2021 07/05
中公新書の60年

1984年の中公新書

元禄御畳奉行の日記尾張徳川家に二百五十年間秘匿されてきた『鸚鵡籠中記』という稀有の日記がある。筆者は御畳奉行朝日文左衛門。知行百石役料四十俵、元禄に生きた、酒好き女好き芝居好きのありふれた侍だが、好奇心旺盛で無類の記録マニア、当時の世相を赤裸々に書きとめて倦むことなく、二十七年に及ぶ。文左衛門の記述を読み解いていくと、華やかなイメージとは裏腹な、滑稽と悲惨が渦巻く、元禄の真の時代像が浮かび上がってくる。

神坂次郎(こうさか・じろう)1927-。作家

この年のできごと1月 アップルコンピュータが初代Macintoshを発表
2月 マイケル・ジャクソン、グラミー賞で8冠
3月 江崎グリコ社長誘拐事件。グリコ・森永事件の発端となる
7~8月 ロサンゼルス五輪。陸上男子でカール・ルイスが4冠
10月 コアラ初来日。東京・多摩動物公園、名古屋・東山動物園、鹿児島・平川動物公園で公開
11月 新紙幣発行。千円札は夏目漱石、五千円札は新渡戸稲造、一万円札は福澤諭吉

この年のラインナップ角山栄著『時計の社会史』
林瑞枝著『フランスの異邦人』
篠田有子著『母と子のアメリカ』
辻村明著『地方の誇り』
黒岩徹著『豊かなイギリス人』
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渡辺淳著『パリの世紀末』
曽村保信著『地政学入門』
飯田鼎著『福沢諭吉』
川崎寿彦著『楽園と庭』
尾高邦雄著『日本的経営』
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八幡和郎著『フランス式エリート育成法』
坂本藤良著『幕末維新の経済人』
大橋良介著『時はいつ美となるか』
石井美樹子著『中世劇の世界』
林周二著『経営と文化』
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古森義久/近藤紘一著『国際報道の現場から』
陳高華著『元の大都』
田中恭子著『シンガポールの奇跡』
小山修三著『縄文時代』
小笠原恭子著『出雲のおくに』
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石川好著『カリフォルニア・ナウ』
林紘一郎著『インフォミュニケーションの時代』
五十嵐一著『音楽の風土』
種村直樹著『駅を旅する』
岩坪昤子著『ヒマラヤ診療旅行』
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神坂次郎著『元禄御畳奉行の日記』
綾部恒雄著『文化人類学15の理論』
金両基著『ハングルの世界』
小山文雄著『明治の異才 福地桜痴』
小林正文著『ヒトラー暗殺計画』
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志水速雄著『日本人のロシア・コンプレックス』
林雄二郎/山岡義典著『日本の財団』
松永伍一著『ペトロ岐部―追放・潜入・殉教の道』
伊藤幹治著『宴と日本文化』
斎藤勇著『カンタベリ物語』
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須見裕著『徳川昭武』