 死後世界への旅
  • 1 死後世界旅行記

    古代における死後世界旅行記/黙示文学の系譜としての死後世界旅行記/初期中世の死後世界旅行記――トゥールのグレゴリウス『フランク史』/教皇大グレゴリウス『対話編』/ベーダ『英国民教会史』/中世の死後世界旅行記の特徴

  • 2 死後世界の地誌

    火・硫黄・氷・川・橋/トゥヌクダルスの幻視/ルシフェル/聖パトリキウスの煉獄

  • 3 天界への上昇

    ヤコブの梯子からペルペトゥアの梯子へ/教父たちの修道の梯子/西方修道院の完徳の梯子/宇宙論的な展開――古典古代の受容/中世の天文学/キリスト教的宇宙観
    ❖コラム 占星術的人体

終章 中世という宇宙
  • 中世とは何か、という問い/ロマネスクとゴシックの美術/『ロベール・ド・リールの詩編』概要/『ロベール・ド・リールの詩編』/『ロベール・ド・リールの詩編』の内容/悪徳と美徳の樹

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近代市民社会が成立した一九世紀、美術の世界も激変する。
古代の理想美を絶対とする伝統的価値観から、美の基準は「今ここ」にあるとする近代的価値観へ。
新しさ、独創性を追求し続ける美の革命が始まる。ダヴィッド、アングル、ドラクロワ、クールベ、マネ、モネ、セザンヌと連なるフランス絵画をはじめ、スペインのゴヤ、ドイツのフリードリヒやナザレ派、イギリスの風景画やラファエル前派など、多彩な芸術が同時多発的に出現する。

目次
序章 一九世紀美術とは何か
  •  1 近代の始まりとしての一九世紀 
     2 「一九世紀美術史」の試み 
     3 様式の変貌と美の多様性 
     4 制度と受容の変化 
     5 視覚メディアと装飾美術の隆盛 
     6 異文化の刺激、万国博覧会の時代 
第1章 フランス、イギリス、アメリカ(一九世紀前半Ⅰ)
  • 1 フランス革命と美術

    《皇帝ナポレオン一世と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠式》/古代愛好と新しい歴史画/革命と新古典主義/革命と美術制度

  • 2 イギリスとアメリカ――新古典主義からロマン主義の萌芽へ

    大英帝国とアメリカ合衆国の独立/イタリアからイギリスへ/産業と芸術、そしてロマン主義の萌芽/自国の歴史と文化へのまなざし/新しい共和国と新古典主義

  • 3 ナポレオン時代のフランス美術

    ナポレオン軍と戦争画家グロ/皇帝のための芸術/新古典主義のヴァリエーション/黒い肌の表象/アングルとプリミティヴィズム

  • 4 ロマン主義時代のイギリス

    コンスタブルと自然賛美/ターナーと崇高のドラマ/社会と美術制度/ヴィクトリア朝初期の風俗画

  • 5 王政復古期のフランス美術

    ロマン主義の勃興/王政復古と美術アカデミーの強化/メデューズ号の難破/ジェリコーからドラクロワへ/アングルとアカデミー/「芸術家」

  • 6 七月王政期のフランス美術

    ロマン主義の勝利、あるいは芸術の大衆化/ヴェルネとドラロッシュ/アングルの弟子たち/コローとバルビゾン派/異邦への憧れ/広がるイメージ/憂愁の世紀

  • 7 南北戦争前夜までのアメリカ美術

    アメリカ最初の画派の誕生/マニフェスト・デスティニーの時代
    ❖コラム 『古きフランスのピトレスクでロマンティックな旅』 

第2章 大陸周縁の美術(一九世紀前半Ⅱ)
  • 1 イタリア半島の夕暮れまたは夜明け

    イタリアの新古典主義絵画/新古典主義の彫刻

  • 2 世紀をまたぐ巨人 ゴヤ

    ゴヤ前夜/宮廷画家ゴヤ/スペイン独立戦争/聾者の家と「黒い絵」

  • 3 北方古典主義美術

    ヴィンケルマン『ギリシア芸術模倣論』/美術アカデミーと古典主義/ドイチュ・レーマー/ゴットリープ・シック/クリストファ・ヴィルヘルム・エガスベア/古典主義の風景――ラインハルトとコッホ/東欧、ロシアにおける古典主義の広がり

  • 4 北方諸国のロマン主義美術

    自然・過去・宗教/母語の発見とシュトゥルム・ウント・ドラング/コペンハーゲン――イェンス・ユエル/カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ/フィリップ・オットー・ルンゲ/すべては風景へと向かう/一日の四つの時

  • 5 フィクションとしての「中世」 ナザレ派

    空想の理想社会/「友愛」の記念碑――イタリアとゲルマニア/普遍への志向――「エジプトのヨセフ」とルドルフ・フォン・ハプスブルク/ナザレ派の残像

  • 6 ロマン主義の変質――風景画の展開

    一八二〇年代のローマ――南国の自然と油彩スケッチ/中期以降のフリードリヒ/デュッセルドルフ派の風景画/物語の場としての風景

  • 7 前三月革命期の美術

    ビーダーマイヤー/ウィーン/ミュンヘン/ベルリン/デンマークの黄金期/一九世紀前半のロシア 
    ❖コラム トーネットの椅子 

第3章 レアリスムの時代(一九世紀後半Ⅰ)
  • 一九世紀後半の美術
  • 1 二月革命とレアリスム絵画の勃興

    市民革命と内戦/第二共和政の美術政策/レアリスム絵画とボードレール/クールベと地方ブルジョワ/ミレーの農民とドーミエの都市労働者

  • 2 フランス第二帝政期の美術状況

    ナポレオン三世と近代都市パリの成立/美術アカデミーvs.美術行政/一八六三年の「落選者のサロン」とその背景/アカデミズム絵画の変質/第二帝政期のレアリスム絵画

  • 3 マネと一八六三年の世代

    「現代生活の画家」マネ/《草上の昼食》と《オランピア》/「落選者のサロン」と一八六三年の世代/ポスト・レアリスムの画家たち/一八六〇年代の前衛美術とコスモポリタニズム

