2022 04/11
中公新書の60年

2017年の中公新書

日本軍兵士310万人に及ぶ日本人犠牲者を出した先の大戦。実はその9割が1944年以降と推算される。本書は「兵士の目線・立ち位置」から、特に敗色濃厚になった時期以降のアジア・太平洋戦争の実態を追う。異常に高い餓死率、30万人を超えた海没死、戦場での自殺と「処置」、特攻、体力が劣悪化した補充兵、靴に鮫皮まで使用した物資欠乏......。勇猛と語られる日本兵たちが、特異な軍事思想の下、凄惨な体験を強いられた現実を描く。アジア・太平洋賞特別賞、新書大賞受賞

吉田裕(よしだ・ゆたか)1954-。歴史学者。一橋大学名誉教授

この年のできごと1月 稀勢の里、横綱に昇進。日本出身力士では19年ぶり
2月 大阪・森友学園への国有地の格安売却が判明
同月 プレミアム・フライデー実施
6月 上野動物園でパンダのシャンシャンが誕生
同月 「テロ等準備罪」を新設する組織的犯罪処罰法改正案が成立
10月 カズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞

この年のラインナップ今井宏平著『トルコ現代史』
小山聡子著『浄土真宗とは何か』
平野久著『タンパク質とからだ』
高良倉吉編著『沖縄問題』
本川達雄著『ウニはすごい バッタもすごい』
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井出穣治著『フィリピン―急成長する若き「大国」』
和田裕弘著『織田信長の家臣団』
白波瀬達也著『貧困と地域』
深井智朗著『プロテスタンティズム』
天野郁夫著『帝国大学―近代日本のエリート育成装置』
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斎藤泰弘著『カラー版 ダ・ヴィンチ絵画の謎』
稲葉陽二著『企業不祥事はなぜ起きるのか』
武田徹著『日本ノンフィクション史』
中北浩爾著『自民党―「一強」の実像』
前田正子著『保育園問題』
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笹原宏之著『謎の漢字』
楠木新著『定年後』
福間詳著『ストレスのはなし』
鈴木紀之著『すごい進化』
桜田美津夫著『物語 オランダの歴史』
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三村芳和著『カラダの知恵』
佐藤信之著『通勤電車のはなし』
小野寺史郎著『中国ナショナリズム』
武田尚子著『ミルクと日本人』
秋吉貴雄著『入門 公共政策学』
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マーク・マゾワー著/井上廣美訳『バルカン―「ヨーロッパの火薬庫」の歴史』
藤井一二著『大伴家持』
桃井治郎著『海賊の世界史』
亀田俊和著『観応の擾乱』
水越武著『カラー版 最後の辺境―極北の森林、アフリカの氷河』
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渡辺克義著『物語 ポーランドの歴史』
吉原祥子著『人口減少時代の土地問題』
大竹文雄著『競争社会の歩き方』
池内紀著『闘う文豪とナチス・ドイツ』
真野俊樹著『医療危機―高齢社会とイノベーション』
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日本再建イニシアティブ著『現代日本の地政学』
藤原辰史著『トラクターの世界史』
榎村寛之著『斎宮―伊勢斎王たちの生きた古代史』
カレン・アームストロング著/小林朋則訳『イスラームの歴史』
山崎史郎著『人口減少と社会保障』
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磯田道史著『日本史の内幕』
石野裕子著『物語 フィンランドの歴史』
瀧浪貞子著『光明皇后』
植村和秀著『折口信夫』
中村圭志著『聖書、コーラン、仏典』
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渡辺正峰著『脳の意識 機械の意識』
服部英雄著『蒙古襲来と神風』
工藤隆著『大嘗祭―天皇制と日本文化の源流』
小川剛生著『兼好法師』
倉本一宏著『藤原氏―権力中枢の一族』
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吉田裕著『日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実』
アリステア・ホーン著/大久保庸子訳『ナポレオン時代』
佐藤彰一著『剣と清貧のヨーロッパ』
関満博著『日本の中小企業』