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追悼・樹木希林さん
死の4ヵ月前、
樹木さんが本誌に残したことば

数々のテレビドラマや映画で活躍を続けた女優の樹木希林さんが、2018年9月15日にその生涯を閉じました。
「全身がん」を公表し、長年闘病を続けながら、最後まで女優として現役を貫いた樹木さん。
死の4ヵ月前に本誌に語った死生観、実の妹が語る姉の素顔、さらに悠木千帆時代に本誌で連載された対話の数々──。
私たちはなぜ樹木さんの演技に、言葉に生き方に惹かれるのでしょうか。
その魅力をあらためてひもときます

ここまで生きて、「上出来、上出来」

体調は、決してよくはありません。2004年に乳がんの手術をした後、再発しました。転移するたびに、モグラたたきみたいに出たらたたいて治療するという状態です。映画の撮影や、取材を受ける時は気持ちのトーンが上がるけれど、それは瞬間芸みたいなものね。うちでは、ずーっと静かにしています。ただ、医者のデータで状態がよくないだけで、私自身は、ちっとも変わらないのです。気持ちの問題でしょうね、私の場合。
「もっと、もっと」という気持ちをなくすのです。「こんなはずではなかった」「もっとこうなるべきだ」という思いを一切なくす。自分を俯瞰して、「今、こうしていられるのは大変ありがたいことだ、本来ありえないことだ」と思うと、余分な要求がなくなり、すーっと楽になります。もちろん人との比較はしません。

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