つのだじろう 著
雪おんな、耳なし芳一など、小泉八雲が生き返らせた民間伝承十五編を収録。恐怖漫画家つのだじろうの筆で贈る戦慄の怪異短篇集。『怪談』(Kwaidan)は小泉八雲(ラフカディオ・ハーン、西暦一八五〇~一九〇四年)の手になる短篇小説集である。明治三七(一九〇四)年、アメリカとイギリスで出版され、大正一五(一九二六)年『小泉八雲全集』第七巻(第一書房)に翻訳が収録された。『古今著聞集』などの古典や民間説話に取材した怪談奇話一七篇と昆虫研究三篇を収める。 本全集への収録にあたっては、八雲のほかの著作集『骨董』『天の川綺譚』『明暗』『霊の日本』からも適宜作品を採り入れ、再編集を施した。
2021/7/8 刊行
酒井美羽 著
色男丹次郎をめぐり許嫁と芸者が繰り広げる恋と笑いと人情の万華鏡。当時の女性読者を熱中させた為永春水の人情本を漫画化。『春色梅児誉美』は為永春水(寛政二~天保一四[西暦一七九〇~一八四三]年)の手になる人情本で、刊行は天保三~四(一八三二~三三)年。四編一二冊。鎌倉恋ヶ窪(新吉原)の遊女屋唐琴屋の養子で色男の丹次郎をめぐり、許嫁と女芸者が繰り広げる恋の意気地と達引を描く。写実的に描かれた江戸下町の自然風俗を背景に、会話を主とした場面を次々と積み重ねてゆく物語構成、抒情的で濃厚な男女交情の描写により大衆をおおいに惹きつけた。また、自らの意志で行動する作中の女性たちは、若い女性読者の羨望と共感を呼び、女性の生き方を描いた最初の江戸小説と評されている。
2021/7/8 刊行
古谷三敏 著
大真面目にして少し珍妙、浮世の人情髪結床。庶民の社交場を舞台に江戸下町の雰囲気を写し取る、式亭三馬の代表作を再現。『浮世床』は式亭三馬(安永五~文政五[西暦一七七六~一八二二]年)による江戸滑稽本の代表作である。江戸浅草に生れた三馬は一八歳で戯作の執筆を始めた。寛政の改革期に筆禍事件に巻き込まれるとかえって文名は高まり、文化七(一八一〇)年には仙方延寿丹の売薬店を開業、翌年に売り出したおしろいのはげぬ薬「江戸の水」は大評判となり、さらに本業でも『浮世風呂』などによって人気を高めて、山東京伝と並び称されるようになった。
2021/7/8 刊行
土田よしこ 著
滑稽旅行話の典型として多くの模倣作を生んだ『東海道中膝栗毛』は十返舎一九(明和二~天保二[西暦一七六五~一八三一]年)の手になる滑稽本で、発端、初編から八編までの一八冊からなる。初編の「浮世道中膝栗毛」は享和二(一八〇二)年に、八編の上中下が文化六(一八〇九)年、発端が実は一番遅く文化一一(一八一四)年に刊行されている。 栃面屋弥次郎兵衛と元旅役者の喜多八が伊勢参宮を思い立つことから始まる東海道の旅は行く先々で失敗や滑稽談を重ね、併せて街道筋や市中の風俗が描かれる。
2021/7/8 刊行
木原敏江 著
情愛が昂じて怪奇を成す物語。上田秋成の幻想美が繊細な筆致で甦る。「菊花の約」「浅茅が宿」「吉備津の釜」「蛇性の婬」の四篇。『雨月物語』は上田秋成(享保一九~文化六[西暦一七三四~一八〇九]年)の手になる怪談小説集で初稿は昭和五(一七六八)年に成立したが推敲を重ね、出版されたのは八年後の安永五(一七七六)年。漢文による序と五巻九篇からなり、中国白話小説によって、想を構えた。白話とは口語文のことで、秋成は原作の持つ話術を洗練し、物語の幻想的な場面を生かした流麗な文章の雅文で綴っていくなかで、軽薄な世間に対する警告の意味をも含ませた。
2021/7/8 刊行
里中満智子 著
