それをAIと呼ぶのは無理がある

支倉凍砂 『狼と香辛料』(電撃文庫)

ちょっと未来の日本――
生まれたときからAI端末がそばにあった
「AIネイティヴ」の五人の主人公たちが、
「完璧な相棒」にも解決できない恋や夢に直面し、
迷いながらも進んでいく姿が、等身大で描かれます。

「まるで友達みたいに話しかけている姿は......確かに、親たちが不気味がるかもな」――浩太
「まさか人生初のAIが、幼馴染のクローンとは」――裕彦
「AIは自分を映す鏡であり、大好きなAIとは自分がそうなりたいと思う姿にほかならない」――かなで
「人間なんて要らないのだ。現実であくせくしたり、やきもきしたりする必要はない」――さくら
「そんな物分かりのよさは、AIに任せておけばいい。自分は人間なのだ!」――小春
支倉凍砂が初めて挑む近未来青春小説

それをAIと呼ぶのは無理がある

支倉凍砂

単行本 刊行日:2020/11/25 定価:本体1500円(税別) 四六判ソフトカバー256p カバーイラスト:丹地陽子 カバーデザイン:大岡喜直(next door design)
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著者:支倉凍砂(はせくら・いすな)

1982年生まれ。作家。2005年、『狼と香辛料』で第12回電撃小説大賞銀賞を受賞しデビュー。そのほかの作品に小説「マグダラで眠れ」「狼と羊皮紙」の各シリーズ。また、サークル Spicy Tails を主宰し、ノベルゲーム『WORLD END ECONOMiCA』やVRアニメ『Project LUX』の制作なども行っている。

  • まさに理想とするAI共存社会!
    AIとの共存ってどうしても人間が何もしないで良い社会となりがちだけどこの未来は良い!
    未来のあったら良いなあを具体化していてワクワクしました。
    AIとの共存に夢を与えてくれる作品!
    いつの時代でも使いこなすのは人間ということなのかも。
    さくらとひーちゃん、ほのぼのしました。
    いつの時代も青春は青春なんだなぁ......

    文真堂書店ビバモール本庄店 山本智子さん
  • 世の中のAIが今以上に身近になって来たら......。
    1人にひとつのAIになって、多種多様な形で自分たちの生活に溶け込んでいたら。
    学習して、人以上に人らしく生きて......。
    この作品は近未来の現実のような物語。
    予言書に近いのかもしれない。
    そんな未来を少しだけ体験できる楽しさが詰まっています。

    紀伊國屋書店笹塚店 小川由起さん
  • 生まれた時からAI端末が傍にいて様々な相談に乗ってくれる。
    すぐにでも実現しそうな物語は受け入れやすく楽しく読了しました。
    自分の心の中の声と話す感覚のようなAI端末。
    それらに相談しながらやっぱり人との関わり合いに悩む姿はまさに等身大の青春物語。
    読後感も爽やかで楽しく読めます。

    明林堂書店 大分本店 多田由美子さん
  • やっぱり"人間"って不思議な生き物なと思いました。
    いくらAIが良くできていても人間の"感情"は人間しか反応できないんですね。
    少し先の未来のお話は改めて人と人とのあたたかい関係を再確認させてくれました。

    ブックランドフレンズ 西村友紀さん
  • AIと暮らす未来がページの向こうに透けてみえるようだ。心の拠り所(オアシス)であるかもしれない...なんだか思ったよりいい未来が待っている気がしてきた。自分が高校生でAIがいつもそばにいたら...新鮮な視点で楽しめる、夢物語のようなリアリティ。人生の主人公は誰?と胸に問いながら...。

    うさぎや矢板店 山田恵理子さん
  • とても読みやすい青春恋愛ライトSFです!
    AIがアバターという形をとって個人のサポートをする世界、意外とそんなに遠いことではないのかもしれません。
    作中では高校生たちは実に自然にアバターを扱っていましたが、こんなに扱いやすいものができてしまったら、若い世代だけではなく、大人でさえ手放せないものになるのではないかなあ、と思いながら読みました。
    AIの発達による未来を描く作品は、なんとなくあまり明るい未来を描いていないものが多いような印象がありますが、この作品はAIへの夢が込められていると思うのです。

    よむよむ坂戸入西店 阿部千鶴子さん
  • AIとあるから難しいと思っていたが、1つのツールとしてのAIであり、現在のスマホのようにAIも身近なツールになった世界を読めて楽しかったです。
    登場人物がつながっている連作短編は大好きなので読んでいてワクワクしました。
    私もAIそばにおきたい......。