  • 4 万国博覧会 ロンドンとパリ

    一八五一年のロンドン万博と水晶宮/デザインと装飾の刷新へ/一八五五年のパリ万博と美術展の成功/一八六二年のロンドン万博と日本の影響/一八六七年のパリ万博とジャポニスムの流行

  • 5 イギリス ラファエル前派と風俗画

    ヴィクトリア朝と美術/ラファエル前派の誕生と宗教主題/ラファエル前派と世俗主題/ヴィクトリア朝中期の風俗画と写真

  • 6 ドイツ レアリスムとイデアリスム

    ドイツの美術アカデミーと歴史画/アドルフ・メンツェル/クールベの影響とライブル派/イデアリスムの方へ

  • 7 西洋諸国におけるレアリスムの波及

    ベルギー、オランダ、北欧/東欧とロシア/イタリアとスペイン/アメリカ
    ❖コラム 写真と絵画の交錯

第4章 印象派から世紀末へ(一九世紀後半Ⅱ)
  • 1 フランス第三共和政と美術

    普仏戦争とパリ・コミューン/第三共和政と美術/アカデミズムの残存と変質/自然主義絵画の隆盛/マネの後期

  • 2 印象派の誕生

    印象派をめぐる美術状況/「印象派」の展覧会/印象派の美学と技法/近代都市市民の芸術/印象派の画家たち/モネと風景画/ピサロとシスレー/ルノワールと女性像/ドガと都市風俗/バジールとカイユボット/印象派の女性画家

  • 3 ポスト印象派の時代

    「ポスト印象派」の範囲/科学と古典、情念と表現、象徴と総合/スーラと新印象派/印象展以後の印象派/セザンヌと構築的絵画/ファン・ゴッホの表現/ゴーガンと総合主義/象徴主義――モローとルドン

  • 4 イギリス 唯美主義とアーツ・アンド・クラフツ

    ラファエル前派から唯美主義へ/モリスとアーツ・アンド・クラフツ/後期ホイッスラーと唯美主義/ロイヤル・アカデミー/世紀末に向かって

  • 5 ドイツ 印象主義と象徴主義

    後期ライブルと自然主義/ベルリンの美術界と分離派/印象主義とリーバーマン/表現主義的な傾向/象徴主義に向かって

  • 6 一八八九年のパリ万国博覧会と自然主義の伝播

    エッフェル塔と展示館/自然主義絵画の広がり/北欧/ベルギーとオランダ/ロシア/アメリカ

  • 7 世紀末芸術の諸相

    ベル・エポックとアール・ヌーヴォー/トゥールーズ=ロートレック/世紀末の象徴主義――薔薇十字展とナビ派/オーギュスト・ロダン/フランス以外のアール・ヌーヴォー/象徴主義と分離派/一九〇〇年のパリ万国博覧会
    ❖コラム 鉄道をめぐる絵画

終章 一九世紀から二〇世紀へ
  • 対立と交差/中心と周縁/美術史からイメージ史へ/二〇世紀へ向かって

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ギリシア・ローマ美術は後世、美の「古典」とされ、時代と地域を超えて憧憬の的となった。けれど作られた当時、それらは美しいだけでなく、篤い崇敬を集める信仰の対象であり、神話と歴史の語り部であり、計算された政治メディアでもあった。神に捧げる完璧な肉体の表現を極めたギリシア美術、多様な人々に向け幾重もの意味を担ったヘレニズム美術、皇帝顕彰の彫刻が帝国各地で作られたローマ美術......西洋美術の歴史がここに始まる。

目次
序章 エーゲ海文明の記憶
  • 西洋文明にとっての古代ギリシア/エーゲ海文明(前三二〇〇〜前一一〇〇年頃)/ミノス文明(前三二〇〇〜前一一〇〇年頃)/ミュケナイ文明(前一六〇〇〜前一一〇〇年頃)/「暗黒時代」(前一一〇〇〜前八〇〇年頃)/神話と青銅器時代の記憶
    ❖コラム ギリシア神殿の起源をめぐって

第1章 ギリシア美術の曙
  • 1 美術様式と時代

    歴史時代の始まりと考古資料/原幾何学様式時代(前一〇五〇〜前九〇〇年頃)/幾何学様式時代(前九〇〇〜前七〇〇年頃)/東方化様式時代(前七〇〇〜前六〇〇年頃)/アルカイック時代(前六〇〇年頃〜前四八〇年)

  • 2 神々を祀る

    古い神像の聖性/いにしえの木彫神像――クソアノン/ブロンズ打ち出し像――スフュレラトン/ダイダロス様式の石彫像

  • 3 絵画の始まり

    古代の伝承/葬礼用陶器――葬礼場面と戦闘場面/死者を宥めるための絵画/神話表現の始まり/プロトアッティカ式陶器――《エレウシスのアンフォラ》/プロトコリントス式陶器――《キージの壺》

