C★NOVELS
ついに戦艦「大和」の訓練が完了。南方作戦を終えた連合艦隊長官・山本五十六は、強大な戦力を背景に米国との早期講和を図るが......。
カバー:高荷義之
刊行日:2017/2/25
新書判/256ページ/定価:990(10%税込)
ISBN978-4-12-501375-6 C0293
零式艦上戦闘機の三二型は、史実ではガダルカナル攻防戦がたけなわとなっているときに実戦デビューしたためか、基地航空隊の戦闘機というイメージが強い機体です。
本機は二一型に比べ、速力と上昇性能が向上した他、横転が素速くなったという長所を持っていましたが、航続距離が短くなったため、ラバウルからガダルカナルまで往復できず、前線での評価は芳しいものではありませんでした。
筆者は、三二型は基地航空隊よりも、機動部隊で使った方が真価を発揮できたのではないか、と考えております。
機動部隊における戦闘行動半径は二〇〇浬前後であり、ラバウル~ガダルカナル間ほどの長距離飛行は必要ありません。
また、本機の速度性能、上昇性能は、艦隊の直衛任務で大いに役立ったはずです。
今回の第四巻では、そのあたりを考え、零戦三二型が活躍する場面を作ってみた次第です。
〔横山信義/2017年2月〕