表題作ほか「女殺油地獄」「鑓の権三重帷子」「曾根崎心中」を収載。最高の戯曲作家近松が書きあげた悲恋四篇を長篇ロマンの名手が情念豊かに描く。
2021/5/10 刊行
黒鉄ヒロシ 著
武士道といふは…、武士道といふは…、武士道といふは…!? 屈指のギャグ漫画家の前人未到の試み!! 黒鉄ヒロシが真面目に遊ぶ「武士道」の精髄。
2021/5/10 刊行
矢口高雄 著
俳聖芭蕉が風雅の新境地を開いた「みちのく」の旅の記録。旅路での出会い、数々の名句が生まれてゆく過程を、こまやかな情景描写とともに描きあげる。
2021/5/10 刊行
牧美也子 著
自由恋愛が禁じられた封建制下、打算もなく一途な愛を貫いた五人の女たち……。お夏と清十郎の密通など、事実に材をとった西鶴の代表作を華麗に描く。
2021/5/10 刊行
安彦良和 著
『三河物語』は、徳川家康、秀忠、家光の三代にわたって仕えた旗本大久保彦左衛門忠教が著した、家訓の書ともいうべき性格をもつ軍記物語。三巻三冊。元和八(西暦一六二二)年に草稿が成立し、寛永三(一六二六)年頃まで補訂が続けられた。
2021/5/10 刊行
小島剛夕 著
『信長公記』は織田信長側近の太田牛一が自身の日記を基に綴った信長の克明な一代記で、巻首を含む一六巻からなり、伝記として最も信頼性の高い史料である。『信長公記』に描かれた信長の半生を、鬼才絵師が奔放に描く。
2021/3/9 刊行
やまだ紫 著
室町から江戸時代初期にかけて、わかりやすい散文の短篇読み物が多く書かれ、それらは一般に「御伽草子」と呼ばれた。大坂の書肆渋川清右衛門が、そのうちの二三作品を『御伽草子』または『御伽文庫』と称して江戸中期までに出版したと推定される。本書では、その中から童話的色合いが濃い「ものくさ太郎」「一寸法師」など六篇を収載。やまだ流〝世にも不思議な物語をお楽しみください。
2021/3/9 刊行
さいとう・たかを 著
鎌倉幕府の滅亡から足利二代将軍義詮が没するまでの動乱の世を、社会の全体像を視野に入れつつ書き記そうと試みた軍記物語の傑作を、劇画界の第一人者が、独特の筆致で活写!
2021/3/9 刊行
さいとう・たかを 著
楠木正成や佐々木道誉に代表される新しい人間像―伝統的な秩序を乗り越えて自己の欲求実現を追求する行動的な人間―をいきいきと描き、『平家物語』と双璧をなす軍記物語の傑作を、劇画界の第一人者が迫真の筆致で活写!
2021/3/9 刊行
さいとう・たかを 著
半世紀にわたって繰り広げられた南北朝の内乱は、社会の諸階層を巻き込み、きわめて広い地域に及んだかつてない大規模なものであった。『太平記』は、鎌倉幕府の滅亡から足利二代将軍義詮が没するまでの動乱の世を、社会の全体像を視野に入れつつ書き記そうと試みた作品である。『平家物語』と双璧をなす軍記物語の傑作を、劇画界の第一人者が迫真の筆致で描く!
2021/3/9 刊行
バロン吉元 著
自然観、人生観、恋愛観から有職故実にいたるまで知識人兼好が縦横無尽に綴る随筆文学の傑作、絶妙のタッチで奇跡の漫画化! 中世の人々の心のありさま、理想をかいま見る。
2021/1/8 刊行
竹宮惠子 著
頼朝の死。頼家、実朝の暗殺。政子が鎌倉の長となり、北条による執権政治が始まる。御家人の動静をきめこまかに追いながら武家政権確立の時代を描く。
2021/1/8 刊行
竹宮惠子 著
御家人の粛清、公文所、問注所の設置と鎌倉幕府開設への準備を着々と進める頼朝にとって最後の障碍は、平氏追討に大功を立てた義経の存在だった...!?