    宮脇書店ゆめモール下関店 吉井めぐみさん
  • AIと共存する世界。ほんの少し前まで遥か先の未来のことかと思っていたけど、気付けば自分のすぐ近くのことなのかと慌ててしまった。
    自分の好みを把握し、自分のことを誰よりも理解してくれる存在。
    人工知能か人間か私には確かめる術はないけど、SNS上だけで繋がっていて【仲のいい友達】とAIって近い存在なのでは。
    SNSに入り浸りすぎて現実との境目がないままだと、現実が息苦しく感じ、自分自身が現実世界で生きる自分を殺すことになるのと同じ危うい一面もあり、SNS上での友人たちが私の悩みをさりげない一言で解決に導いてくれることもある。
    きっと誰もが孤独だから自分を肯定してくれる存在を欲している。
    AIは私たちの生活をよりよくするためだけでなく、心の隙間を埋めてほしい誰かの気持ちから生まれたのかなと想像しながらの読了後、大げさでなく目の前の世界がクリアに見えた。

    明林堂書店 ゆめタウン大竹店 船川梨花さん
  • 繋がりって何? この作品を読み終えて真っ先に思ったことです。
    ここに登場する高校生達の世界は、AI(人工知能)が当たり前になっている世界。現代も生きる私たちに警鐘を鳴らしつつも明るい未来に向かっていこう!というメッセージが込められている素敵な物語。若い世代にはもちろん、幅広い世代にも共感できるんじゃないかなと感じました。
    こんな未来も訪れるかもしれないけど人間として生きていくために必要なものを教えてくれます。

    明林堂書店神宮店 大塚亮一さん
  • 人間のように考える機械、AIが当たり前にある生活。
    正直少し怖いイメージでした。
    でもこの物語に出てくるAI達には持ち主に対する愛情や迷い......多くの感情を感じました。もはやAIじゃない。AIと呼ぶには無理があるとタイトルをつぶやいてしまう程。恋に夢になかなか前に進む一歩を踏み出せないキャラクターも魅力的でした。
    様々なモノがオートメーション化していく今。人間にしか出来ないことが少なくなっていくかもしれない......だけどこんな感情豊かで希望に満ちた物語を描けるのは今も、きっと未来も人間にしか出来ないことだと強く思いました。

    うさぎや宇都宮駅東口店 矢口留利さん
  • AIがここまで日常に入り込んできたら、きっと青春のカタチも人を想う気持ちとか、違った風景になっていくのだろうなと思います。
    これからの未来を思い浮かべながら読むというのも、なかなかワクワクする読書体験でした。

    有隣堂藤沢店 佐伯敦子さん
  • AIと共存する時代。1人1台のスマホならぬ1人1体のAI。近い未来、本当にこうなるのでは?と思い憧れを感じながらワクワク読みました。
    今でも問題視されているネット依存、スマホ依存。未来はAI依存という言葉が誕生してそうです......。
    「AIがあれば友達なんていらない。学校に行く意味がない。」きっと近い未来、そう思う人も出てくるはず。そんな人達にこそ読んでもらいたい一冊です。
    どんなに便利になった世の中でも、どれだけ生活の中にAIが必要不可欠だとしても、彼、彼女たちが求め大切にしているのは「AIには生みだせない」ものなんだなと。人間って、すごいですね。

    未来屋書店碑文谷店 福原夏菜美さん
  • 私にAIの相棒がいたら、どんな姿だろう。どんな性格だろう。AIのために自分が変わろうとするだろうか。恋や仕事の悩みを聞いてもらったりするだろうか。
    AIがいるのが普通となった世界の学生たちの日常、とても面白かったです。AIが日常的に存在する世界はとても豊かで、でも人間としての悩みや葛藤は解消されるわけではなくて、皆それぞれ生き方や他人との関り方を模索している姿はとてもまぶしく見えました。

    ビッグワンTSUTAYAさくら店  阿久津恵さん
  • AIとの生活が当たり前になった世界を、まるで見てきたかのように書かれていてリアリティありまくりでした。
    青春の悩みも、AI世代らしい考え方や行動で、アナログ世代の私には想像もつかないことばかり。
    「きっとこんな未来がくるんだろうな‥」と思わせるお話でした。
    面白かったです!

    明屋書店厚狭店 小椋さつきさん