中世修道院の祈りと書物
佐藤彰一 著
中世初期、アイルランドの聖コルンバヌスによって、自らの心の内に罪を自覚し、意識的にえぐり出す思想が誕生する。この「贖罪」思想は社会に大きな影響を与え、修道院の生活を厳しく規定していく。その絶え間ない祈りと労働からは、華麗な写本も生み出された。本書は、ベネディクト戒律からカロリング・ルネサンスを経てシトー派の誕生に至るまで、修道制、修道院と王侯貴族との関係、経済、芸術等から読み解く通史である。
2016/11/17 刊行
三大発酵調味料と日本人
小泉武夫 著
料理の素材を引き立て、味付けの決め手となる調味料。古くから用いられてきた発酵調味料の醤油・味噌・酢は、日本の食卓に欠かせないばかりか、海外での需要も年々高まっている。本書は、発酵学の第一人者がこれら三大調味料の製造工程や成分をわかりやすく解説。我が国の食文化に根ざした歴史や魅力を述べる。さらには、近年の科学的知見をふまえ、血圧上昇や肥満の抑制、発ガン予防などの驚くべき効能も紹介する。
2016/11/17 刊行
多義語と意味変化から見る
寺澤盾 著
英語は世界中の言語から多くの語彙を吸収し、既存の英単語も新しい意味を獲得してきた。boot(長靴)に「コンピュータの起動」の意味が生じ、固定して動かない状態を指したfastが「速い」を意味するようになるなど、一見理解しがたい変化もある。しかし、こうした変化は、ランダムにおこったのではなく、何らかの連想関係が存在するのだ。英単語の多様な意味をつなぐものとは何か。その秘密に迫る。
2016/11/17 刊行