2021/1/8 刊行
竹宮惠子 著
日記体で記された鎌倉幕府の公用記録書を、稀代のストーリーテラーが物語化。躍動感溢れるタッチで中世武家社会を描き、源頼朝の実像に迫る。
2021/1/8 刊行
いがらしゆみこ 著
後深草院の後宮二条が、みずからの半生を綴った日記・紀行文学。鎌倉中期の宮廷で、ややもすれば退廃的な宮廷の世界で数奇な体験を重ねつつも、自己を確立し成長していく二条――。その生き様は、七〇〇年の歳月を経た今日でも鮮烈な印象を与えずにはいられない。
2020/11/9 刊行
横山光輝 著
『平家物語』は、冒頭に置かれた「諸行無常」「盛者必衰」の言葉が示すとおり、無常観を主題に平家一門の栄枯盛衰を描いた軍記物語の最高傑作である。下巻では木曾義仲の上洛以降から平家一門が壇ノ浦で滅亡するまでを描く。
2020/11/9 刊行
横山光輝 著
清盛が太政大臣の位をきわめて十三年後、ついに反平家の勢力が結集した――。後白河院、清盛、頼朝の権力闘争を軸に揺籃の時代を描く一大叙事詩。本全集では、清盛昇進の過程を明らかにするため、原典では略されている保元・平治の乱にも多く頁を割いた。中巻では園城寺の山門牒状から平家の福原落ちまでを描く。
2020/11/9 刊行
横山光輝 著
『平家物語』は、冒頭に置かれた「諸行無常」「盛者必衰」の言葉が示すとおり、無常観を主題に平家一門の栄枯盛衰を描いた軍記物語の最高傑作である。本全集では、清盛昇進の過程を明らかにするため、原典では略されている保元・平治の乱にも多く頁を割いた。上巻では平家の台頭から以仁親王による平氏追討の令旨発令までを描く。
2020/11/9 刊行
水木しげる 著
「今(ハ)昔」に始まり「トナム語リ伝ヘタルトヤ」で終る口承説話の形式をとり、その鮮やかな表現で文学的価値が高く評価されているだけではなく、摂関・院政期の史料としても貴重な価値をもっている。本全集では本朝部の仏法・世俗についての説話を中心にとりあげた。
2020/9/9 刊行
水木しげる 著
「今(ハ)昔」に始まり「トナム語リ伝ヘタルトヤ」で終る口承説話の形式をとり、その鮮やかな表現で文学的価値が高く評価されているだけではなく、摂関・院政期の史料としても貴重な価値をもっている。本全集では本朝部の仏法・世俗についての説話を中心にとりあげた。
2020/9/9 刊行
坂田靖子 著
『堤中納言物語』は一〇世紀から一四世紀の作と推測される一〇の短篇と「冬ごもる...」にはじまる数行の断章からなる短篇物語集である。「虫めづる姫君」などに見られる短篇独特の機知とユーモア、奇抜な構成の際だつ本篇は平安の物語文学の豊饒さを十分にうかがわせる。
2020/9/9 刊行
いがらしゆみこ 著
『和泉式部日記』は、長保五(西暦一〇〇三)年四月から翌年正月までの約一〇か月におよぶ和泉式部と敦道親王との恋愛の成行きを記した平安時代を代表する日記文学のひとつ。両者の揺れ動く心情を詠んだ総計一四七首の贈答歌を中心に愛と苦悩の日々を綴る。
2020/9/9 刊行
長谷川法世 著
年もわが世も尽きぬ――。柏木と女三の宮の密通、薫の誕生、はかなく息絶える紫の上。消え行くものと生れ出づるものが激しく交差する光源氏の最晩年。
2020/8/7 刊行
長谷川法世 著
流離の地、須磨・明石からの帰京にはじまり、政界の中枢にのぼりつめる三十九歳の春まで――。絵巻の伝統技法を取り入れて描く光源氏の栄耀栄華。
2020/8/7 刊行
長谷川法世 著
さまざまな女性との恋愛を通して、類い稀なる美しさと才能を発揮してゆく光源氏の青春時代――。正確な考証を礎に大胆な解釈を試みる長谷川版源氏物語絵巻。
2020/8/7 刊行
花村えい子 著
床の落ち窪んだ部屋に閉じ込められている心美しく薄幸な「落窪の君」。作者不詳の『落窪物語』は、現存する継子いじめ物語としては世界最古のひとつとされる。
2020/7/9 刊行
石ノ森章太郎 著
漫画界のレジェンドが、イザナキ・イザナミの国生み、天の石屋戸、八俣の大蛇など、昔話としてなじみの深い神話、寓話を自由奔放に再現! 『古事記』は大和朝廷が史書として編纂した日本最古の典籍。朝廷に伝わる『帝紀(天皇の系譜・事績を記したもの)、『旧辞』(説話・伝承の記録)に天武天皇がみずから検討を加えて稗田阿礼に誦習させ、それをのちに太安萬侶が筆録した。
2020/7/9 刊行