  • 4 神話を眺める

    前七世紀の神殿装飾/神殿のメトープ/ペディメント彫刻/フリーズ彫刻/工芸品に見る神話のアンソロジー

  • 5 生けるが如く

    エジプトとの接触/男性裸体表現の発達/大きな動きへ――ブロンズ像とペディメント彫刻/絵画における人体表現
    ❖コラム ギリシア陶器の研究 

第2章 ギリシア美術の栄華
  • 1 アテネにおける政治と美術

    僭主政と民主政の美術/二組の《僭主殺害者像》/マラトンの戦いと《カリマコス奉納のニケ》/フェイディアスの《ミルティアデス群像》と《アテナ・プロマコス》/パルテノンと《アテナ・パルテノス》

  • 2 信仰のかたち

    祭祀と神域/オリュンピアの神域/エレウシスの密儀/アスクレピオス信仰

  • 3 カノンの美と感覚の美

    クラシック初期の課題/ポリュクレイトス作《槍を持つ人》と彫刻の新しい課題/感情表現――母子の情/女性像の追求――衣文の美と裸体の美/カノンの革新――リュシッポス

  • 4 人々の生活と美術

    ギリシアにおける私的美術/オリュントス/宴会(シュンポシオン)/女性の領域/葬儀/浮彫つきの墓碑

  • 5 周辺地域とギリシア美術

    ギリシアの西方と東方/エトルリア/マグナ・グラエキア/ローマ/リュキア地方/カリア地方

    ❖コラム ブロンズ像の制作
第3章 ギリシア美術の変容
  • 1 マケドニアの美術

    マケドニア王国/リュシッポス《アレクサンドロス大王の肖像》/マケドニア墓とギリシア絵画/首都ペラ

  • 2 アレクサンドロスの後継者たち

    大王の死後肖像/アレクサンドロス大王の神格化/ヘレニズム諸王の肖像/ヘレニズム時代の新都市

  • 3 ペルガモンの美術

    アッタロス朝ペルガモン/「ペルガモン様式」とは/二つのガラティア人群像/ペルガモンの大祭壇/アッタロス朝の王宮とモザイク

  • 4 ヘレニズム時代の神域と礼拝像

    ヘレニズム君主と国際的な大神域/サモトラケ島の密儀/劇場のような神域/現代に伝わる礼拝像
    ❖コラム ヘルモゲネス――建築の理論化とその共有 

  • 5 美術の多様化と国際化

    多様な身体の追求/官能性の追求/コレクションの形成と時代様式の選択/多様なまなざし――国際商業都市デロス

    ❖コラム 芸術家の署名
第4章 帝国美術の形成
  • 1 ヘレニズム世界と共和政ローマ

    ローマの戦勝と凱旋画/ローマのギリシア人彫刻家/美術品の収集と輸入/スペルロンガの彫像群と《ラオコーン群像》

  • 2 ローマ人の肖像彫刻

    「先祖の肖像」の伝統と新しい肖像形式/初代皇帝アウグストゥス/皇帝肖像と「時代の顔」/女性の肖像

  • 3 アウグストゥスとローマ

    共和政時代の都市ローマ/アウグストゥス広場/カンプス・マルティウスの開発/アウグストゥス礼賛――日時計と平和の祭壇

  • 4 皇帝と大衆

    ローマ人と見世物(スペクタクルム)/キルクス(戦車競技場)/ローマ劇場/コロッセウム/凱旋行進と記念門

  • 5 私邸と壁画

    ローマ人の住居(ドムス)/ポンペイの壁画の四様式/新しいジャンル――風景画と静物画/神話画の見方/画家と注文主

    ❖コラム 彫刻のコピー作品
第5章 帝国美術の拡大と変容
  • 1 戦争と歴史浮彫

    ローマ、トラヤヌス記念柱/ローマ、マルクス・アウレリウス記念柱/小アジアのエフェソス/北アフリカのレプティス・マグナ

  • 2 娯楽と美術

    皇帝の娯楽/ティヴォリ、ハドリアヌスの別荘/公共浴場を飾る美術/カラカラ浴場/属州の暮らし

  • 3 古代ローマの葬礼美術

    ローマの葬礼/墓の造営/石棺浮彫/ローマ人の死生観とオリエント宗教

  • 4 古代末期の皇帝美術

    軍人皇帝時代(後二三五〜二八四年)/《テトラルキア像》/テッサロニキのガレリウス記念門/コンスタンティヌス大帝とローマ/コンスタンティノープル

  • 5 キリスト教時代の「異教」美術

    キリスト教化と異教の廃止/神殿の利用/美術品としての異教の神像/異教美術の制作

第6章 東方のヘレニズム美術
  • 1 ヘレニズムの定義とアレクサンドロス大王東征の意味

    「ヘレニズム」の定義/東方における「ヘレニズム」の時代概念とその地理的範囲/「樹」あるいは複数の「線分」から「網」へ――「シルクロード」と西域の概念から東西南北のクロスローズからなるインターネットへ/ギリシア美術の特徴――西の伝播力の理由/東の吸引力――選択的・意図的摂取/アレクサンドロス大王という夢と情念

