「スキマの植物」写真コンテスト優秀作発表
中公新書『スキマの植物の世界』(塚谷裕一著)の刊行を記念して、「あなたが撮ったスキマの植物」写真を募集しました。遠くはカナダから、また若きは5歳のお子さんから、多くの方に御応募いただきました。ありがとうございます。可憐なもの、力強いもの、意外なもの、驚かされるもの等、バラエティに富んだ作品が集まり、選考は困難でしたが、著者・編集部で優秀作品11点を選びましたので発表します。優秀作の方には、オリジナルグッズ(ボールペンまたはトートバッグ)をお送りします。また、その他の方にも参加賞として中公新書オリジナルブックカバーをお送りします。どちらも7月末を目途にお送りしますが、8月になっても届かない場合は sukima@chuko.co.jp または 03-5299-1830 にご連絡ください。
最優秀賞
特別賞
先生からひとこと
ニッチマン

カタクリとは珍しい。良いものを見つけられました。石垣のスキマに生えてくれたおかげで、花を下からすくうように撮影できた利点が、写真にもうまく活かされています。本来は落葉樹の林床に生える植物ですが、タネが上の方からこぼれてきたか、あるいはカタクリのタネにもエライオソームがありますから、アリが運んだのかもしれませんね。

先生からひとこと
谷道まや

モミジバスズカケノキですね。もはや、どっちがどっちのスキマか分からない状態です(笑)。柵の手すりを掴んでいるだけでなく、よく見ると柵そのものを既に飲み込んでいますね。楽しいものを発見されました。

優秀賞  hiyoko(・θ・)

キランソウ、春の訪れを感じさせる野草の1つですね。以前は畑の近くや空き地でよく見かけましたが、最近、都市部ではずいぶん減りました。光の色と影から、日だまりに咲くこの植物の特徴を良く捉えていると思います。

優秀賞  笛ふるる

延々と続くスミレの群れをよく発見されました。スミレやノジスミレ、ヒメスミレなどが都市部のアスファルトの割れ目に沿ってこうやって繁殖していく姿は時々見かけますが、花の最盛期に撮影チャンスを得ることはなかなか難しいものです。ちょうど満開の時期ですね。ピントが手前の花に合っているとさらに良かったと思いますが、画角が大胆で楽しい写真です。

優秀賞  大口敦子

木のうろの形の面白さ、さらにそこにヒメスミレが咲いているという組み合わせがみごとです。ヒメスミレがもう少しぱっちり花を開いているときに出会わせたら文句なしのところでしたが、そこがこういう自然のものの撮影の難しさですね。よいものを見いだされました。

優秀賞  乾美也子

ツタバウンランはスキマの常連。よくいろいろなスキマで見かけますが、これは岩の質感と良くマッチした一枚ですね。花もちょうど盛りの時期で、本来の姿を良く現した写真となっています。

優秀賞  中村一美

サフィニアのようですね。株が育ってようやく花が咲き出したばかりのういういしい姿を、引いた構図でかわいらしく表現されています。周りが敷石で固められた中で、柱の根元という憩いのスキマにくらす感じが、影の位置の絶妙さもあって、良く出ていると思います。

優秀賞  伝言

マツヨイグサが夕刻になってから咲くようすが、青みの強いカラーバランスの中で良く表現されています。しぼんだ花が黄色から朱赤に変化することもちゃんと写真に示されていて、この種類の特徴がよく分かります。周りを縁取るように生えているのはカニクサですね。

優秀賞  Happea-nyanko

ウラジロチチコグサの小株のようですね。構図といい、蓋に見える文字といい、うまくはまった写真だと思います。撮影者の観察眼が伺える楽しい写真です。

優秀賞  津島千里

ヒメオドリコソウもスキマの常連。春先、日だまりとなるスキマに生えるようすを、周りの風景も含めてよく捉えていると思います。色調もこの種類の特徴を良く伝えています。

優秀賞  沙理維

スキマで発芽したばかりのアサガオ。ちょっと誰かに踏まれた形跡もありますが、かすり傷程度で済んだようで、双葉もきちんと開いたところですね。スキマでの暮らしのスタートポイントを捉えている点、観察眼の活きた写真だと思います。

「スキマの植物」写真コンテスト優秀作発表