東京湾を横断するフェリーが発着する小さな港町・金谷を舞台に、約30年に亘って、紡がれる出会いと別れ、そして再生の物語。――愛する妻、大好きな母を失った血の繋がらない父子。挫折し故郷に戻ったバレリーナと、寄り添う書道の先生。映画好きの同級生に恋した女子中学生の一大決心。卒業式間近に親友となった二人の男子高校生。余命宣告を受けた元妻と数十年ぶりに偶然再会した男。彼らを見守るフェリー乗り場の総合案内係・椿屋誠。無機質に見えた彼の心と表情も、人々の出会いと別れに触れ、やがて......。
千葉県出身。2011年、函館イルミナシオン映画祭第15回シナリオ大賞で最終候補作に残る。15年、『海の見える花屋フルールの事件記 ~秋山瑠璃は恋をしない~』でデビュー。著作多数。2021年、『さよならの向う側』が話題になり、連続ドラマ化も決定した。近著は『さよならの向う側‐i love you‐』。故郷である千葉への想いが強く、作品舞台にも色濃く反映されている。今、もっとも注目を集める若手作家のひとり。
臆することはない。一歩を踏み出そうと前向きな気持ちになる。数々の別れが私を支えてくれていることに気づいた。
不安な心に寄り添い、踏み出す一歩に勇気を与えてくれる素敵な、素敵な小説てした。
息苦しい毎日にそっと差し込む一筋の光のような、とても優しく、とても眩しく、とても温かい作品でした。
人の強さと優しさは、こんなにも美しいものなのだ、と思いました。
登場人物たちの流れゆく、遥かな人生をしみじみと眺め、その出会いと別れがいつしか私の心に泌みました。
本当に温かみのある作品で、読んでいてほっこり。新しい一歩を踏み出す勇気をもらいました!
読み終わり、周りの風景が違って見えました。優しさに心が癒されました。ああ、アジフライが食べたい!
出逢いと旅立ち。人生そのものがいつも旅立ちの岐路に立たされているのかも知れない。ラストの風景は本当に美しく目に浮かぶようでした。
自分の過去の経験に物語が染み渡り、涙無しには読めない作品集でした。第1話と第5話は、特に忘れられない物語となりました。
呪文のような章題、年月をかけた仕掛けの意味がわかったとき、涙と共に温かい気持ちになりました。
人生には出会いと別れがあり、いろいろな出来事がおこるけど、人は強いと感じられる作品でした。
私の人生にも出会いと別れが多々あり、それらを振り返ってみるよいきっかけになりました。「だいせんじがけだらなよさ」は、私の人生のおまじないにしたいと思います。
長い時を経て、ストーリーがひとつに繋がった時、皆の想いも繋がり、優しい世界が広がる。出会いに感謝したくなる本です。
これからずっと先の未来へ咲き続ける花のように、美しく心に染み渡る言葉に出会える物語。