  • 2 イランにおけるヘレニズム美術

    ギリシア愛好のイラン系遊牧民族――アルサケス朝パルティアの美術概観/ニサ――グレコ・イラン様式の宮廷美術/ハトラ遺跡/パルミラ/コンマゲーネ王国/メルヴ遺跡

  • 3 中央ユーラシアにおけるヘレニズム美術

    バクトリア地方とグレコ・バクトリア朝/アイ・ハヌム/タフティ・サンギーン――オクサス神殿の遺宝/カンピール・テパ/カンピール・テパ出土の《接吻男女像》
    インド・グリーク朝――インドへの伸張 円形小皿におけるギリシア神話図像――「在家・ギリシア系の仏教徒」のための美術という視座から見る「権現」としてのギリシアの神々/ティリヤ・テパ/最初の仏のイメージとしてのヘラクレス――ティリヤ・テパ出土の私鋳金貨
    クシャン朝 ハルチャヤン/ベグラムと「ベグラム遺宝」

  • 4 ガンダーラ地方

    ガンダーラ地方とギリシア美術/ガンダーラ美術の特徴/ガンダーラでの仏像製作/ガンダーラ美術におけるギリシア・ローマ図像――特に仏像創造以後/ヘラクレス/ハリティーとパーンチカ/アトラス/海獣スキュラの変容と東漸/海獣ケトス/仏教美術における西方の装飾文様――交差する帯紐やコリントス式柱頭など/ギリシア・ローマ図像東漸の源流、経路、媒体/出家踰城図におけるテュケ――釈尊の「運命の劇的な転換」を司るヘレニズムの「強大な神」/「トロイアの木馬図・出家踰城図」

  • 5 ギリシア美術と中国

    シルク、そして/東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)/中原――北周李賢夫妻墓出土《銀製鎏金把手付水瓶》
    一つの結論 

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西欧初期中世の美術は、地中海世界の伝統とケルト、ゲルマン、オリエントの躍動的な出会いだった。具象と抽象が織りなす独創的なキリスト教美術が誕生し、古代ローマの遺産は新たな王国に正統性を与えた。一方、千年にわたるビザンティン美術は、イコン破壊令という試練を経て、神の表現を極め、壮麗な聖堂や繊細なモザイク、写本装飾に結晶させた。精緻な構想による聖堂壁画は幾重もの意味を担い、ビザンティン人の精神を今に伝える。

目次
序章 
  • 西洋美術史の二本の線
第Ⅰ部 西欧初期中世の美術
第1章 キリスト教美術とは何か
  • 1 キリスト教美術の始まり 

    ユダヤ教とキリスト教/共同体の成立からイメージの共有へ/死者を弔う墓の美術/都市生活に息づく信仰の形/肖像なのか、聖像なのか?

    ◆コラム ドゥーラ・エウロポス遺跡の宗教美術
  • 2 異教の神々とキリストの像

    キリスト像の図像的源泉/多神教世界のなかで/神々のイメージの変容/教養としての異教/試される私たちの視線

  • 3 聖堂建築の始まり

    バシリカ式プランの発展/集中式プランに見る象徴性/聖書物語の発展
    ◆コラム ヴァティカンの旧サン・ピエトロ大聖堂 

第2章 西ローマ帝国の崩壊と異民族の躍動
  • はじめに
  • 1 西欧中世のあけぼの

    ゴートとローマ文化の邂逅/ゲルマン世界とキリスト教/東方世界の美術の流入

  • 2 古代ローマとバルバロイの金属工芸

    新世代を象徴する装身具/フランク王キルデリクの墓/ゴート人の鷲形ブローチ

  • 3 ゴートの宮廷と聖堂装飾

    東ゴートとテオドリック王/西ゴートの教会堂は語る/アストゥリアス王国の都オビエド
    ◆コラム 初期イスラーム美術 

  • 4 北方ヨーロッパの抽象美術

    うごめく動物たちの装飾/アイルランドとブリテン諸島のキリスト教/ケルト美術のリヴァイヴァル/聖なる言葉と写本装飾

  • 5 ランゴバルドの遺産

    イタリア半島の北から南へ/ランゴバルドの華麗なる宮廷/北方異民族の「民族創生」と彼らの美術 

    ◆コラム ヴァイキングの美術
第3章 古代復興の理念と現実
  • 1 ローマの刷新

    「ローマの平和」から「キリスト教による平和」へ/リサイクルされる古代建築/巡礼者のローマへのまなざし/教皇権の拡大とカール大帝の誕生/九世紀のローマ美術/サンタ・プラッセーデ聖堂の装飾事業

