ラスト・コード
初版発行日:2012/7/25
判型:四六判
ページ数:384ページ
定価:本体1500円(税別)
ISBN978-4-12-004403-8
あらすじ

ヘタレ新米刑事とわがまま天才少女の前途多難な逃避行!

父親が惨殺され留学先のアメリカから帰国した美咲。渋谷中央署の筒井は彼女を羽田で迎えるが、その帰路、何者かに襲撃される。しかし、それは序章に過ぎなかった。犯人の標的は筒井? それとも美咲?

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著者に聞く『ラスト・コード』大解剖!
「ラスト・コード」で一番書きたかったシーンはどこですか?
ラストシーンです。基本的には、別れと再会(再生)の物語なのですが、その象徴にしたいと思いました。
この作品で堂場さんが遊んでみたことは?
ヒロインが14歳ということだけで、十分過ぎるほど遊んでいると思います。主人公の筒井が若くてヘタレているのも、堂場にしては珍しいですね。
主人公・筒井(ヒロイン美咲も)が堂場作品の中では若いですね。書いていて楽しかったことは?
感覚が少し若くなったかな? 筒井はともかく、美咲は結構老成していますが。
美咲のツンデレっぷりにやられる読者が続発してますが、モデルはいますか?
若い女の子ヒロインは初めてでは?
例によってモデルはいません。自分と一番縁遠い世代なので、想像するだけでも難儀でした。思考パターンなんか、分かりませんよね。
小野寺冴とあの男が重要な役回りで登場しますが?
この件は、『七つの証言』で予言していましたね。意外に早く(作者の感覚としてもかなり早く)再登場となりました。冴に関しては、これまであまり見せなかった一面がでていると思います。
各キャラクタの裏設定があれば教えてください
筒井はヘタレに見えて、やっぱりヘタレ。美咲は、老成しているように見えて実は子ども。冴のちょっとした優しさ。裏表がないのは、例によってあの人だけです。
堂場さんは、もし車で追いかけられたらどうしますか?
その時自分が乗っている車の性能によります。ファミリーカーだったら即刻諦めます。
「逃避行」といわれて思い浮かぶ小説や映画はありますか?
『深夜プラス1』(ギャビン・ライアル)にとどめを刺します。いつかあんな話を書いてみたいと思いつつ、時代背景の違いなどもあるので、無理かなあ。
堂場作品のファンの方と、今回初めて堂場作品に初めて触れる読者にそれぞれ一言ください。(お約束ですが)
これまで鳴沢シリーズなどを読んでいただいた方は、びっくりして下さい。初めて読む方、これは堂場の一面に過ぎませんので、誤解なさらないように(笑)。
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書店員さんのコメント

扱いづらい思春期の少女を守る。この世で最も面倒なことをしょいこんだ筒井刑事がカッコイイ!巨大な事件に翻弄されながら逃げるふたりをお馴染みのメンバーが助けるって、どれだけワクワクするエンターテインメントなんだ!
少女を懸命に守ろうとする筒井刑事に思わず熱いものがグッとこみ上げてきます!
うつむかずに前を見て走るふたりに声援を送りたくなる小説です。ひとりの刑事の執念が巨大な事件を切り崩していく。俺が美咲でも筒井には惚れるね!
(文教堂書店三軒茶屋店 中川浩成さん)

生意気な女子中学生とはぐれ刑事の逃避行に、警察内部の暗闘がからむ重層構造のスリリングなドラマ。おなじみ鳴沢了もさすがの存在感を示し、最後まであっというまに読み終わりました!
(八重洲ブックセンター本店 内田俊明さん)

疑心暗鬼。 見えない不透明さ。 誰を信じればいいんだろう。私が筒井だったらすぐに音をあげてしまうような逃亡劇。そんなことを考えながら読みましたが、筒井の少し不器用でどこ か投げやりな態度の中に、優しさと信念が見え隠れします。
-どれだけ長く生きるかじゃなくて、どう生きるかが問題じゃないか-
-誰かが傷つくのは見たくない-
そんな筒井の真っ直ぐな言葉もいい。
読了後、少しだけ何かが変わるかも知れません。
さぁ、ラスト・コードを堪能せよ!!
(明正堂アトレ上野店 櫻井邦彦さん)

「『大人になると分かるよ』っていうのは間違いじゃないけど、 大人にならなくたって、大人の事情を分っちゃったね、美咲ちゃん」 食えない若い娘が改心するくらい、筒井刑事が魅力にあふれてます! 鳴沢了は相変わらずかっこよすぎますが...。
(文教堂書店浜松町店 大浪由華子さん)

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