月報:窪 美澄・柴崎友香

定価 本体6800円(税別)

ISBN 978-4-12-403582-7 C0393

第二十二巻
過酸化マンガン水の夢
「過酸化マンガン水の夢」「A夫人の手紙」「小野篁妹に恋する事」「上山草人のこと」「或る時」
歌々板画巻
「歌々板画巻」
「鍵」
夢の浮橋
「夢の浮橋」「親不孝の思ひ出」「高血圧症の思ひ出」「四月の日記」「文壇昔ばなし」
雑纂
「近来の快挙」「リンディー」「竹柏園大人の文藻」「京都に寄す」「欧陽予倩君の長詩」「偶感(谷崎潤一郎全集刊行に際して)」ほか
参考
「夢の浮橋〔草稿〕」「女中綺譚〔「台所太平記」草稿〕」

夢の中で鱧肉が女体となる奇想的な「過酸化マンガン水の夢」。死に至る限界まで妻の肉体にうちこむ夫と、誘惑する妻――性の悦楽と恐怖を追求した問題作「鍵」。継母への憧れと夭折した生母への思慕から二人を意識の中で混同させてゆく主人公を描く「夢の浮橋」など、老いや母恋いをテーマにした円熟期の秀作を収載する。