    ◆コラム ローマのサンタ・マリア・アンティクア聖堂
  • 2 カール大帝の見た夢

    カロリング・ルネサンス/新しきローマ、アーヘンの宮廷/帝国理念を象徴する宮廷礼拝堂/聖遺物とともに伝播する聖堂建築/写本芸術の百花繚乱/象牙浮彫と金属工芸

  • 3 オットー朝美術――カール大帝の追随者たち

    アーヘン宮廷礼拝堂のその後/大司教ベルンヴァルトのヒルデスハイムの工房/オットー朝の写本挿絵/美術の可能性にせまる試み

    ◆コラム カロリング朝美術とイスラーム
第Ⅱ部 ビザンティン美術 
第4章 ビザンティンとは何か
  • 日本とビザンティン
  • 1 西欧に対する異質さ

    ヨーロッパとビザンティン/「老いることなき知性の建築群」/「一〇〇〇年間変化がなかった」のか?/世紀末における意味

    ◆コラム イスタンブールの聖堂 
  • 2 ビザンティンと「西洋」

    首都と辺境/古代由来の自然主義と神をあらわすための二次元性/ビザンティンの終末論/ビザンティンの不遇/ビザンティン美術概説

    ◆コラム 聖ソフィア大聖堂
第5章 哀しみの美術
  • 1 キリスト神殿奉献

    受難の予告とマリアの哀しみ/カッパドキアの分割された「神殿奉献」/シナイ山の「キコティッサの聖母」/繰り返される受難の予告

  • 2 受難の聖母

    カストリアの「栄光の王」/「受難」と「受肉」/ルネサンスへ描き継がれて3 聖母の嘆き 
    「悲嘆」の誕生/号泣するマリア/わが子を喪う哀しみ

    ◆コラム ラヴェンナの聖堂
第6章 イコノクラスム
  • 1 イコン信仰と偶像崇拝の禁止

    信仰生活の中心/二度にわたったイコノクラスム

  • 2 画像擁護の議論

    礼拝と崇敬/描かれるのは「生けるキリスト」/ロシア人の「憂愁」
    ◆コラム シナイ山のイコン

第7章 写本挿絵
  • 1 写本の約束事

    巻子本から冊子本へ/異時同図法の画面/予型論の表現

  • 2 貴族詩篇

    イメージの連鎖/古代に学んだ擬人像表現/『ヨシュア画巻』と皇帝賛美

  • 3 修道院詩篇

    修道士のための衒学的挿絵/響き合うテキストと挿絵
    ◆コラム シリアの床モザイク――日本で見られるビザンティン美術

第8章 聖堂装飾のシステム
  • 1 絵と絵の関係性が生み出す意味

    総主教ゲルマノスの聖堂象徴論/バシリカ式聖堂の装飾方法/予型論的思考
    ◆コラム テサロニキの聖堂――初期の聖堂

  • 2 ギリシア十字式聖堂の装飾

    ビザンティン聖堂の特異性/ドーム/鼓胴部/ペンデンティヴ/スクィンチ/アプシス/アプシス下部/東壁/東腕天井/南北の副祭室/聖堂の高い壁面/トカル・キリセ旧聖堂/パナギア・ペリブレプトス聖堂/西壁/キリストのさまざまな顔/聖母マリア伝
    ◆コラム テサロニキの聖堂――中期・後期の聖堂

第9章 ある修道院の物語
  • 1 モザイクの金、フレスコの青

    「生きとし生けるものの住処」/コーラ修道院の来歴/レトリックの含意

  • 2 聖母伝サイクル

    わが子の死を知らされるマリア/結婚から受胎告知へ

  • 3 キリスト幼児伝

    母の表情の意味/「幼児虐殺」サイクル/繰り返される母の哀しみ

  • 4 装飾プログラムの謎解き

    治癒祈願の間/墓所礼拝堂/重なり合う三祭司とマギ/「冥府降下」に込められた祈り/大天使ミカエルに導かれる子供/嘆きと慰め
    ◆コラム クレタ派のイコン――日本で見られるビザンティン美術 

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カラヴァッジョの苛烈な写実主義はカトリックの宗教的熱情の昂揚と相まって劇的なバロック美術へ道を拓いた。フランスでは独自の古典主義の下で豪華絢爛なヴェルサイユ宮が造られ、続いて優美なロココ美術が展開する。オランダでは市民層が好んだ風景画や肖像画、静物画など新ジャンルが流行し、レンブラントやフェルメールらが活躍。一方、スペインでは宮廷画家ベラスケスが筆を揮い、一七世紀に絵画の黄金時代を迎えるのであった。

