中央公論 2019年4月号(3月8日発売)定価930円(本体価格861円) 

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文系と理系がなくなる日

平成の痛恨事


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編集後記

2019年4月号【編集長から】

<AI時代、文系・理系にとらわれない教育を>
 先日亡くなった橋本治さんに『福沢諭吉の「学問のすゝめ」』(幻冬舎)という作品があります。この明治初期の大ベストセラーが再び読まれたのは、日本の敗戦後だったそうです。橋本さんは、「どうやら『学問のすゝめ』は、日本人が新しい政治を必要とするその時に読まれるもののようです」とつづっています。
 現在も、明治維新と終戦に続く、時代の転換点といえるでしょう。インターネットやAIの発達によって、社会は大きく変わりつつあります。文系と理系の別にとらわれた旧態依然たる発想では、対応できない。そんな危機感が、これから何を学ぶべきか、という議論の根底にあります。
 今月号の特集は「文系と理系がなくなる日」です。新井紀子さんと上田紀行さんが「文理融合教育でAIに勝つ」と題して対談します。『文系と理系はなぜ分かれたのか』(星海社新書)で新書大賞2位となった隠岐さや香さんにも登場していただきました。
 「必修科目」が増えれば学生は大変だと思いますが、若い人の受け止め方は違うのかもしれません。細谷雄一さんは時評欄で、50歳以上が新しい時代に不安を感じている一方、40歳未満は楽観的だと指摘しています。学ぶことを楽しめれば良いのですが。
 平成の日々も残り少なくなりました。天皇陛下は在位30年記念式典で「憲法で定められた象徴としての天皇像を模索する道は果てしなく遠く」と語られました。象徴天皇のあり方について、政治家も国民もあまり考えずに来たように思います。福沢が皇室の意義を論じた『帝室論』から130年余り。勉強不足に叱責が聞こえるようです。 
 編集長 穴井雄治

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