月報:恩田 陸・堀江敏幸

定価 本体6800円(税別)

ISBN 978-4-12-403575-9 C0393

第十五巻
乱菊物語
「乱菊物語」
盲目物語
「盲目物語」「吉野葛」「紀伊国狐憑漆搔語」「覚海上人天狗になる事」
雑纂
「大衆小説乱菊物語はしがき」「春寒」「秋、冬、春」「大衆文学の流行について」「鳥取行き」「天狗の骨」「倚松庵十首」ほか

室町幕府の末、戦乱の世に跋扈する瀬戸内の海賊王と播磨の太守、さらには代官が入り乱れ、美貌の遊君と姫君の争奪戦を繰り広げる……伝奇ロマンを華麗な筆致で描きつつ中絶した娯楽大作「乱菊物語」。悲劇の最後を遂げたお市の方と、淀君ら三人の姫へのあこがれと妄執を盲目の法師に語らせた「盲目物語」。狐の伝説と母恋いが交錯する「吉野葛」ほか、想像力ほとばしる中期の傑作群を収載。