目次
序章
  • 1 ジョゼフ・ライト・オブ・ダービーの《太陽系儀について講義する科学者》
    ――科学を礼賛する絵画から時代を振り返って
    自然科学への熱狂/科学礼賛の行方/社会の変容と美術の世俗化
  • 2 バロックと古典主義 
    規範としてのルネサンス美術/クラシック様式とバロック様式/バロック様式成立の背景/古典主義者たち
  • 3 古典主義からロココ、新古典主義へ 
    ロココ美術の華やかな展開/新古典主義の主役
第1章 イタリアとスペインのバロック美術
  • はじめに
  • 1 カトリック改革と美術 
    カトリック改革の画像戦略/イエズス会と美術の役割/ローマの復興/殉教図サイクル/ローマ二大聖堂の装飾/サン・ピエトロ大聖堂の再生
  • 2 カラヴァッジョとカラッチの改革
    カラヴァッジョ「聖マタイ伝」連作の衝撃/奇蹟の表現に表れた近代性/立ち現れるヴィジョン/《ラザロの復活》と晩年様式/カラヴァッジョ様式の広がり/アンニーバレ・カラッチのファルネーゼ宮天井画/グイド・レーニの活躍/ドメニキーノとランフランコ/グエルチーノのバロック様式と古典回帰/一七世紀後半のボローニャ絵画
  • 3 ローマ・バロック
    ネポティズムの芸術/ベルニーニの総合芸術/ボロミーニの奇想/コルトーナと盛期バロック/バロック的古典主義/後期バロック建築/バロック彫刻の展開/クアドラトゥーラの流行と終焉
  • 4 イタリア諸都市のバロック美術
    ヴェネツィアの衰退とバロック建築/一七世紀のヴェネツィア絵画/一八世紀ヴェネツィアの黄金時代とティエポロ/風俗画とヴェドゥータ/ミラノの三大巨匠/ジェノヴァのバロック装飾/トリノのバロック建築/フィレンツェ改革派とバロック装飾/ナポリのカラヴァッジェスキ/ナポリ派の爛熟/ナポリ建築と彫刻/バロック都市レッチェ/シチリアのバロック
  • 5 スペインのバロック美術
    エル・グレコ/リベラとカラヴァッジェスキ/スルバランとムリーリョ/ベラスケス/盛期バロックの画家たち/彩色木彫とバロック建築
  • ❖コラム 中南米のバロック
第2章 フランスのバロックと古典主義
  • はじめに――一七世紀のフランス美術
  • 1 アンリ四世の都市整備と美術政策
    ブルボン朝のはじまり――アンリ四世の即位/第二次フォンテーヌブロー派
  • 2 マリー・ド・メディシスの摂政時代
    ルイ一三世の即位と母子戦争/一七世紀初めにパリで活躍した画家たち――マニエリスム様式の終焉/マリー・ド・メディシスによる外国人画家の招聘とリュクサンブール宮の装飾/フランスのカラヴァッジェスキ/地方の画家たち
  • 3 ロレーヌ地方の画家たち
    ジャック・ベランジュとジャック・カロ/ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
  • 4 ルイ一三世の時代――文化活動の中心地として力を増してきたパリ
    シモン・ヴーエのパリ帰還/パリ画壇を牽引したヴーエ/宰相リシュリューの芸術政策とパリの文化/フィリップ・ド・シャンパーニュ/ル・ナン兄弟
  • 5 フランス古典主義の展開
    ニコラ・プッサン――ルイ一三世の招聘によるパリ滞在/プッサンの古典主義――理想美の追求/プッサンの古典的風景画/クロード・ロランと理想風景
  • ❖コラム 一七世紀フランスの静物画
  • 6 アンヌ・ドートリッシュの摂政時代と宰相マザラン
    ルイ一四世の即位とフロンド/アティシスムの画家たち/パリ私邸の装飾――ランベール邸/ラ・イールによるジェデオン・タルマン邸の装飾/パリのイタリア趣味/王立絵画彫刻アカデミーの設立
  • 7 ルイ一四世の親政時代
    ルイ一四世の結婚と親政開始/ルーヴル宮の増改築――迷走する東側ファサードの建築計画/シャルル・ル・ブランによるルイ一四世様式の始まり/王立絵画彫刻アカデミーの再編成とローマ賞/ヴェルサイユ宮での祝祭/ヴェルサイユの増改築――ルイ・ル・ヴォーの「包囲建築」/鏡の間(大ギャラリー)の建設
  • 8 王立絵画アカデミーでの色彩論争
    素描派対色彩派/色彩派ロジェ・ド・ピール/色彩派の勝利
  • ❖コラム ル・ブランによる《マナの収集》に関するアカデミー講演会
第3章 一七世紀ネーデルラントの美術
  • 1 オランダ共和国と南ネーデルラント(フランドル)への分裂
    オランダ美術とフランドル美術の区分/オランダにおける宗教美術の禁止と絵画の芸術化・専門分化
  • 2 サーンレダムの教会内観図
    写実的な「教会堂の肖像画」/《セルトーヘンボスの聖ヨハネ大聖堂の内陣》/強調されたカトリック要素/カトリック大聖堂の記憶と記録
  • 3 テル・ブリュッヘンとユトレヒトにおけるカラヴァッジョの画風の展開
    宗教画の需要とブルマールトの活躍/ユトレヒトのカラヴァッジストたち/テル・ブリュッヘンのリアリズム/古様な図像と最新の描写法
  • 4 ルーベンス作《キリスト昇架》と《キリスト降架》
    油彩スケッチから最終完成作へ/人物表現への挑戦/宗教画としての説得力
  • 5 アントーン・ヴァン・ダイク
      ――ルーベンス工房の助手として、イギリスの宮廷画家として
    助手を使った工房運営/ヴァン・ダイクへの評価/肖像画家としての人気
  • 6 歴史画家レンブラントと《夜警》
    オランダの繁栄/歴史画家の肖像画/ルーベンスへの対抗心/集団肖像画の傑作《夜警》/自身の作風を守り続けて
  • 7 フェルメールと風俗画の世界――図像解釈の問題をめぐる議論
    写実画のなかに「隠された」意味/フェルメールの提示した曖昧さ/オランダ画家たちの自負と技巧
  • ❖《コルネーリス・ファン・デル・ヘーストの芸術の間》とアントウェルペンのギャラリー画
第4章 フランスのロココ美術
  • 1 ル・ブランからロココ美術へ――世紀末の歴史画
    ヴェルサイユ宮殿王室礼拝堂の装飾/ラ・フォスの装飾と主祭壇/コワペルの装飾/ジュヴネの装飾/ブーローニュ兄弟の装飾/トリアノンの装飾/素描派の画家たち/色彩派の画家たち
  • 2 ヴァトーの革新――「雅宴画」の周辺
    アカデミー入会/《シテール島の巡礼》をめぐって/タイトルをめぐって/四つの特徴/《ジェルサンの看板》/ヴァトーの後継者たち――雅宴画の展開
  • 3 二つのコンクール――ロココ美術とその批判
    ダンタンの深謀/一七二七年の歴史画のコンクール/結末と画家たち/「ヘラクレスの間」の装飾/一七四七年の歴史画のコンクール/公衆の評価/一七〇〇年代の画家たち/ルノルマンの改革/ロカイユ装飾
  • 4 写実の系譜
    二人の偉大な肖像画家/肖像画の新しい展開/パステルの肖像画/風俗画と静物画/シャルダンの孤高/初期の静物画/中期の人物画/後期の静物画/風景の発見/彫刻の諸相
  • 5 ロココから新古典主義へ
    ヴィアンとギリシア趣味/グルーズの成功と蹉跌/新しい審美的概念の登場――廃墟が生む崇高/フラゴナール――噴出する想像力/風景画の新機軸/ロベールと廃墟/ダンジヴィレと美術/ダヴィッドと歴史画/ダヴィッドのライバルたち/奨励制作の偉人像/女性画家たち
終章 イギリスとスペイン
  • イギリス
    フランス美術の導入/ホガース/レノルズ/ゲインズバラ
  • スペイン
    フランスとイタリアの画家たち/ティエポロとメングス/ゴヤ

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ジョットの登場で新たな芸術が芽吹いたイタリアでは、ヨーロッパ各地の宮廷を席捲した国際ゴシック様式を経て、自然と古代美術に範をとるルネサンスが幕を開けた。覇を競う君主や教皇の下、フィレンツェやヴェネツィアをはじめ各都市で多彩な才能が花開き、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロらの活躍がその頂点を飾る。都市を行き来し、刺激を与え合った芸術家たちの革新的な試みは、どのように結実していったのか。
目次
序章
  • 1 本巻で扱う時代
    「自然」らしさをめざして/「ルネサンス」の言葉の起源
  • 2 「美術の歴史」と「美術史」のはざまで 
    自然と古代の模倣/美術史の揺籃期/神話化されたジョット
  • 3 人間の似姿を描く  肖像画と「芸術家」の誕生 
    ダンテとジョットの肖像画が並ぶ意味/ダンテの発明した「芸術家」
  • 4 後戻りできない美術の発展
  • 5 アルプス以北の美術との交流 
    芸術家の移動と「中心と周縁」/フランドル絵画への敬意
第1章 イタリアの一三〇〇年代美術
  • 1 ジョットと一三〇〇年代美術の幕開け 
    新時代を拓いたジョット/ジョット絵画の革新/画面に見る特徴 
  • 2 ジョットの遺産  一四世紀からミケランジェロまで 
    後世への影響/ジョッテスキと一三四八年以後のフィレンツェ美術/ジョットとミケランジェロ
  • 3 シエナの美術 
    「古きシエナ」から「聖母の都市」の誕生/ノーヴェ体制治下の一四世紀シエナ絵画/都市の「肖像」――都市景観図と風景画の誕生か?
  • 4 各地の新たな気運――ピサ、ボローニャ、パドヴァ、ミラノ
    「中心と周縁」/托鉢修道会の都市進出/一三四八年のペスト流行以降/ピサの美術/リミニ派とボローニャ派/カッラーラ家のパドヴァ/ミラノのヴィスコンティ家
  • 5 「アヴィニョン捕囚」とアヴィニョン派
    「西方のバビロニア」アヴィニョンへの教皇庁遷移/アヴィニョンのイタリア人画家/シモーネ・マルティーニ/ノートル ダム・デ・ドン大聖堂玄関廊装飾/寄進者像をともなう聖母子と記念碑性/「謙譲の聖母」/祝福するキリスト/至福直観への歩みとしての西扉口/「教皇付き画家」マッテオ・ジョヴァネッティ/教皇宮殿装飾/国際ゴシック様式へ
  • ❖コラム ルネサンスにおける素描および素描理論
第2章 国際ゴシック様式(一三七〇年頃〜一四五〇年頃)
  • 1 ロンバルディア美術の繁栄
    ヴィスコンティ家のミラノ公国/フランスの彩飾写本の購入とフランス系画家の到来/国際ゴシック美術の往還的な展開/ジョヴァンニーノ・デ・グラッシとその工房/『ジョヴァンニーノ・デ・グラッシの素描帖』/ミケリーノ・ダ・ベゾッツォ/トレントのブオンコンシリオ城「鷲の塔」の月暦壁画/ピエモンテ地方
  • 2 ヴェネト地方 
    ヴェローナ/ステーフォノ・ダ・ヴェローナ/ピサネッロ/ジョヴァンニ・バディーレとその工房/遍歴画家ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ/ヴェネツィアとヤーコポ・ベッリーニ
  • 3 スカーナ地方とウンブリア・マルケ地方
    ジェンティーレ滞在の影響/ウンブリア・マルケ地方
第3章 一五世紀のイタリア美術
  • 1 不安と好奇心に満ちた時代 
  • 2 術の祖国フィレンツェの革新と多様な試み
    ブルネレスキの新しさと古代の発見/ドナテッロの活躍/マザッチョによる時間的描写と奥行き表現/僧籍の画家アンジェリコ/フィリッポ・リッピの奔放な生涯/ヴェネツィアーノの光の表現/線遠近法への熱中/光の画家ピエロ/シエナ美術のフィレンツェとの接触
    ❖コラム 線遠近法の発明
  • 3 地中海航路の美術
    異なる絵画様式の特別な融合 融合が結晶したパレルモの大壁画《死の勝利》/謎に包まれた制作者と注文主/ペストの擬人像と「死」の表現/アラゴン・シチリア王国文化の反映
  • 4 フィレンツェの大工房 
    ロレンツォ・イル・マニーフィコの時代/ルネサンスの芸術家工房/一四七〇年代以降のフィレンツェの大工房/大工房の親方たち/ヴェロッキオ工房の弟子たち/ボッティチェリとメディチ家/神話画への挑戦/サヴォナローラへの帰依/ギルランダイオ工房の大壁画 ❖コラム ロレンツォ・イル・マニーフィコの美術コレクション
  • 5 ヴェネツィア共和国と美術
    ヴェネツィア共和国の国家体制と美術家たち/ベッリーニ一族/国家の美術  ドゥカーレ宮殿の装飾/ヴェネツィア神話/同信会の装飾絵画/印刷出版と《一五〇〇年のヴェネツィア図》/パドヴァにおける美術活動
  • 6 ルネサンス宮廷と美術 
    マグニフィケンティア ミラノ ミラノ君主としてのスフォルツァ家/レオナルド・ダ・ヴィンチの滞在/ルドヴィーコ・スフォルツァのパトロネイジ マントヴァ マントヴァとゴンザーガ家/アルベルティとサンタンドレア聖堂/宮廷画家マンテーニャ/「夫妻の間」装飾壁画/フランチェスコ・ゴンザーガ、イザベッラ・デステ夫妻とマンテーニャ フェッラーラ ベルフィオーレ宮殿のストゥディオーロ/ボルソ・デステの君主即位/スキファノイア宮殿「月暦の間」/『ボルソ・デステの聖書』/エルコレ・デステの都市計画 ウルビーノ フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロ/フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロの肖像画/ウルビーノのドゥカーレ宮殿/君主の小部屋ストゥディオーロ/宮廷から盛期ルネサンスへ
  • 7 一五世紀の教皇とローマの美術
    ローマ復興/マルティヌス五世/エウゲニウス四世/ニコラウス五世/ピウス二世とパウルス二世/シクストゥス四世/アレクサンデル六世/枢機卿たちのパトロネイジ
    コラム ルネサンスの祝祭・演劇と美術
第4章 盛期ルネサンス
  • 1 一四九〇年以降のフィレンツェ
    評価される画家たち/世紀転換期のフィレンツェ/一四九二年という転換点
  • 2 「偉大なる知性」レオナルド・ダ・ヴィンチ  思索と素描の生涯
    ヴェロッキオの工房にて/《受胎告知》に見るフランドル絵画の影響/ミラノでの活動/鏡文字と鏡の効用/《最後の晩餐》に描かれた使徒たちの動揺/『絵画論』中の創意の行方
  • 3 神のごときミケランジェロ
    彫刻家としての出発/システィーナ礼拝堂/栄光と神話化
  • 4 教皇たちに寵愛されたラファエロ
    ペルジーノに学ぶ/三巨匠のフィレンツェ滞在/完成された〈美しき様式〉
  • 5 一六世紀前半のイタリア
    フィレンツェにおけるメディチ家復権/ローマ劫掠/フィレンツェ占拠から君主国樹立へ
  • 6 マニエリスム美術とその再評価
  • 7 トスカーナにおけるマニエリスム美術
    マニエリスムの萌芽/ヤーコポ・ダ・ポントルモとメディチ家/カルトジオ会修道院大回廊装飾と「ドイツ様式」/カッポーニ礼拝堂装飾/サン・ロレンツォ聖堂内陣席装飾と宗教思想/ロッソ・フィオレンティーノ  トスカーナからローマへ/ローマからフランスへ/コジモ一世の宮廷芸術と「マニエラ」の成熟
  • 8 ローマにおけるマニエリスム美術
    ローマ美術の停滞と芸術家の離散/マニエラの抱卵期  クレメンス七世時代から「ローマ劫掠」へ/マニエラの国際的普及/ローマ復興と「マニエラ」の成熟/ミケランジェロ《最後の審判》と「マニエラ」の普及
  • 9 ヴァザーリと「マニエラ」の理論化
    ジョルジョ・ヴァザーリ『美術家列伝』に見る「マニエラ」/一五世紀の芸術原理/一六世紀「マニエラ・モデルナ」の芸術原理/社会的コードとしての「マニエラ」と「さりげなさ」
  • 10 対抗宗教改革と「マニエラ」の変容
    ミケランジェロ批判/「マニエラ」対「宗教性」/自然主義様式への回帰/宮廷美術の変容――国際マニエリスムへ
    ❖コラム 彫刻と絵画のパラゴーネ(優劣比較論)
第5章 ヴェネツィアの美術
  • 1 ヴェネツィアのルネサンス美術
    一六世紀のヴェネツィア/ヴェネツィア美術の技法と特徴
  • 2 ヴェネツィア美術における主題の問題
    物語画と風景画のあわいで/《嵐(ラ・テンペスタ)》の謎
  • 3 風景を描く 
    古代のアルカディアを求めて/都市を描く  ヴェドゥータの前史/一六世紀の都市表象と政治性/ピクチャレスクな趣向
  • 4 ヴェネツィアの「彩色」と芸術理論
    彩色の画家ティツィアーノ/「彩色」の価値  ヴァザーリの芸術論/ヴェネツィアの芸術論に見る彩色/「質」の違いを描き分ける/ティツィアーノの「完璧な彩色」
  • 5 詩は絵のごとく、絵は詩のごとく 
    見る者の心を動かす/詩人とピュグマリオン願望/女性の肖像と文学的修辞
  • 6 一六世紀後半のヴェネツィア絵画と対抗宗教改革 
    ティントレットのマニエリスム/パオロ・ヴェロネーゼと異端審問/おわりに――ロンバルディアの写実

  • 図版一覧
    参考文献
    索引

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